高速で回転させるとアニメーションになる花の彫刻「Blooms」
1分間に550回転という猛スピードで花の形をした彫刻を回転させると、花びらがアニメーションのように動くというムービー「BLOOMS: Strobe Animated Sculptures Invented by John Edmark」は、スタンフォード大学のデザイン講師でもあるJohn Edmark氏の作品。彫刻は3Dプリンターで作られていて、アニメーションを可能にするために、幾何学的にも意味のある数字を使って実現しているとのことです。
Blooms: Phi-Based Strobe Animated Sculptures: 6 Steps (with Pictures)
http://www.instructables.com/id/Blooming-Zoetrope-Sculptures/
BLOOMS: Strobe Animated Sculptures Invented by John Edmark on Vimeo
最初に登場するのは菊の花のような彫刻。回転すると花びらが上から下に向けて移動していきます。
上からのアングルに変わると、花びらが中央から外側に移動します。
次はサボテン状の球体。トゲがうねうねと動きます。
複雑な平面で作られた幾何学的な半球体。平面を持つパーツがそれぞれ回転するというなんとも不思議な状態に。
ヘビがとぐろを巻いたような形の彫刻も登場。一番上の段と一番下の段のドーナツ状の網は上から下へ、真ん中の段の網は下から上へ移動します。
この映像は、彫刻を1分間に550回転させ、シャッタースピードを1/4000秒に設定し、24FPSでビデオ撮影するとアニメーションのように動くとのこと。回転速度がカメラのフレームレートと同期して1フレームあたり彫刻が約137.5度動くことから、このようなアニメーションを実現できるようです。
以下は花びらのモデルをパネルを並べて作成したもので、中央から外側にかけて、花びらが137.5度の間隔で配置され、外側に向かうにつれて大きくなっています。137.5度は黄金角と呼ばれており、ヒマワリの種はこの黄金角に従って配列していて、たくさんの種を均等に密集できるとのこと。
黄金角はフィボナッチ数列と関連性が強く……
中央から時計回りに出ていく線を数えると8。
中央から反時計回りに出ていく線を数えると13となり、フィボナッチ数列の隣り合った数字になります。
先ほどの形を1枚のパネルにして……
同じように、同じ形で異なるサイズのパネルを積み重ねると以下の画像のようになります。
上から順に137.5度ずつ回転させていくと……
花びらのような形になるというわけです。
つまり、自然の花も黄金角で花びらが付いていることが多いので、彫刻に似たような形状の花であれば、回転させると上から下に花びらが動くアニメーションになります。アニメーションになる様子は以下のムービーを見るとわかります。
Strobe-Animated Artichoke—a Naturally Occuring "bloom" - YouTube
ちなみに、動く彫刻のムービーは、1分間に550回転で撮影となっていましたが、正確には340回転で撮影しているとのこと。1フレームあたり85度回転させることでアニメーションのように見せているとのことです。85度回転させると、1フレームあたり137.5度の2倍にあたる275度回転することと同じになり、黄金角で回転するより、2倍速く動いて見えるアニメーションになるというわけです。
なお、回転するとアニメーションを作り出す彫刻は販売されており、以下のサイトで購入することができます。
John Edmark by edmark - Shapeways Shops
https://www.shapeways.com/shops/edmark
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