Googleのラリー・ペイジが秘密裏に「空飛ぶ自動車」ベンチャーに100億円以上を投資
Googleの共同創業者にして親会社Alphabetの代表を務めるラリー・ペイジ氏が、「空飛ぶ自動車」の開発企業に長年にわたって合計1億ドル(約107億円)以上もの巨額の出資を極秘に行ってきたと、Bloombergが報じています。なお、この投資はGoogle本体による投資ではなく、ペイジ氏のポケットマネーによるものです。
Welcome to Larry Page’s Secret Flying Car Factories - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-06-09/welcome-to-larry-page-s-secret-flying-car-factories
Bloombergによると、ペイジ氏は「空飛ぶ自動車」開発ベンチャー2社に対して出資をしているとのこと。そのうちの1社は2010年に創業した「Zee.Aero」で、NASA、ボーイング、SpaceX出身の航空・宇宙工学のエンジニアを雇って2つのローターを持つシングルシーター(単座式)の空飛ぶマシンを開発中だとのこと。Zee.AeroはGoogleの本拠地であるカリフォルニア州マウンテンビューから自動車で1時間程度の距離の場所で試作機の飛行テストを行っているそうです。
航空機に関する多数の特許を保有するZee.Aeroは、「垂直離着陸」が可能な電気を動力源とするプライベート用の飛行体を開発しているとみられています。
Bloombergによると、GoogleやZee.Aeroなどに近い10人の関係者を取材した結果、ペイジ氏はZee.Aeroの創業時から出資を行っており、その額はこれまでに1億ドル(約107億円)に及ぶとのこと。そして、この巨額の投資はGoogleやAlphabetではなく、あくまでペイジ氏個人によるものだと述べています。ペイジ氏は自身のZee.Aeroへの関与を公にしたくないという意向を持っており、「もしも、自身の関与が公になった場合には、手を引く可能性がある」と警告したと報じています。
ペイジ氏が関与する空飛ぶ自動車プロジェクトはもう一つあり、開発しているのは「Kitty Hawk」であるとBloombergは指摘しています。Kitty HawkはGoogleの秘密の研究所「Google X」代表の セバスチャン・スラン氏が率いるベンチャー企業で、エンジニアの中にはZee.Aeroのベテランが含まれているとのこと。それ以外にも、人力プロペラ飛行体の開発によって2013年にSikorsky賞を受賞したスタートアップAeroveloの技術者も多数いるとみられています。
Aeroveloの人力プロペラ飛行機「Atras」が、実際に浮上する様子は以下のムービーで確認できます。
Complete Prize-Winning Flight of AeroVelo's Atlas - YouTube
Bloombergによると、Kitty Hawkは4ローターの有人型クアッドコプターを開発しているとのこと。なお、ペイジ氏がKitty Hawkに出資したのは比較的最近の2015年だとのことです。
Amazonのジェフ・ベゾスCEOが「Blue Origin」で、またSpaceXのイーロン・マスクCEOが「Falcon9」や「Crew Dragon」で、空にチャレンジしていることを考えれば、Googleを率いるペイジ氏が飛行体の開発に乗り出しているとしても、不思議ではなさそうです。
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