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農業シミュレーション「Stardew Valley」風のドット絵で魔法世界を冒険する「Spellbound」


自分の農場で自給自足の生活を楽しめる農業シミュレーションRPGの「Stardew Valley」は、スーパーファミコン風のドット絵と独特のノンビリとした世界観がウケて大ヒットを記録したゲームで、2017年に海外のニンテンドーeショップで最もダウンロードされたダウンロード専用ゲームでもあります。そんなStardew Valleyの販売元であるChucklefishが、開発中の最新ゲームや一風変わったゲーム開発ポリシーなどについて語っています。

Spellbound: Developers Chucklefish speak about the game
https://www.redbull.com/int-en/spellbound-developer-chucklefish-interview

2017年のインディーズゲーム界で最もヒットしたタイトルの1つである農業シミュレーションRPG「Stardew Valley」は、PC版とコンソール版で多くの販売数を記録し、販売元のChucklefishも大きな注目を集めました。Chucklefishは2011年にフィン・ブライス氏が創業したゲーム開発・販売会社で、2016年には独自開発のゲーム「Starbound」をリリースしています。Chucklefishが他のゲームデベロッパーと異なるのは、他のインディーズレーベルが独自開発のゲームを市場に出すことを手助けしている点です。2013年に登場した「Risk of Rain」や2017年の「Pocket Rumble」、そして「Stardew Valley」もChucklefishではなく他のインディーズレーベルが開発したゲームであり、これらをChucklefishが販売するという形をとっています。

Stardew Valley [Nintendo Direct mini 2018.1.11] - YouTube


Chucklefishと他のインディーズレーベルの関係性について問われたブライス氏は、「ゲームをリリースする時、開発者をサポートするのに必要なことは何でも行うことにしています。そして、目指していた目標を確実に達成するんです」と語っています。さらに、「開発者たちを支援する中で、時には緊密に協力することもありますが、最終的な製品版が開発者のものになるように我々は適切な距離感を保っているつもりです。Stardew Valleyはこの最たる例のひとつで、元は開発をデベロッパーのEric Baroneさんがひとりで行っていましたが、我々は重要なフィードバックとテストを行うことで開発に協力しました。実際のゲーム開発部分には深く立ち入らないことで、Ericさんがゲーム開発をしっかりコントロールできるようにしているわけです。また、ChucklefishはEricさんの指示の元で、マルチプレイヤーモードの開発も続けています」と、Chucklefishが開発者とどのように付き合うことで販売するゲームの開発を管理しているのかについて明かしています。

Stardew Valleyの大ヒットにより、Chucklefishは新しいゲームタイトルを開発するだけの資金を得ることに成功します。そうして開発がスタートしたのが、Stardew Valley風のドット絵が特徴的な2Dゲーム「Spellbound」です。


Spellboundは「魔法学校シミュレーション」と呼ばれており、プレイヤーは魔法学校に入学して日々の生活を送ることとなります。ブライス氏はSpellboundについて、「魔法学校に入学したくない人なんていますか?」と笑顔で語り、さらに「SpellboundはChucklefishの社員の数人がこれまで長らく温めてきたアイデアなんです」と続けました。また、Chucklefishでは社員全員がゲームのアイデアを提案する場が設けられており、その中で登場した最も多くの社員に愛されたアイデアがSpellboundだったことも明かしています。

「魔法学校」と聞くとハリー・ポッターを思い出す人も多いかと思いますが、ブライス氏はハリー・ポッターに大いに影響を受けたことを潔く認めており、「僕たちはハリー・ポッターのファンで、シリーズを読み終えた後には、自分たちがもしも魔法学校に通っていたら……と想像したものです」と語っています。ただし、Spellboundがそのままハリー・ポッターシリーズの世界観を模倣しているわけではありません。ブライス氏によると、「Spellboundの世界の魔法はハリー・ポッターとは異なりより実用的なもので、テリー・プラチェットのディスクワールドシリーズや、ガース・ニクスの古王国記、スタジオジブリ作品、スティーブン・ユニバースなどからインスピレーションを得ている」とのことで、日本のジブリ作品にも影響を受けているとしています。

ゲームではハリー・ポッターのように魔法学校での生活を送りながら、プレイヤーはさまざまなタスクを実行可能となります。学校でどのような授業を受けるかや、どのようなキャラクターと関係を深めるか、どのような魔法を習得するかによってさまざまな出来事が巻き起こるとのこと。さらに、草食動物のために魔法で作物を増やしたり、クエストを受注して冒険に出かけたり、デートしたりとStardew Valleyのようにプレイヤーごとに異なる遊び方が可能となっている模様。


Stardew Valleyでも重要な要素であった「住民同士の人間関係」ですが、これはSpellboundにおいても引き続き重要な要素となるとのこと。ブライス氏は、「最初に絶交された時、プレイヤーが衝撃を受けることを期待しています。ゲームの中で登場キャラクターはそれぞれのモチベーションや欲望にしたがって行動しています。なので、プレイヤーは自分が中心の世界ではなく、新たな世界の中に迷い込んだような錯覚に陥ると思います」と語っています。

言うまでもなく人間関係のみがSpellboundにおいて特徴的なゲームシステムではありません。SpellboundはStardew Valleyのようにカジュアルなゲームでありながらプレイヤーにとって中毒性のあるゲームになることを目指しており、「ゲームは毎回驚きと楽しみがあり、驚くほどリラックスして魅力的な体験を楽しめることを保証します」とブライス氏。

また、魔法を使った戦闘などもあり、ただのんびりと魔法世界を楽しむだけのゲームではないとのこと。ブライス氏によると有名なファンタジーゲームからインスピレーションを得ているとのことで、「Spellboundでの戦闘は、剣や弓、爆弾の代わりに魔法を唱えるゼルダ風のRPGアクションになります。また、プレイヤーは特定の条件を満たすことでゲーム内の森林ダンジョンなどに入るために必要な魔法を習得できるようになります。そして、冒険できるようになった新しいダンジョンではさまざまなお宝が待ち構えています」と語っています。


ChucklefishはSpellboundのオープン性を保つことに苦心しているそうで、これはプレイヤーが魔法学校の授業を「同じ授業を再び受ける」だとか「初期に登場した授業を時間がたってから受ける」などする可能性があるからです。ブライス氏は、「Spellboundにおいては大きなひとつの『キャラクター中心のストーリー』といったものは存在しません。このゲームは多様性のあるストーリーで、いろいろな場所を探索したりさまざまな魔法を習得したりが可能です。Stardew Valleyのように、プレイヤーが何度も何度も戻ってくることができるゲームにしたいと思っており、同じくらいのプレイ時間になるよう設計しています」と語っています。

なお、SpellboundはPC向けに開発が進められているゲームですが、ブライス氏は「我々はNintendo Switchの大ファンなので、将来的にはすべての主要プラットフォーム向けにリリースすることが理想的です」と述べており、Nintendo SwitchやPS4向けにもリリースする予定であることを示唆しています。

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in ゲーム, Posted by logu_ii

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