取材

F1史上初の6輪車「タイレルP34」・全長3mの「アンドロメダ級」・自衛隊「16式機動戦闘車」など第56回静岡ホビーショーを彩ったアイテムいろいろ


2017年5月11日(木)から14日(日)までツインメッセ静岡で「第56回静岡ホビーショー」が開催されます。静岡市にはプラモデルのメーカーや工場などが多数あって、その売り上げシェアは実に9割以上を超えており、「模型の世界首都」を標榜するのも頷けるところ。静岡ホビーショーではプラモデルのほかにタミヤ秘蔵の「タイレルP34」実車があったり、防衛省が実現を目指す「統合機動防衛力」の要となる「16式機動戦闘車」も展示されていました。

静岡ホビーショー
http://www.hobby-shizuoka.com/


会場への移動は公共交通機関の利用が推奨されているので、JR静岡駅から移動します。南口にあるタクシー乗り場にはすごい行列ができていましたが、これがホビーショー関連なのか、雨だからなのかは不明。


駅の北口へ出てすぐ右手側に、会場であるツインメッセ静岡へ向かう11番乗り場があります。通常路線だと県立病院高松線の「登呂コープタウン」行きに乗って「南郵便局ツインメッセ前」で下車すればOKで、静岡ホビーショーの会期中は直通のシャトルバスも臨時運行されています。Suica・ICOCAなどの交通系ICカードが利用可能です。


渋滞もあって、ツインメッセ静岡までには約15分ほどかかりました。


自衛隊16式機動戦闘車
入口へ向かう手前のエントランス部分に自衛隊車両が展示されていました。軽装甲機動車の向こうに、大きな砲塔を備えた車両。


これが「16式機動戦闘車(試作)」。乗員4名、重量は約26t、全長約8.5m、全高約2.9m、全幅約3.0m。


主砲は「105mm施線砲」。74式戦車の装備とわずかに口径が異なるだけという装備です。


そのため、砲塔だけ見えた時に戦車のような印象を受けるのは間違いではありません。


しかし足回りは大きく異なり、大きなタイヤの付いた「装輪装甲車」です。


片側4輪、両側合わせて8輪。


タイレルP34 シックスホイーラー
タミヤブースの目玉の1つが、「F1史上初の6輪車」として知られるタイレルP34。「タイレル」というのは当時の表記にならったもので、現在は「ティレル」と表記されています。普段はタミヤ本社で保管されているのですが、タイレルP34のプラモデル発売40周年を迎えて改めてプラモデル2商品とラジコン1商品が発売されるということで、久々に展示が行われました。


1975年9月22日に発表されたタイレルP34は「前輪4つ・後輪2つ」という特殊なタイヤ配置が特徴的。これは「空気抵抗減少」「ブレーキ性能向上」「操縦性向上」を目標として設計されたもので、翌1976年5月2日に開催されたスペインGPにパトリック・デパイユのドライブでデビュー。同年6月13日のスウェーデンGPでジョディ・シェクターが優勝、デパイユも2位に入り、設計思想は間違っていなかったことを証明しました。


優勝はこの1戦だけでしたが、チームはコンスタントに上位に食い込み、コンストラクターズ・チャンピオンシップでは3位に。


6つのタイヤを見比べると前輪に比べて後輪が巨大に見えますが、この後輪が他のチームのF1マシンと同じサイズで……


前輪が専用の小径タイヤでした。この点がタイレルP34のウィークポイントでもありました。タイヤメーカーは他チームも使う通常サイズのタイヤ開発を優先するのが当然だったため、タイヤの差が出てしまったためです。そのため、1977年のシーズンをもってタイレルP34は使われなくなりました。


タイレルP34の活躍を見て他チームも6輪車の開発に取り組んだ時期がありましたが、他に実戦投入された車はなく、1983年に「車輪は4輪まで」と定められたことで、以後6輪車がF1に現れることはなくなりました。1976年のスウェーデンGPでの勝利は、今後F1のルールが改正されない限り、唯一の「4輪車以外の優勝」記録です。


昨今のF1マシンのステアリングにはとても把握しきれないほどのスイッチが取り付けられているものですが、タイレルP34のステアリングはとてもシンプル。


タイレルP34のほか多くのF1マシンにも搭載され、F1通算155勝というフォード・コスワース・DFVエンジンの姿も見ることができました。


ティレル・フォーミュラ・ワン・チーム創設者ケン・ティレルの息子ボブ・ティレル氏から、モデル化40周年にメッセージが寄せられていました。


地球連邦「前衛武装宇宙艦」アンドロメダ
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第一章の完成披露上映会に3mのヤマトが姿を見せていましたが、静岡ホビーショーには3mのアンドロメダが出現しました。


船体の大きさがそのまま力強さにつながっていて、艦首に装備した二連の拡散波動砲(次元波動爆縮放射機)に興奮。


ヤマトとはまた違う、すらっとした優美さもあるのですが、ヤマトより新しい戦艦らしい「強さ」も感じます。


実は艦橋内部まで作られているというこだわりの品です。


バンダイの「1/1000 地球連邦アンドロメダ級一番艦アンドロメダ ムービーエフェクトVer.」では、麻宮騎亜さんがボックスアートを担当しています。


壁面には、そのアンドロメダやドレッドノート級からなる艦隊が展開中でした。


ZZガンダム "Ver.Ka"
2017年9月発売予定の「MG 1/100 ダブルゼータガンダム Ver.KA」(税込6480円)


重厚感のある立ち姿で展示されていました


ダブルゼータといえば頭部に装備したハイメガキャノンがまず特徴的ですが、ハイパービームサーベルも二連装ビームライフルも、すべてがゴツく力強い印象を受けます。


この「MG Ver.Ka」(マスターグレード バージョンカトキ)シリーズは、デザイナーとして知られるカトキハジメ氏とバンダイホビー事業部がタッグを組んで開発を進めているシリーズ。公式サイトではZZガンダムの開発ドキュメントが公開されています。

1/100 マスターグレードモデル ZZガンダム Ver.Ka 開発ドキュメント
https://bandai-hobby.net/site/gunpla_mgka.html#zzgundam

ハンマ・ハンマ
RE/100 1/100 AMX-103 ハンマ・ハンマ」は2017年7月発売予定。RE/100(リボーン・ワンハンドレッド)シリーズはMGと同じく1/100スケールですが、パーツ設計を洗練して組み立てやすさ・圧倒的迫力を両立したシリーズ。


ハンマ・ハンマはサイコミュ搭載MSの試作機。かつてジオングはメガ粒子砲を内蔵した腕部を切り離して誘導することでオールレンジ攻撃を行っていましたが、ハンマ・ハンマも同じようにビーム砲を内蔵した腕を伸ばしてオールレンジ攻撃ができました。


分厚い盾はビームサーベルも防げるというシロモノ。


記事で取り上げたアイテムはごく一部で、会場全体を見回すと1日いても飽きないほど多数のアイテムが展示されています。静岡ホビーショーは明日・5月14日(日)も開催されていて、入場は無料なので、興味のある人は足を運んでみて下さい。

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in 取材,   乗り物, Posted by logc_nt

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