フレンチのシェフが作った新タイプのつけ麺「パイ包みのオニオンスープつけ麺」試食&開発秘話を聞いてきました


あまり接点がないと思われがちな「フレンチ料理×つけ麺」という、異色のマッチングが実現した新しいタイプのつけ麺「パイ包みのオニオンスープつけ麺」が誕生しています。フレンチ料理を提供する老舗のレストランが新規オープンさせたラーメン店「くろす」が、2年の開発期間を経て登場させたつけ麺がどんな味になっているのか、実際に味わいつつ開発の秘話を聞いてきました。

くろす - 高田市/ラーメン [食べログ]
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フレンチなつけ麺を提供しているお店「くろす」に到着。2016年10月21日にオープンしたばかりの新しいお店です。


お店の所在地は奈良県大和高田市南本町10-22。お店の横に専用駐車場があるほか、食事すると近隣にあるコインパーキングを無料で使えます。記事掲載時点の営業時間は午前11時30分から14時30分ラストオーダーですが、2017年1月からは夜の営業も始まるとのことなので、来店できるチャンスがグッと広がります。


「フレンチシェフのラーメン くろす」と書かれた看板が目印です。


お店の前には、400年の歴史を持つという料亭旅館で、現在はウェディングも可能なフレンチレストラン「ヴェルデ辻甚」があります。くろすは、ヴェルデ辻甚のシェフが新たに開発したという新ジャンルのラーメンとつけ麺を提供するお店となっています。


店内には2~4名がけのテーブル席と……


横並びのカウンター席が用意されています。


カウンター席の前には、くろすのこだわりがしたためられた筆書が掲げられていました。


提供されているメニューはこんな感じ。フレンチ感が強く現れたメニューは「パイ包みのオニオンスープつけ麺」で、あとはこってり系の「鶏煮込み塩らーめん・醤油らーめん」やあっさり系の「鶏塩らーめん」、「鶏醤油らーめん」、「鶏煮干し醤油らーめん」などとなっています。何はともあれ今回は「パイ包みのオニオンスープつけ麺」と、あっさり系の「鶏塩らーめん」を食べてみることにしました。


つけ麺を注文すると、まずは前菜が運ばれてきました。


前菜として、オニオンスープのチーズリゾットと……


サーモンと、季節の野菜のテリーヌ。


リゾットは、オニオンスープのほのかな甘みを感じる味付けで、チーズとブラックペッパーがコクと香りをプラスしています。


お箸で食べるサーモンは、プレートに添えられたバジルソースやバルサミコソースで食べると爽やかな味わいを楽しめます。


カボチャやナス、シイタケ、にんじん、オクラを使った季節野菜のテリーヌはしっとりと仕上げられており、素材の風味がそれぞれよく感じられる味わい。まるでラーメン店とは思えないメニューとなっており、このあたりはさすがフレンチが土台にあるお店といったところ。


前菜を食べ終わるころ、メインディッシュのつけ麺が運ばれてきました。こんなつけ麺、見たことがありません。


麺には付け合わせとして野菜の素揚げや2色のパプリカ、真空調理したポーク、トマト、アボカド、パイナップルなどが彩りよく盛り付けられており、完全にフレンチの作法といった雰囲気。聞くところによると、このプレートはガラスの器に漆塗りを施したという特殊なもので、日本でも、和歌山県海南市にある「塗り工房ふじい」でしかつくられていないものだとのこと。


そして「パイ包みのオニオンスープ」がコレ。パイ生地で覆われたポットの中につけ麺用に開発されたオニオンスープが入っており、ポットスタンドの中には冷めたスープを温め直せる固形燃料が置かれています。


はやる気持ちを抑えつつ、お箸でパイを開けてスープを味わってみました。


パイの中から漂ってくるスープの香りはまさに「オニオンスープ」ですが、ひと口味わってみると、オニオンスープの優しい味わいの中にしっかりとした味わいがプラスされていることがわかります。この味わいはまさに「ラーメン・つけ麺の世界」からのもので、この味わいを秘伝の特製ダレで出すために2年の開発期間を要したそうです。


