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「空飛ぶ車」は想像よりも早くやってくるかもしれない

By JD Hancock

NCSA MosaicNetscape Navigatorなどのウェブブラウザを開発したソフトウェア開発者のマーク・アンドリーセン氏は、現在シリコンバレーでベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitzを運営していて、シリコンバレーやテクノロジー界隈に深く精通しています。そんな彼がニュースサイト「The Verge」のインタビューを受けて、現在シリコンバレーで進められている「空飛ぶ車」についての情報を明かしています。

Flying cars are closer than you think | Verge 2021
http://www.theverge.com/a/verge-2021/marc-andreessen-horowitz-verge-interview

インタビューの中で「空飛ぶ車を乗り回すことができるようになるのはいつなのか?」と質問を受けたアンドリーセン氏は「私は空飛ぶ車を開発している、3つの最先端スタートアップがシリコンバレーに存在することを知っています」とコメント。このうち2つはGoogleの創業者であるラリー・ペイジ氏が個人的に出資するスタートアップで、アンドリーセン氏のベンチャーキャピタルでも3社のうち2社に出資しているそうです。


その「空飛ぶ車」の開発には大きな障害が2、3個ほど存在するそうです。安全上の理由から、「人類が車で空を飛ぶことを望まない」と語るアンドリーセン氏ですが、地上で自動運転車を実現するよりも自動で空を飛ぶ車を開発する方が容易であることを明かしています。その理由はさまざまなトラブルに対してより自由度を持てるからだそうです。

そして空飛ぶ車を開発する上で避けては通れない問題が「バッテリー」であることも明かしています。空飛ぶ車を開発する企業が取り組んでいるのはバッテリーにおけるブレイクスルーであり、既存の技術では50マイル(約80km)飛行しただけで空飛ぶ車のバッテリーが尽きてしまい、それでは実用化は難しい、とコメントしています。しかし、もしもこのバッテリー問題でブレイクスルーが起きたなら、5~10年のうちに空飛ぶ車が実用化する可能性も示唆しています。

さらに、既存のバッテリーよりも10~100倍のパワーを持ち、10~100倍長持ちするものを作ることができたなら、人間はアイアンマンのスーツだって作ることができる、とアンドリーセン氏。そして、この問題を打ち破る可能性を秘めているのはシリコンバレーのテクノロジー企業だけに限らないことも指摘しています。


Andreessen Horowitzは配車サービスUberのライバル企業である「Lyft」にも出資しています。このLyftは「5年以内に使用している自動車の大多数を自動運転車に切り替える」と発表しているわけですが、こういった自動運転車が「いつ頃登場することになるか?」という質問に対してアンドリーセン氏は「この話題は、Googleの自動運転車がなぜまだ登場していないのか、ということにも通じる部分があります」とコメント。

アンドリーセン氏は自動運転車が「難しいチャレンジだ」と前置きしつつ、「1時間かけて40マイル(約64km)の道のりを走り、左折してから再び1時間かけて25マイル(約40km)の道のりを走り、その後横断歩道や子どもたちが走り回っているような市街地を走るというのは非常に困難なことです。そして、自動運転車ではそれらすべてに失敗できません」と語っています。自動車はさまざまな道を走るので、いろんな事態が起き得ます。例えば道路工事が行われている場合、道には「止まれ」ということを示すための棒や旗を持った作業員が立っています。自動運転車はその旗に示された「止まれ」のサインを理解し、実際に車を停止させられなくてはいけません。これは信号や交差点のように決められた位置に配置されているわけではないので、いつでもどこでも「止まれ」のサインを見つけた際には同じように停止できなくてはなりません。こういった問題をすべてクリアしなければ自動運転車がリリースされることはないとのこと。

そして、基本的には複数の企業が開発している自動運転車が同時にリリースされることはありえない、とアンドリーセン氏。したがって、UberやLyftなどのサービスがある日を境に自動運転車を採用し、一気に自動運転車が街中にあふれる、といったことはまず起きないとしています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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