「シン・ゴジラ」はどのように作られたのかがわかる白組によるCGメイキング映像公開
2016年7月29日に映画「シン・ゴジラ」が公開されました。「ゴジラ」シリーズといえば特撮・怪獣映画の代表的な作品の1つですが、あれだけの映像を作り上げるためにはCGも不可欠。今回の作品ではどのように映像が作られていったのか、制作を担当した白組によるCGメイキング映像が、YouTubeで公開されています。
なお、映像として登場するのは基本的に予告編映像に登場する範囲であり、「ネタバレ」部分は含まれていないので、未見の人でも安心です。
『シン・ゴジラ』白組によるCGメイキング映像 - YouTube
「Shin Godzilla Visual Effects Breakdown ver.0.1」
まず登場したのは「ゴジラ第4形態マスターCGモデル」
しっぽを振り上げて歩く、予告編でも見られる姿。
このモデルは、まず雛形をスキャンして作られます。
スキャンしたモデルを形状検討。
その結果、首の太さが修正されました。
さらに、Zbrushでモデルを再構築し、細かい部分をさらに作り込みます。
シーンに応じたライティングでの質感チェック。
そしてマスターモデルの最終チェック。
これはゴジラを歩かせているところ。
ここからが「CGメイキング」。とある部屋の中を描いた1シーン。
まず、部屋だけが存在します。このとき、ベランダの外はブルーバック。
町並みに変わりました。
そこに人物が入ってきました。手前の女性は、棚の前に手をついています。
これでは位置関係がおかしいので、棚との前後関係を修正。
舞い上がったほこりなど、煙のような処理を加えて、完成。
続いては海からゴジラが現れたシーン。
当然なのですが、ゴジラはこの場にいません。
なので、まずはゴジラを配置。
続いて、その足元から水が湧きました。
ゴジラの影響でできたしぶきを生み出しているところ。
まだゴジラは海の中にいるところなので、位置関係を修正。
同様に、最初に公開されてまだゴジラの姿がほとんど出てこなかった予告編の中で、唯一ゴジラの足が出てきた、家屋を踏みつけるようなシーンや……
ゴジラの横を車で走り抜けていくようなシーンも登場。このシーンも、空を見上げて撮影したカメラの映像にあとからゴジラが合流してきます。
自衛隊のヘリがゴジラに攻撃を仕掛けるシーン。左が完成映像で、右は完成映像シミュレーション用のプリビズ映像。
建物やヘリのディテールがどれだけ詰められていったのかという差が見比べられます。
マンションの間を攻撃ヘリが抜けていくシーンを実際に撮影することはできないので、このシーンは町並みもヘリもすべてがCG。
攻撃目標のゴジラがいない?と思ったら、空からやってきました。
追いかけるように、黒煙も合流。「町を破壊しながら進んでくるゴジラ」というような姿になりました。
陸上自衛隊の部隊についても……
皮を一枚めくればこんな感じ。
何もない河川敷に……
戦車モデルが出現
表面のディテールが乗るとそれっぽくなりますが、まだまだ未完成。
まずは履帯と草地との前後関係を修正。
そして砂煙と影が足されて……
ゴジラへと攻撃開始!
攻撃を受けるゴジラの側も……
もとになった風景はこんな感じ。河川敷には人の姿があり、橋の上には通行中の車両も。
まずはそれらを消します。
ドン、とゴジラを配置。
煙が加わって……
攻撃が追加されました。
橋の上や河川敷に自衛隊車両が出現。
射撃に伴って生まれた、車両周辺の煙が足されて……
映画に出てきた映像になりました。
同様に、直立状態のゴジラに対するヘリの攻撃シーンもメイキングが見られます。
「シン・ゴジラ」は全国東宝系で公開中。ぜひこの機会に、映画館で作品を楽しんでみてください。
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