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「シャワー中に歌う」「辛いものを食べる」といった何気ない日常の行動が本人の性格を物語っているとする研究結果

by Lauri Rantala

「辛いものを好んで食べる」ことや、「シャワー中に歌を歌う」といった普段の生活で何気なくしていることが、実に本人の性格を現しているという研究結果が発表されました。

Act-frequency signatures of the Big Five
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0191886917303094

BBC - Future - The everyday habits that reveal our personalities
http://www.bbc.com/future/story/20170518-the-everyday-habits-that-reveal-our-personalities

「誠実な人は温かな人間関係を築き、外向的な人はハッピーに、精神が開かれている人は多くのお金を稼ぐことができ、過度に神経質な人はメンタルヘルスにより問題を抱えやすい」……というように、人の個性や性格が重要視されるのは、それによって当人が歩むこれからの人生が見えてくると考えられるためです。

by Paul B

しかし、私たちの個性や性格は、何も長期的な目で見なくとも、日常のいたるところに現れているということが、人の持つ5つの性質について調査した新たな研究で明らかになりました。

ロチェスター大学の心理学者ベンジャミン・チャップマン氏とオレゴン研究機関の心理学者であるルイス・ゴールドバーグ氏が行った研究では、オレゴンに住む800人を対象に調査が行われました。被験者になった人々は大部分が白人で、平均年齢は51歳。まず研究者らは被験者らに対し、人の性格を現す100の単語のうち、どの性質が自分の性格をどのくらい表現しているのかを評価してもらいました。この時100の単語に含まれたのは「内気」「優しい」「手際がいい」「リラックスしている」「気分屋」「明るい」「芸術肌」といったもの。そして4年後、同じ被験者に今度は「前年にどのようなアクティビティを行ったか?」という質問を400もの選択肢を用いて行い、最後にそれぞれのテスト結果を比較しました。


2つのテスト結果からわかったのは、例えば、外向的な人は「パーティーを計画しやすい」といった「さもありなん」といった傾向があること。加えて、外向的な人は「お金を稼ぐことについてよく議論する」「ホットタブに入りたがる」「運転中でも電話を取る」「装飾したがる」といった行動を取る傾向があるとのこと。一方で、実直さが強い人は読書を含めた多くのアクティビティを避ける傾向があり、研究者らはこの理由について「実直傾向が強い人にとって読書は贅沢な余暇と見なされるためではないか」と考えています。また、実直な傾向が強い人は悪口を言ったり鉛筆を噛むことがあまりないこともわかりました。

そして、「感じがよい」という性質の強い人は「アイロンがけに時間をかける」「お皿を洗う」「子どもと遊ぶ」という行動を取りやすく、これは他人を喜ばせたいというモチベーションが強いためだと見られています。なぜかこのタイプの人は運転中やシャワー中に歌を歌うことも多いそうです。

by Tasayu Tasnaphun

「神経質な人」は精神安定剤や抗うつ剤を取るといった精神的なストレスを減らす行動を取りやすく、にも関わらず他人をバカにしたり我を忘れて怒ったりという反社会的な行動が数多く報告されました。これは彼らが自分の感情をコントロールしようと戦っているためだと研究者らは語ります。

また、先入観を持たない「オープンマインド」な人は詩を読み、オペラ観劇に行き、マリファナを吸い、芸術作品を作りやすいとのこと。一方で他人の悪口を言うことを好み、裸でぶらつき、なぜか朝食に辛いものを食べる傾向があったそうです。裸でぶらつくというという点について詳しくいうと、この性格の持ち主は、そうでない人に比べて、裸でうろつく割合が2倍もありました。スポーツチームを応援しないということも、オープンマインドな人の日常行動に見られます。

個人の性格と行動との関係を明るみにしようとする研究は過去にも行われていましたが、過去の研究では指標として用いられた行動は限られたものでした。そのため、「実直な人は時計を頻繁に見て、靴を磨く」「外向的な人はタトゥーを入れる」「内向的な人はより具体的な言葉を使う」「感じのよい人は甘いものをよく食べ、違反切符が少ない」「先入観がない素直な人は果物や野菜に偏食傾向があり、辛口の白ワインを好む」といった断片的な情報しか明らかになっていませんでした。今回の研究では、400もの選択肢を用意し個人の性格と行動を結びつけたという点が、大きな進歩だったというわけです。

なお、過去の研究では夜型人間はナルシスト・精神病質・目的のためなら手段を選ばない傾向があるということも報告されています。

夜型人間はナルシスト・精神病質・目的のためなら手段を選ばない傾向があるという研究結果が明らかに - GIGAZINE


このような研究が進み、人の健康をさまたげたり害を及ぼすような行動と人々の性格の関係が明らかになれば、健康キャンペーンのターゲットを絞りやすく、より効果的な取り組みが行えるようになるものと考えられています。あるいは、より単純に「ルームメイトのシャワー中の歌声も、それが感じのいいことの代償であれば許せるかもしれない」とBBCはつづっています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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