無料でタスク管理ツール「Trello」をアジャイル開発用のツールにできる「Corrello」を使ってみた
タスク管理ツールの「Trello」は1つのタスクを1枚のカードとすることで「ToDoリスト」のような使い方ができます。しかし、アジャイル開発のような現場では、「ToDoリスト」としての使い方だけでなく、短い期間で滞りなくタスクを実施するために、作業の大きさをストーリーポイントと呼ばれる数値で表したり、複数のタスクが1人に集中しないようにWIPの上限を決めることがあります。「Corrello」を使うと、Trelloをアジャイル開発用に拡張でき、「ストーリーポイント」や「WIP」を設定できるようになるとのこと。実際に使って試してみました。
Agile tools powerup for Trello by Corrello
https://getcorrello.com/AgileTools
カードを整理する感覚でToDoリストやメモ帳、複数人でのタスク管理までこなせてしまう「Trello」の基本的な使い方は以下の記事を見ればよく分かります。
カードを整理する感覚でToDoリストやメモ帳、複数人でのタスク管理までこなせてしまう「Trello」 - GIGAZINE
◆「Corrello」のインストール
2週間単位のスプリント期間で、タスクを3つのリストに振り分けたアジャイル開発プロジェクト用のボードをTrelloで用意しました。まず、「Corrello」を有効にするため、右上にある「ボードメニューを表示」をクリックします。
「Power-Up」をクリック。
「開発者向けツール」をクリック後、「Agile Tools」の右にある「有効化」をクリックします。
次に「歯車」アイコンをクリックし、「Power-Upの設定を編集」をクリック。
「Use Fibonacci Numbers」にチェックを入れ、「Setup WIP limits」をクリックします。
「Enable WIP limits」と「Use limits from list name」にチェックを入れ、「Save」をクリックしてインストール完了です。
◆タスクにストーリーポイントを割り振る
次に、各タスクにタスクの重さを表す「ストーリーポイント」を割り当てます。まず左上にある「サインアップ機能」のカードをクリック。
「Story Points」をクリックすると、ストーリーポイントの設定画面が表示されます。
ストーリーポイントは数字が小さいほど、簡単なタスクで、高いほど難しいタスクとして表します。自然数で割り振っても問題ありませんが、タスクごとに開発難易度をわかりやすくするため、フィボナッチ数列の値を入れることで、タスクの難しさに差を付けやすくすることがあります。
ここでは、4番目の難しさである「5」をクリックします。
すると、「サインアップ機能」にストーリーポイント「5」が割り当てられました。
この要領で、「スプリント1」リストの中で、タスクにストーリーポイントを割り当てました。ここで、右上にある「Agile Tools」をクリックすると……
「List point counts」に各スプリントのポイントが表示されます。
たとえば、「スプリント1の達成リスト」というリストを作成し、達成したタスクを移動していけば、2週間のスプリントで達成した合計ポイントを確認することができます。これを何度も繰り返していけば、チームが2週間で達成できる平均ポイントを知ることが可能で、どれくらいの作業であれば2週間で達成できるかの見積もりが容易になるというわけです。
「Mark Unestimated」をクリックして有効にすると、ストーリーポイントが割り振られていないタスクに「Unestimated」が表示され、わかりやすくなります。
◆WIPを設定する
今回、Trelloで作った開発ボードのメンバーは3名で、1人あたり重複可能な作業数は2として、各リストのWIPは6に設定してみます。「スプリント1(1/21~2/3)」のリスト名をクリックし、末尾に「[6]」と入力し、Enterキーを入力します。
すると、このリストのWIPは「6」で設定されます。リスト内には7つのカードがあるため、各カードのストーリーポイントの隣に赤く強調された状態でWIPが「7/6」と表示されます。この状態になったときは、タスクの割当を再検討するか、問題ないことを確認するなど手を打つ必要があります。
なお、タスク数の少ない「スプリント3(2/18~3/3)」のリストに同じように適用すると、「4/6」となり、異常値でもないことから、強調されることはありません。
ここまでの機能であれば、無料で利用することが可能です。
◆有料版Corrello
有料版を利用すると、リスト内にあるカードがどれくらいの時間残っているかを表示したり……
期限までに全て作業を完了させられるかを示す、バーンダウンチャートの作成。
カードの移動推移がわかる「累積フローダイアグラム」など、さまざまな図を作ることもできます。
その他の機能は以下のURLで確認することができます。
Trello dashboards for Scrum teams | Corrello
https://getcorrello.com/trello-reports-for-scrum
「Corrello」の有料プランには、メンバー数に応じて「Small Team」プランが月額39ドル(約4300円)、「Medium Team」プランが月額79ドル(約8600円)、「Big Team」プランが月額159ドル(約1万7000円)、「Business」プランが月額229ドル(約2万5000円)が用意されています。最大80名まで利用できるBusinessでは、月額30ドル(約3300円)ごとに20名分メンバーを追加することができます。
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