取材

キリンのクラフトビール醸造所&目の前でホップやフルーツで風味付けされたビールが飲める「スプリングバレーブルワリー京都」に行ってきました


日本のビールをもっとワクワクするものにしたい、という思いの元、キリンは2015年4月に代官山でクラフトビールを提供する「スプリングバレーブルワリー」をオープンさせました。そして、2017年9月7日(木)には西の拠点として「スプリングバレーブルワリー京都」がオープン。山椒やゆずなどの和素材を使ったビールや、目の前でフルーツやハーブで香り付けしたビール、旬の和素材をアレンジした料理などが楽しめるようになっており、オープン前のプレス向けイベントに行くことができたので、伝統と革新が融合するビール&料理の数々を一足先に味わってきました。

SVB KYOTO | スプリングバレーブルワリー
http://www.springvalleybrewery.jp/kyoto/

「スプリングバレーブルワリー京都」9/7(木)オープン|2017年|ニュースリリース|キリン
http://www.kirin.co.jp/company/news/2017/0719_01.html

クラフトビール ~ビールの新しい未来を~|SPECIAL|KIRIN RECRUIT 2018|採用情報|キリン
http://www.kirin.co.jp/company/recruit/freshers/project/beer/

スプリングバレーブルワリー京都の住所は「京都府京都市中京区 富小路通錦小路上る高宮町587-2」


阪急河原町駅から徒歩で7分ほどの距離、錦市場のすぐ側に……


築約100年の町屋を改装したスプリングバレーブルワリー京都があります。


入り口にはのれんがかかっていて、和モダンな雰囲気。


中に入ってみると……


左側にガラスで仕切られた醸造設備。本来、ビールの熟成タンクは金属で作られますが、スプリングバレーブルワリーでは仕込みの様子がよく見られるようにと、タンクや釜の素材としてガラスが採用されています。


入り口を入って右側にカウンターやテーブルなど。


町屋は2階建てになっており、階段を上っていくと……


こんな感じでテーブル席がずらりと並んでいました。奥にはビールをついでもらえるカウンターがあります。


席が用意されていたので、着席。


プレスイベントでは、6種のクラフトビールと、それぞれのビールに合わせたおつまみが楽しめるペアリングセット(2300円)が提供され、席には6種のビールそれぞれの説明書き付の紙製のマットが置かれていました。


ビールは奥のカウンターから取ってくる方式でした。


ずらりと並ぶビールグラス。彩りもさまざまなので、並んでいるだけで美しいです


ということでビール6種類を並べてみました。左から「496」「COPELAND」「Afterdark」「on the cloud」「Daydream」「JAZZBERRY」。なお、通常時はもう少し小さめのグラスで提供されます。


早速「496」から飲んでみよう……と顔を近づけたところ、フルーツのような不思議な甘い香りがふわりと漂い、「今まで飲んできたビールの香りではない……!」ということに驚きます。取材に行った編集部員はビールと言えば飲み会の乾杯時に生を頼むくらいだったので、これまでクラフトビールをあまり飲んだことがなかったのですが、隣に日本ビアジャーナリスト協会の方がいたので聞いてみたところ、このフルーツのような独特の甘い香りの正体がホップとのこと。496はスプリングバレーブルーワリーのフラッグシップビールとなっており、「エールのような豊潤さとラガーのような切れ、IPAのように濃密なホップ感」が絶妙なバランスになっているビール。ビール=苦いというイメージだったので、まろやかさや甘さ、苦み、酸味の全てが味・香り・のどごしで感じられることにひたすら驚きました。


496とペアリングされているのが「肉味噌マカロン」。本来は小皿に入れて1個ずつの提供ですが、今回は大皿で提供されるという形でした。


マカロンの生地はお菓子のように甘く、中の肉味噌と合わせることで甘じょっぱい味わいになります。


COPELANDは「他のビールを楽しんだ後にもまた飲みたくなる『立ち返る場所』をテーマ」に作られているビール。496を飲んだ時に感じられた甘い香りは控え目で、キリッとした苦みや酸味のバランスが、今回飲んだ中では一番「ビール」のイメージに近いと感じました。さまざまなビールを飲み比べると、確かに「立ち返る場所」という意味がよくわかります。


COPELANDにペアリングされているのは出汁オリーブ。オリーブの実はオイルやビネガーなどで漬けられているイメージでしたが、やさしい風味の出汁との相性は抜群。COPELANDがスタンダードなビールの味わいだからこそ、慣れ親しんだ出汁の味はおつまみとして非常に合いました。


