汗をかいて熱を逃がすことで11分間連続腕立て伏せができるロボット「ケンゴロウ」
「ロボットに腕立て伏せをさせる」ということ自体はやらせることができても、長時間連続となるとモーターが熱を持ってオーバーヒートで止まってしまいます。しかし、東京大学情報理工学系研究科・情報システム工学研究室(JSK)では、「汗をかく」ことで熱を逃がし、11分間連続で腕立て伏せをし続けられるロボットを開発しました。
This Robot Can Do More Push-Ups Because It Sweats - IEEE Spectrum
http://spectrum.ieee.org/automaton/robotics/humanoids/this-robot-can-do-more-pushups-because-it-sweats
これがそのロボット「ケンゴロウ」の腕立て伏せです。
Kengoro the Robot That Sweats - YouTube
腕立て伏せに挑んでいるケンゴロウ
ケンゴロウは生体模倣(バイオインスパイアード)人型ロボットです。
その腕の動きはとても柔軟性が高く……
かつ、強靱です。
ケンゴロウの体には100以上のモーターが搭載されていて、人と同じような動きをすることができます。
しかし、モーターは高熱を発するので、排熱をどうするのかが問題となってきます。
そこで、ケンゴロウにはアルミニウムをレーザー焼結させた、まるでスポンジのように高い浸透性を持った多孔質素材フレームが用いられています。これによって、ケンゴロウの「体温」が上がったときにフレームに水を注入すると、多孔質素材から水がにじみ出てきます。これが「汗をかく」状態。水分は熱を奪って気化するので、モーターの排熱が行われ、オーバーヒートすることなく動作し続けることができるようになります。
この仕組みにより、ケンゴロウはより長い時間腕立て伏せをすることが可能。
連続で腕立て伏せを行える時間は、実に11分間にも及ぶとのこと。なお、通常の動作であれば脱イオン水1杯で半日は動けるそうです。
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