バーベキュー用コンロを掃除するための専用ブラシは危険
By vxla
バーベキューコンロや焼き網などを掃除するのに使用されるバーベキューブラシは焦げ付いた肉などを取るときに重宝しますが、その思わぬ危険性を耳咽頭科医が主張しています。
Canadian surgeons urge people to throw out bristle BBQ brushes - Health - CBC News
http://www.cbc.ca/news/health/barbecue-brushes-dangers-swallow-throat-wire-bristle-dempsey-1.3741578
バーベキュー用のワイヤーブラシは薄くて鋭いため、バーベキュー用のコンロや焼き網などを掃除した際にブラシからワイヤーが抜けてしまい、気づかないまま誤飲してしまう可能性があるためブラシを使用すべきではない、とカナダ人耳咽頭科医のイアン・デンプシーさんが主張しています。
誤飲してしまったワイヤーを除去する場合、ワイヤーが喉や喉頭蓋に損傷を残してしまう可能性もあるそうです。さらに、イアンさんは「特にワイヤーが喉の深くに刺さってしまった場合、これを抜き取るのは容易ではありません」と語っています。
バーベキューブラシのワイヤー問題は、2016年に開催されたカナダ耳咽頭学協会の会合の中でより広く知られるところとなりました。会合の中では喉の中に入ってしまったワイヤーを取り除くことは非常に難しいものの、複数人の外科医がこの難しい外科手術に挑戦した経験があることが明かされました。
「我々の誰もワイヤーを取り除く際の確かな方法を理解していません。従って、我々はそもそものワイヤー誤飲を防ぐことを望んでいるわけです。我々はこの議題が話題となって、ワイヤータイプのバーベキューブラシが市場からなくなり、より安全な代替ブラシが登場することを望んでいます」とイアンさん。
問題となっているバーベキューブラシはこんな見た目。
ブラシ部分はワイヤー製で、コンロなどを洗っている際にこれが抜けても確かにすぐに気づくことはできなさそう。
カナダ・ノバスコシア州の州都であるハリファックスでは、緊急処置室に毎週少なくとも1、2件のワイヤー誤飲が報告されています。
そして、そのいくつかは深く突き刺さっているため外科手術の必要があるそうです。しかし、除去手術は非常に難しいもので、喉に刺さったワイヤーの除去手術をイアンさんは、「グレープフルーツに刺さったワイヤーを果実を潰すことなくワイヤーを抜き取ること」に例えています。
実際にバーベキューブラシのワイヤーを誤飲した経験があるリサ・ワーデンさんは、誤飲した際のことを「食道全体が燃えるような異常な痛みが走りました」と語っています。リサさんは誤飲から4か月にわたってCTスキャンやX線を使ったワイヤーの探査が行われたものの、除去手術は2度も失敗したそうです。リサさんの担当医であったイアンさんは、喉のワイヤー周りに瘢痕組織が形成されているため、これを残したまま痛みを軽減するのが最も良い、とリサさんに進言。結果、リサさんは現在も喉の中にワイヤーが埋まったままになっているとのこと。
また、別の事例ではワイヤーを体内から取り除くために小腸の一部を除去することになったそうです。
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