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労働時間を少なくすると生産性は上昇するのか?

By chrismetcalfTV

将来的には「週15時間労働」や「1年間に6ヶ月間労働」になるという予測が立てられているほか、「週休二日制」よりも「週4日労働制」の方が効率的であるという実例も挙げられています。そんな労働時間の減少は生産性を高めることができるのか、The Guardianが欧州諸国の現状を例に説明しています。

Why working fewer hours would make us more productive | Guardian Sustainable Business | The Guardian
http://www.theguardian.com/sustainable-business/2015/nov/09/fewer-working-hours-doctors-eu-negotiations


イギリスの公衆衛生専門機関であるFaculty Of Public Healthの所長が、長時間労働が精神障害の大きな原因になっていることを指摘しているほか、2015年の研究で長時間労働によって心臓発作など心臓病のリスクが増加することが判明しています。働く時間が少なく済めば、家族と触れあえる時間が多くなり、サッカーの試合を見に行くなど趣味に費やせる時間が増えることになります。

労働者にとって、少ない労働時間を望むのは言うまでもないことですが、経営者にとっては労働時間の減少は難しい問題かもしれません。イギリスでは600万人以上が1週間あたり45時間以上働いている一方で、185万人の失業者を抱えています。もし労働時間を減少させることができれば、その分の労働時間を失業者に分配でき、長時間の残業に悩む人々を解放できることになります。

そこで問題になるのが収入であり、労働時間を少なくして生活できなくなっては元も子もありません。労働状況の改善に努めるTimewise財団の調べによると、ロンドンにおいて平均以上の給与を提示するパート・タイムの求職はわずか3%のみだそうです。労働時間の減少が経済の低下を招くのかどうかが気になるところですが、例えばオランダやドイツは労働時間がイギリスより1週当たり5~6時間少ないものの、両国の経済はよく発展しています。

経済協力開発機構の調査によると、経済的に発展している国は、少ない労働時間であるほど、高い生産性を挙げる傾向にあるとのこと。また、アメリカの経済政策研究センター(CEPR)の調べでは、温室効果ガス排出量の低下が短い労働時間と蜜月の関係にあることがわかっており、環境問題の改善など労働時間を少なくするメリットはさまざまなわけです。

例えば月曜日~木曜日、9~17時という労働条件を実現しようとすれば、レストランや病院などのように不可能な職場も存在しますが、経営方法の改善により対処できるとのこと。労働時間の減少を実現するにあたって、最も大きな障害となるのは恐らく文化的要素であり、勤勉・労働・信仰を掲げるルター主義的な労働倫理や、「熱心に働いて頑張っている」という自己評価に基づいてしまうとのこと。

労働時間を減少させるためには、根深い社会的・個人的規範に取り組むことに対する挑戦が必要とされています。スウェーデンでは「1日6時間労働」や「週4日労働制」に取り組む試みが行われており、実際に生産性が上昇したという結果が出ているとのこと。リモートワークの環境を整える企業も増加しており、気軽に自宅で作業できる雰囲気が関係しているのかもしれません。

なお、これらのアイデアは新しいものではなく、1930年代に経済学者のジョン・メイナード・ケインズが、ちょうど現代に当たるころには「週15時間労働制になっている」と予見していました。まだケインズの予想は的中していませんが、労働時間の減少は、うまく取り組むことで実現可能な時期にさしかかっています。

By zoe J

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in メモ, Posted by darkhorse_log