IBMが精神疾患を発生させるリスクを予想するAIを開発中
by PDPics
人工知能(AI)は「患者がいつ死ぬのか」ということを予測するなど医療分野でも大きな可能性を広げることができると考えられています。IBMは近年、精神疾患診断にAIを活用するという研究を進めており、新たな研究結果によると、83%の正確性で精神疾患のリスク予測が行えたとのこと。
Prediction of psychotic onset with AI: words portend the future
https://www.ibm.com/blogs/research/2018/01/ai-words-portend-future/
Prediction of psychosis across protocols and risk cohorts using automated language analysis - Corcoran - 2018 - World Psychiatry - Wiley Online Library
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/wps.20491/full
IBM researchers use AI to predict risk of developing psychosis
https://www.engadget.com/2018/01/23/ibm-researchers-ai-predict-risk-psychosis/
IBMのコンピューター・精神医学&神経画像研究チームはこれまでAIを精神疾患のリスク予測に役立てるという研究を行ってきており、2015年に最初の研究結果を発表しています。
そして、2018年1月19日にIBMは新たな研究結果を発表。この研究では、別の精神疾患の研究に参加した59人の被験者の発話パターンを分析し、精神疾患のリスクの有無を機械学習モデルに判断させたところ、83%の正確性で予測できたとのこと。また、このとき機械学習モデルは直近に精神疾患を患っていた患者と、健康な人を72%の正確性で判別しました。さらに、AIは「精神疾患の患者は所有代名詞を使うことが少ない」「筋の通った文章を作らない傾向にある」ということを発見したそうです。
by Andrew Neel
研究を行ったコンピューター・神経科学者のGuillermo A. Cecchi氏は「これは、『メンタルヘルスに関わる医師や介護者、そして患者自身のためのツール開発』というゴールへの大きな一歩であると私たちは信じています。このツールによって、病院以外のところで神経性神学的な診断が可能になるのです」と語っています。将来的にAIは、精神科医が不足している場所であっても診断が可能になることで、医者の代役を務めることができるわけです。特に、医療的な助けを求めることが難しいホームレスに対して、大きなインパクトを与えることができるだろうとCecchi氏は見ています。
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