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Nintendo Switchの「VR」や「4K」へのアップグレードはあるのか?


2017年3月に発売され、破竹の勢いで販売台数を伸ばし続けているNintendo Switch。発売から約10か月の期間でみると「アメリカ史上最速」で売れている家庭用ゲーム機であることも明らかになっていますが、ライバルのPlayStationやXboxがVRや4Kへの対応を果たしているのに対して、Nintendo Switchの対応画質は1080pとスペックで見ると心許なく感じるもの。そんな中、海外メディアのArs Technicaが任天堂の関係者の過去のインタビューなどからVRや4Kへの対応の可能性を探っています。

Nintendo doesn’t seem to be “looking into” VR very much anymore | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2018/01/nintendo-is-not-hopping-on-the-vr-bandwagon-any-time-soon/

2016年2月、任天堂の君島達己社長が投資家向けの説明会の中で、VRについて「注視している」と発言しました。

So Nintendo (at the briefing) just said no change in plans for the smartphone app roll out. Says they "are looking" at VR - with no details.

— Dr. Serkan Toto (Kantan Games Inc.) (@serkantoto)


また、同年10月には海外メディアBloombergのインタビューの中で、「Nintendo SwitchはVR対応になるか?」という質問に対して「可能性があるかどうかという点については、『ない』とは言い切れません」と語っています。

Nintendo SwitchのVR対応や3DSの今後について任天堂の君島社長がインタビューで明かす - GIGAZINE


さらに2016年12月には、任天堂の特許出願からスマートフォンやタブレットのような端末をヘッドマウントディスプレイに装着して使用する、SamsungのGear VRのようなVRヘッドセットのアイデアが発見されています。これはNintendo SwitchをVRヘッドセットに変身させるための特許ではないかと話題になりました。

Nintendo SwitchでVRコンテンツを楽しめる可能性が任天堂の特許出願から浮上 - GIGAZINE


しかし、2018年1月になって任天堂フランスのゼネラルマネージャーであるフィリップ・ラヴェー氏が、フランスの雑誌Les Numériquesインタビューの中で「VRヘッドセットを見ると、これがメインストリームにアピールできるのかどうか疑問に感じてしまう」「包括的なパッケージを提供できない場合、ユーザーはエンターテイメントに対して我慢強くありません」と語っており、現状のVRサービスでは物足りないと感じていることを明かしています。

また、ラヴェー氏はTVやディスプレイ関連技術の「大部分が採用していない」として、任天堂が4K対応端末への対応を重要視していないこと、さらに4K技術への投資は「時期尚早である」と考えていることも明かしています。4K対応については、「競合他社と比較してどんな新規性をもたらせるでしょうか?もしも我々が競合他社と同じことを行えば、我々は競合よりも小さな企業なのでたちまち限界を迎えることとなります。Nintendo Switchでは、プレイヤーの生活に合わせてさまざまな使用方法を提供しており、これによりユーザーの日常生活にフィットできました」と語っており、競合他社との差別化を目指したことでNintendo Switchが成功を収めることができたことを示唆しています。


さらに、2017年6月にFortuneが行ったインタビューの中で、任天堂アメリカのレジー・フィサメィ社長も「VRは楽しいものなのかそれとも社会的なものなのか?私はまだそのどちらでもないと思う」とVRについて語っています。また、AP通信のインタビューでは「VR技術はまだ完全ではありません。我々の観点では……完全なものができ、そこに楽しい体験が存在する時、我々もVR分野にいるだろうと思います」と語っており、ラヴェー氏と同じくVRへの参入は時期尚早と感じていることがうかがい知れます。また、フィサメィ社長は4K技術について、伝統的なTVユーザーの中のトップエンドだけをターゲットにすることになるため、「それは限定的すぎる戦略だ」とThe Vergeのインタビューで語っています。

任天堂アメリカの企業広報シニアディレクターであるチャーリー・サイベッタ氏は、2014年に行われたArs Technicaによるインタビューの中で、「ゲームプレイを増やし、我々が考えるよりも面白いものに仕上げるために役立つものは何でも注視しているので、我々は常に最新技術に注目しています」とコメントしており、任天堂が最新技術に対してもオープンであることを明かしています。しかし、マリオの生みの親である宮本茂氏は、2015年に実際にVRを体験して「(任天堂の家族が中心となるゲーム体験において)VRはうまくフィットしないように思う」と語っている通り、任天堂内でもVRへの反応はまちまちのようです。

これらのインタビューを総括し、Ars Technicaは「任天堂がVRや4Kといった『ハイエンド』の技術を採用するには、まだしばらくかかりそう」と記しています。


なお、任天堂からVRヘッドセットが発売されるのを待ちきれないユーザーが強引にNintendo Switchをヘッドセットに装着してVRヘッドセットを自作した事例もあります。

Nintendo SwitchをVR対応にアップグレードできる「Switch VR」を自作することに成功 - GIGAZINE

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in ハードウェア,   ゲーム, Posted by logu_ii

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