Afterdarkは飲んだ瞬間にキャラメルのような甘い風味を感じ、まろやかさもあるのですが、後味の苦みは強め。


ペアリングされているのはペカンナッツショコラ。Afterdarkの後味の苦みやロースト感は確かにコーヒーにつながるものがあり、口の中に広がる香りも甘いので、甘い系のおつまみがペアリングされているのには「なるほどな~」と納得してしまいます。このほか、スプリングバレーブルワリー京都ではチョコレートケーキやフレンチトーストなどスイーツ系のメニューが提供される予定ですが、Afterdarkとであれば合いそうです。


on the cloudは496と同じくホップの甘い香りがしっかりと感じられるビール。しかし、496は甘み・苦み・酸味のバランスを取っていたとしたら、on the cloudは苦みの要素がやや弱めで、「軽い」という印象でした。酸味や甘さが非常にさわやかな飲み心地で、ビールの苦みが苦手な人でもいけそうです。


ペアリングされているのは「よもぎ麩のカプレーゼ」。もっちりした麩と甘酸っぱいトマトがオリーブオイルや塩で仕上げてあり、素材の味を生かす作りです。軽めの味わいのon the cloudと合わせても、ビールの風味を殺さない繊細な一品でした。


Daydreamは飲んだ時にふわっと「山椒のような香りがするような……」と思ったら、実際に山椒やゆずといった和素材を使ったホワイトビールになっていました。醸造家が「自分が本当においしいと思えるホワイトビールを作りたい」という夢のため、型に捕らわれず新しい素材を使うことに挑んだそうです。


Daydreamにペアリングされているのは「自家製山椒筍」。これも和風の味わいで、山椒や出汁と一緒に筍を煮たものとなっています。Daydreamの優しい山椒の香りと、よりキリッとした山椒風味のおつまみを合わせる形です。


6つ目のビールはJAZZBERRY。ラズベリー果汁を加えているということで、ベリー系の甘酸っぱさが感じられるビールなのですが……


ペアリングされている「うり奈良漬(西利)とブリーチーズ」の後に食べると、不思議と酸味の存在感が控え目になり、甘さやベリーの香りがしっかりと感じられました。ワインと一緒で、おつまみとの組み合わせによってビールの風味が変化していくのが楽しめます。


このほか、フードメニューとしては、甘みと酸味が濃縮されたトマトと湯葉がチーズのようにクリーミーかつまろやかな「生湯葉と自家製セミドライトマトのカプレーゼ(880円)」や……


がっつり肉を食べたい時にオススメな「京丹波高原豚スペアリブの甘味噌漬け(2300円)」


ピザ生地が香ばしい「真蛸・新生姜・生青のりのピッツァ(1100円)」など。


さらに、1階にはオリジナルビールをさらにカスタマイズできる「ビア・インフューザー」が置かれていました。これはホップやフルーツ、野菜などの自然素材でビールを風味付けする機械。


生ホップは炭酸水につけて冷凍し、香りなどを抽出しやすい状態にされています。今回はこれで2杯分のビールを香り付けしていきますが、通常であれば50~60杯のビールを作れる量だそうです。


ホップを筒の中に入れ……


しばらくすると、筒の下からビールが流れてきます。筒の中は真空状態になった上で炭酸ガスを満たされているので、香り付けの処理をしても炭酸が抜けない仕組み。また、上からビールを流すのではなく、下から流し込むことでも、ビールの気が抜けてしまわないようにしています。


インフューザーを使っている様子は以下のムービーから確認できます。

「スプリングバレーブルワリー京都」でビールをカスタマイズ - YouTube


コーヒーのフレンチプレスのような感じで、ホップを筒の下に沈めて……という行為を繰り返します。


少し濁っている部分がホップのエキスが出てきている部分とのこと。


たっぷりの泡と一緒にグラスに注いで完成。


完成したビールは少し鼻を近づけただけでもホップの強い香りが感じられました。このインフューザーは全国でも4台しか存在しない特注のものなので、スプリングバレーブルワリーでしか飲めないビールに仕上がっています。


ビール好きな人はもちろんのこと、あまりビールが得意ではない人こそ、「ビールってこんなにも風味豊かな飲み物だったのか……」と驚いてしまうのがスプリングバレーブルワリー京都。なお、スプリングバレーブルワリー京都はビールはもちろんのこと、「カルチャー」作りに力を入れていく予定であり、今後は京都のお寺などで取れた酵母を使うなどして、京都産原料100%でビール造りを行ったり、ワークショップなどのコンテンツも検討されているそうです。

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in 取材,   , Posted by darkhorse_log

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