電気自動車として21世紀によみがえった世界最小の自動車「Peel P50」
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/00_m.jpg)
「世界最小の市販車」としてギネスブックに登録されているマイクロカー「Peel P50」が電気自動車(EV)として21世紀によみがえっています。必要最小限のものしか搭載しないシンプルかつコンパクトな車体は、あらためて見ると非常に魅力的で、EV全盛時代の一人乗りコミューターとして十分通用しそうなマシンとなっています。
Peel P50 | Peel Engineering
http://www.peelengineering.com/peels/peel-p50
これが世界最小の自動車「P50」。サイズは全長1340mm×全幅990mm×全高1000mmで、車両重量はわずかに56kg。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/a01_m.jpg)
前2輪、後1輪の3輪車で、オリジナルモデルでは49ccの空冷2ストロークエンジンを搭載しており、4.2馬力にもかかわらず最高時速61キロメートル、ガソリン2.8リットルで100キロメートルも走るという驚異的な運動性能を持っていました。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/a02_m.jpg)
1962年にPeel Engineering Companyによってイギリス・マン島で製造がスタートしたP50は、1964年に生産が終了するまでにわずか50台しか製造されず、現存するP50はたった27台とのこと。そのためP50は世界で最も希少な自動車の一つにも数えられており、オークションでは12万ドル(約1200万円)の値がつくほど。ちなみに、P50の当時の販売価格は199ポンド(当時のレートで約20万円)でした。
P50がどれほど小さな自動車なのかは、以下のムービーを見れば一発で理解できます。
The World's Smallest Car Meets Ford's Biggest Van - YouTube
![](https://img.youtube.com/vi/PgZVnQclPgA/maxresdefault.jpg)
P50は当然ながら1人乗り。しかし、ボストンバック1つを車載できるスペースはあります。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b02_m.jpg)
運転席からの視界はこんな感じ。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b03_m.jpg)
フォードの大型バン「Transit」と並べるとこの違い。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b04_m.jpg)
P50はTransitに入るサイズです。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b05_m.jpg)
P50にとっては余裕の大空間。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b06_m.jpg)
おもむろにハンドルを切るP50のドライバー。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b07_m.jpg)
切り返しながら方向転換開始。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b08_m.jpg)
ホイールはギリギリを攻めています。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b09_m.jpg)
切り返しまくり。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b10_m.jpg)
リアをゴツンとぶつけましたが、これはご愛敬。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b13_m.jpg)
何度も前進・後退を繰り返しながらも、見事にTransit内での方向転換に成功しました。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b16_m.jpg)
このムービーは、Transitの車載スペースの広さをアピールするためにフォードが作成したものですが、もっぱらP50の小ささだけが際立つ結果となっていそう……。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b17_m.jpg)
短命に終わったP50ですが、2010年からレプリカモデルがPeel Engineeringで製造・販売されています。復刻版のP50も、昔ながらの手作業で製造されており、グラスファイバー製のボディでさらに性能アップをしているようです。復刻版P50の製造風景は以下のムービーで確認できます。
World's Smallest Car | How It's Made - YouTube
![](https://img.youtube.com/vi/i7QQlIToc6U/maxresdefault.jpg)
復刻版のP50のボディは軽量で頑丈なグラスファイバーに変更されています。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b19_m.jpg)
ベースとなる型枠に車体の色付きゲルコートを塗っています。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b20_m.jpg)
その上にシート状のグラスファイバーを載せて……
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b21_m.jpg)
硬化剤入りの樹脂を塗ります。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b23_m.jpg)
ローラーでしっかりとならして……
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b24_m.jpg)
サイド部分にもグラスファイバーを貼り付けます。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b26_m.jpg)
2層目のグラスファイバーシートを載せて補強。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b28_m.jpg)
固まってから型枠から取り外せば……
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b31_m.jpg)
美しい赤色のモノコックボディが取り外せました。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b33_m.jpg)
ゲルコート処理済みで、塗装は必要ないようです。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b34_m.jpg)
グラスファイバーの「バリ」をカットすればボディは完成。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b36_m.jpg)
この金属の箱はガソリンタンク。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b37_m.jpg)
端を溶接します。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b39_m.jpg)
穴を開けて……
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b40_m.jpg)
ガソリンコックを装着。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b41_m.jpg)
P50は3輪共にディスクブレーキを装着しています。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b42_m.jpg)
スペーサーを取り付けて……
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b43_m.jpg)
サスペンションに固定。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b44_m.jpg)
リアには……
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b45_m.jpg)
スプロケットを装着。P50はチェーンでリアホイールを駆動します。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b46_m.jpg)
リアはモノサス。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b48_m.jpg)
完成したボディを逆さまにしてエンジンを取り付けてから、駆動系をかぶせるように装着。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b49_m.jpg)
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b50_m.jpg)
各所をネジ止めします。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b51_m.jpg)
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b52_m.jpg)
ネジやナットへのアクセスは簡単なので、P50の車体をひっくりかえしさえすれば誰でもメンテナンスできそうです。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b53_m.jpg)
ステアリング(ハンドル)の取り付け作業。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b54_m.jpg)
タイロッドエンドには遊びをもたせています。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b55_m.jpg)
タイヤを動かして、動きを確認。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b56_m.jpg)
タイロッドは左右等長になっています。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/b58_m.jpg)
現代によみがえった「P50」は、49ccの4ストロークエンジン搭載のモデルと出力1.5kWのEVモデルの2種類があり、1万2999ポンド(約170万円)または2万1530ドル(約220万円)で販売中です。
Peel P50 | Peel Engineering
http://www.peelengineering.com/peels/peel-p50
![](https://i.gzn.jp/img/2016/07/07/peel-p50/c01_m.jpg)
・関連記事
実際に公道を走ることができる世界最小の車 - GIGAZINE
1分20円でレンタル可能な2人乗り小型EV「チョイモビ」をレンタルしてみた - GIGAZINE
フルEV仕様でサウンドシステムまで搭載された子ども向けテスラ・モデルSで極上の遊びを実現 - GIGAZINE
世界で初めて3Dプリンターで作られた電気自動車「Strati」 - GIGAZINE
モノ作り大国ニッポンの礎を垣間見た、学生の作るEVカー「NATS EV-Sports Prototype02」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in ハードウェア, 乗り物, 動画, Posted by darkhorse_log
You can read the machine translated English article The world's smallest automobile "Peel P ….