あなたへの批判を個人攻撃だと捉えずに客観的に受け止める六つの方法とは？

by Giorgio Montersino

周囲からの適度な批判は自分を見つめ直し、現状をよりよい方向へ持っていくために有用ですが、ときには「自分はなんてダメなんだ」と考えて落ち込んでしまうこともあります。そんな批判に上手に対処し、「批判を自分への個人攻撃だと捉えずに客観的に受け止める方法」について、心理学者のエレン・ヘンドリクセンさんが説明しています。

5+ Ways to Not Take Things Personally | Savvy Psychologist
https://www.quickanddirtytips.com/health-fitness/mental-health/how-to-stop-taking-things-personally

私たちが批判を受けたとき、それを水が流れるように簡単に受け流すのは難しいもの。批判を個人的な問題として過敏に受け取ってしまうと、自分を守ろうとするあまり周囲に対して攻撃的な態度を取ったり、チームワークを損ねることがあります。誰だって批判されてもくじけない強い心を持ちたいと思っていますが、具体的にはどうすればいいのか？ということについて、ヘンドリクセンさんは「他人に対する考え方を変える方法と、自分自身の考え方を変える方法があります。どちらも実用的ですが、自分が直接働きかけられる相手は自分しかいないので、最終的には自分自身を変える方向に進むべきでしょう」と述べています。

◆1：批判してくる相手は誰かを考える
「例えばあなたが水を飲もうとするとき、きれいな山の泉から湧き出す水を飲みたいと思うことはあるでしょうが、ドブに流れる汚い水を飲もうと思うでしょうか？『自分に加えられた批判は誰から向けられたものなのか』について考えてみるべきです」とヘンドリクセンさんは語ります。

気になる批判があなたの大切な家族や友人、尊敬できる人々から向けられたものであるならば、痛みを伴う作業であっても批判に向き合うことは有益かもしれません。ですが、それが誰に対しても批判的な態度を取り、人格に問題のある人物から向けられたものであるなら、真剣に捉える必要性は低いと判断していいでしょう。批判を受けたとき、まずは「批判しているのは誰か」を考えてみて、それからその批判を頭でしっかりと受け止めるべきなのか、それとも大したことではないと打ち捨てるべきかを判断してみることを、ヘンドリクセンさんはオススメしています。

◆2：批評家を見切るタイミングを決める
批判内容には、本当にその批判が正しい場合と、まるで見当外れな批判である場合とがあります。人間は決して完璧ではなく、誰にだって間違いが起こりうるものですが、同じ批評家が何度も何度も間違った批判を加えてきて謝罪もしない場合、それはその人の「パターン」だと捉えてしまっても構わないとのこと。

見当違いの批判をされたのが1度目だったなら、「自分にも非があったかもしれない」と思っていいでしょう。2度目もまだ許容範囲。ですが、3回もあなたに無意味な批判を加えてくる場合は、その相手を無視するか、連絡を制限することを見当するべきです。仕事上の付き合いがあれば完全に無視することは不可能でしょうが、何かしらの境界線を引く必要があります。

by Alon

◆3：「あいつに言われる筋合いはない！」と怒るのをやめる
批判の中には、まだ起こってもいない出来事に対して「事態が悪くならないように気をつけろ」「それをするべきじゃないぞ」と批判してくるタイプもあります。これに対して「あいつにそんなことを言う資格はない」と怒ってしまうのは簡単ですが、それはいたずらにストレスをため込むだけです。

「座っている犬のリードをあなたに持たせて『犬が逃げ出さないように気をつけて』と言ってくる人と同じで、自分が何もしていないのに注意されるのは面倒に感じます。ですが、一度言われてしまったものは仕方がありません。それに対して腹を立てるのではなく、じっとこらえましょう」とヘンドリクセンさんは述べています。

◆4：完璧主義を捨て去る
批判に対して過敏になる人は、完璧主義者であることが多いそうです。そういった人たちが一生懸命に打ち込んできた仕事に対して批判を加えられると、全ての努力が吹き飛ばされたように感じてしまいます。しかし、批判は決してそれまでの努力を無に帰すものではなく、自分の仕事をよりよいものに高めてくれる有益なものだと捉えるべきだとヘンドリクセンさんは語ります。

ヘンドリクセンさんは完璧主義の人が完璧主義を撤回し、自分を締め付ける厳しいボタンを緩めることの難しさにも理解を示しています。「いきなり全ての批判を受け入れるほど、一気に完璧主義を捨て去るのは困難でしょう。ゆっくりと、完璧主義のボタンを緩めていけばいいのです。そして、批判を受けたらその批判を克服する、ポジティブでより高い目標を設定しましょう。新しい目標を達成することで、あなたは批判に打ち勝つことができます」とのこと。

by mi..chael

◆5：過去を思い出すときは記憶にうそをつかない
私たちは批判を受けたときのことを脳内でリプレイし、「ああしていればよかった、こうしていればよかった」と考えることがあります。この方法は有効な面もあり、トラウマを抱えた患者にトラウマのシーンを脳内再生させ、それを克服するという治療プログラムも存在しています。しかし、記憶の中で「批判を加えてきた相手にやり返す」シーンをねつ造し、満足してはならないとのこと。

「これは人々が抱えるナルシシズムにも関連していますが、イメージの中で相手に復讐することは何の利益ももたらしません」とヘンドリクセンさんは警告しています。批判の記憶をリプレイするとき、それが次回につながる対処法を考えるためであれば問題ありません。ですが、頭の中で相手にやり返したり支配したりするためだけに記憶をリプレイするのは、やめた方がいいでしょう。

◆6：個人的と非個人的の適度なバランスを見極める
全ての批判に対して「そんなものは自分個人に対し、何の関係もない」と切り捨ててしまうのは、確かに簡単な対処法です。しかし、自分の仕事に関するあらゆるものを自分から切り離し、「所詮給料をもらうためにやっている仕事に過ぎない」と無責任になりすぎるのは問題です。よい結果をもたらすものではありません。

ヘンドリクセンさんは「批判を個人的に捉えてしまうことは、あなたが他人とベストの自分で向き合っている証拠です。仕事に対して非個人的に接していては、あなたの仕事に対する価値は生まれないでしょう。仕事に対して十分な責任感を持ちつつ、ストレスを感じすぎない適度なバランスを見つけてください」と述べています。