VRゲームを用いて銃乱射事件が発生した場合をシミュレーションする計画
2017年のラスベガス・ストリップ銃乱射事件や2016年のフロリダ銃乱射事件など、アメリカでは毎年のように銃乱射事件が発生しています。2012年のサンディフック小学校銃乱射事件では26人もの死者が出ており、学校が銃撃事件の標的となった場合、多くの犠牲者を出してしまう可能性があります。そこで、アメリカでは学校内で銃撃事件が起きた場合を想定し、VRゲームを使った教員向けのトレーニングが計画されています。海外メディアのGizmodoが、VRゲームの特徴について、わかりやすく解説しています。
Game Trains Schools for Mass Shooting Response - YouTube
非常事態が発生したとき、訓練を受けた人間とそうでない人間のどちらが対処すれば、被害を最小限に抑えられるかは明白です。このVRゲームはとった行動の何が良くて、何がダメだったかを何度もプレイすることでフィードバックを得ることができます。
米軍とアメリカ合衆国国土安全保障省が、実際に起きた事件を基に、このVRゲームを開発しました。
銃乱射事件の約4分の1は学校で起きているので、このゲームは学校が銃撃事件の現場となった場合を想定して設計されています。
例えば、廊下に犯人がいるときに「教室のドアを開けるか」「鍵をかけるか」を選択したり……
教室内で隠れている子どもたちに「廊下側の壁に沿って並べ!」など、指示を出したり……
また、犯人となって、犠牲者をいかにして増やすかという行動をとることもでき、犯人目線を知ることで、事件発生時にどう行動すれば、被害を減らせるかということも考えることができます。
このゲームは「サンディフック小学校銃乱射事件」の内容を再現しています。教員は職に就いたときに、自らの職場に銃弾が飛び交うなど夢にも思っていなかったはず。しかし、それが現実になっているのが実情で、事件が起きたときに、被害を最小限に食い止めるためには、どんな選択肢があって、どのアクションが良い結果につながるかをシミュレーションを通して理解する必要があります。
アメリカ国土安全保障省の関係者によると、このVRゲームは2018年春までに公開する予定とのことです。
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