ゲームキューブ＆Wiiのエミュレータ最新版「Dolphin 5.0」が3年の時を経てリリース

Dolphin 4.0のリリースから3年弱の間、1万回に近い更新を経て「Dolphin 5.0」の安定版がリリースされました。不要なコードなどが徹底的に見直された結果、Dolphin 5.0安定版は前バージョンに比べてあらゆる面で効率化が行われました。「DirectX12の対応」「ゲームボーイアドバンスとの連動機能の改善」「ネットプレイの改善」「CPUオーバークロックのサポート」などさまざまな機能が追加されています。

Dolphin Emulator - Dolphin 5.0 Release
https://ja.dolphin-emu.org/blog/2016/06/24/dolphin-50-release/

Dolphin 5.0 - GC+Wiiエミュレータ Wiki*
http://wikiwiki.jp/gcwiiemu/?Stable_Release

Dolphin 5.0OpenGLとD3D11Dolphin 5.0がどのように変わったのか、ムービーで解説されています。

Dolphin 5.0 Release Video - YouTube


Dolphin 5.0では動作の最適化や高速化が行われ、一部のステージでカクカクだったスーパーマリオギャラクシーなどがスムーズに動くようになりました。

テクスチャー ステージの読み込みのバグも改善。例えば「ゼルダの伝説 風のタクト」でリンクが火に揺らめくシーンではリンクが2重に見えていましたが、Dolphin 5.0では正常に描画されています。

キャラクターが途切れて透明になるようなバグも修正済み。

バイオハザードなどで背景が正しく表示されていなかったバグも改善されています。

前バージョンではOpenGLで描画できる範囲が限られていたため、一部のエフェクトやグラフィックが途切れて表示されていましたが……

正しいグラフィックが表示されているのがわかります。

マリオカートなどではリプレイ映像が正しく表示されないというバグが存在していました。

これも多くのゲームでコンソールと同じリプレイ映像が表示されるようになっています。

Wiiのディスクチャンネルのバグも改善され、メニューからソフトを起動可能に。

音楽周りも整備されています。以下はDolphin 4.0で再生したゲームの音楽。

5.0ではコンソールと同じレベルで音楽が再生されるようになったとのこと。

主要なオーディオやミキサーなどのソフトウェアはアップグレードされています。

Wiiリモコン・Wiiリモコンプラスを使った時に、リモコン側のオーディオも再生されるようになりました。

また、WiiリモコンプラスがWindows 8/10に対応したことで、東芝の「Bluetooth stack」が不要に。

そして大きな変更点が「zFreeze」のサポート。

Dolphin 4.0でスターウォーズをプレイしていると周囲のグラフィックが描画されず、突如として建物が出現して死亡

zFreezeの機能が全て正しくDolphin上で動作するようになったことで、Dolphin 5.0では完全なグラフィックが描画されています。

動画で見るとDolphin 4.0でプレイしてる左側のプレイ映像は満足にプレイできないレベルほど遅かったり、カクついたりしていますが、各種機能の改善により、右側のDolphin 5.0ではスムーズにキャラクターが移動できるようになっています。

ほかにも解像度の最大値が「640×528」から「6400×5280」と大幅に増加。巨大モニターでストレスなくプレイできそうです。

ゲームキューブのソフトでは自動的に最適なアスペクト比へ変更される機能も追加されています。

ネットプレイ機能もアップグレード済み。自分でポートフォワーディングができないユーザー向けのサーバーなどが追加されたとのこと。

ゲームキューブのコントローラーの動作も改善。

ゲームキューブ・Wiiの仮想CPUをオーバークロックできるようになり、ラグがひどいゲームなどでクロックレートを上げて対処可能になりました。

ゲームボーイアドバンスの連携機能もサポートしています。