麺の量は180グラムと、つけ麺としてはやや少なめ。しかし、添えられている10種類の食材があるために、食べ終わったあとには十分な満足感が得られました。


麺をオニオンスープにつけて味わってみると、これはまさに「新しい体験」と表現するのがピッタリくる味わい。オニオンスープがベースなのでおいしくないわけがなく、事実、素直に「あ、おいしい」といえる味わいなのですが、かたや基準を「つけ麺」において考えをめぐらせると、比類するものがないのでどれだけおいしいのかを表現する基準が見つけられないことに気がつきます。頑張って表現してみると、透き通ったオニオンスープのうまさに「ラーメンの世界」からやって来たコクやうまみが絡み合って、オニオンスープの透明感と甘さと香ばしさ、そしてラーメンダレのガツンとくる感じがうまく両立しているといったところ。一度口にしてみると、この表現の難しさはきっと理解してもらえるハズ。とはいえ、決して難解な味わいというわけでもなく、単純に「あ、おいしいな」と思えるので、気になった人はいちど体験してみるべき。


と、つけ麺の説明が長くなったところで付け合わせの野菜などを食べてみます。レンコンの素揚げは、一般的な輪切りタイプではなく、長手方向に包丁を入れるという珍しい調理方法が用いられています。これは、レンコンのサクサクした食感を最大限に活かすためのものとのことで、実際に食べてみるとレンコンの繊維の存在がいい具合のサクサク感をかもしだしているほか、少しモチモチした食感すらあります。


長いもの素揚げも、サクッとした山芋のおいしさを感じられる仕上がり。素材の良い部分がバランス良く繊細に現れています。


ゴボウの素揚げは、カリッとモチッとした味わい。いずれの野菜も、オニオンスープにつけて食べるのもグッドです。


そうこうしているとスープが冷めてきたので、ライターを使って固形燃料に着火。


すると、1分もしないうちにスープがポコポコと泡立ってきました。こうすることでいつまでもアツアツのスープで食べられるほか、徐々に煮詰まっていくスープの変化を楽しむこともできました。


メニュー開発に携わった、ヴェルデ辻甚/くろすの萩シェフ。ラーメン店を出すことになったきっかけは、ヴェルデ辻甚で提供していた「鶏鍋」のスープにシメとして麺を入れたところ、お客さんから大絶賛されるほどの仕上がりになったことだったそうです。鶏鍋をベースにしたラーメンと、フレンチならではの味わいを持つ「つけ麺スープ」を2年かけて開発し、お客さんに提供できるクオリティに達することができたとのこと。


その最大のポイントが、オニオンスープに加えられる「秘伝の塩ダレ」だとのこと。フランスゲランド産の海塩などを使った特性のタレは門外不出とのことで、撮影せずに見せてもらうことすらできませんでした。


一方の「鶏塩らーめん」は、フレンチの手法を用いてクリアに透き通らせたスープをベースにしているとのこと。こんなところでもフレンチとラーメンが融合しているとは驚き。一番上にのせられた柚子の皮がいい香りを漂わせています。


「スープにはオニオンフライがのせられており……」というフレーズが頭をよぎったのですが、聞けばなんとフライされているのは「らっきょう」だとのこと。らっきょうを使うことで、オニオンとはまた違った風味をプラスしているそうで、いろいろな食材を使うことで絶妙な味のバランスが作られています。「仕込み、大変じゃないですか?」と尋ねると即答で「大変です(笑)」という答えが返ってきました。


フランス産の粉を混ぜ込んだという特注の麺も、何度も試作を繰り返して完成した一品で、ここでしか使われていない完全オリジナルとのこと。ツルンとした歯触りと独特のコシが感じられる麺で、スープの優しい風味と、麺の優しい食べ心地が絶妙にバランスするラーメンになっていました。世の中にラーメンは多くあれど、これほど「バランス」というものを感じながらラーメンを味わうことは初めてでした。


鶏塩らーめんには、一日限定30食で「鶏塩焼き」がトッピングされており、きゅっと締まった鶏の歯ごたえとうまみを味わうことができます。品切れの場合はチャーシューに変わるとのこと。


つけ麺のオニオンスープにパイ生地をしっかり浸して食べるのもグッド。「パイ包みのオニオンスープ」は1日20食限定で、価格は1600円とけっこう高めですが、前菜付きであることと繊細に調理された食材が楽しめること、そして未体験のつけ麺を味わえるところに価値を見いだせる人はチャレンジしてみても良さそう。また、今回食べてみた「鶏塩らーめん」は790円となっていました。

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in インタビュー,  試食, Posted by logx_tm