奇妙な子どもが集う屋敷に隠された秘密とは?ティム・バートン監督最新作「Miss Peregrine’s Home for Peculiar Children」予告編公開

凄惨な死をとげた祖父の奇妙な遺言と遺品から見つかった不思議な写真の謎を解き明かすべく、ウェールズの小さな島を訪れた少年・ジェイコブ。そこには古い屋敷があり、空中に浮かんだり、後頭部の口から食べ物を食べたり、体が透明だったりする、奇妙な子どもたちが暮らしていました。屋敷に隠された秘密とは?そして、祖父の遺言はいったい何を示しているのか……?というダークミステリーな雰囲気の物語が、ティム・バートン監督最新作の「Miss Peregrine's Home for Peculiar Children」です。
Miss Peregrine's Home for Peculiar Children | Official Trailer 2 [HD] | 20th Century FOX - YouTube

海岸を散歩する少年と少女。少女は「あなたに見せるものがあるの。でも逃げないって約束して」と少年に話し出します。

少女に連れてこられたのは、1軒の大きな屋敷。

リスを手にのせた少女は「私の腰にロープをきつく巻いてくれる?」と不思議なお願いをします。

不信に思いつつも少年は少女の腰にロープをぐるぐると巻きます。


「しっかりロープを持っていてね」とにっこり笑い……

頑丈そうな靴のバックルを外します。

すると、足が靴をするりと抜けて……

少女はふわりと空中へ。


「何が起こっているんだ?」と戸惑う少年をよそに、少女はリスを巣に帰してあげるのでした。

少年は少女に案内され、屋敷の中へ。

不安そうです。

そこに、「時間通りね、ジェイコブ。私はミス・ペレグリン(ハヤブサ)」とまるであらかじめ少年と会う約束をしていたかのような女性。

ミス・ペレグリンと庭に出ると……

透明人間がサッカーをしていたり……

頭から布をかぶった子ども2人がぬいぐるみの取り合いをしていたり。

2人の子どもからぬいぐるみを取り上げるミス・ペレグリン。

がしっと手に持ち……

ベリッと二等分します。

仲良くね、という風に2つになったぬいぐるみを分け与えます。

食事の場面。

チキンをおもむろに手に取る女の子。

手を後ろに回して……

後頭部にある大きな口から肉を食べます。

別の少女は畑の野菜に手をかざしています。

すると巨大なニンジンが地面からにょきにょきと伸びてきました。

屋敷は特別な能力を持っていたが故に、世間からあぶれてしまった子どもたちが集まる施設だったわけです。

場面は変わって、嵐の夜に。

庭に集まった子どもたちはみんなガスマスクをかぶり出します。

すると、建物の向こうから戦闘機が飛んできます。

空襲です。

ジェイコブはおののきますが……

ミス・ペレグリンが懐中時計のボタンを押すと……

ぴたりと時間が止まります。

時計の針が逆回りを始め……

24時間前に戻りました。

ナチスの空襲に狙われた施設ですが、最後の24時間を何度も繰り返すことで永遠の命を手に入れていたのです。

ミス・ペレグリンはジェイコブにも力があると説明しますが、「僕は普通だ」とジェイコブは信じません。

「あなたは私たちを守るために生まれてきたのよ」とミス・ペレグリン。みんなで見ているのは不気味な男の映像です。


ジェイコブが森を歩いていると……

映像に映っていた不気味な姿の男性が現れ、物語は不穏な雰囲気へ。

女の子が水中で勢いよく息を吹き……

吹き飛ばされるジェイコブ。


不気味な男性の手はオノへと変化します。

ガイコツの軍団がよみがえり……

街へと突入。

戦闘が始まります。

「あなたには全てを変えられるチャンスがあるのよ」と女の子。

建物の窓を突き破り……

現れたのはグロテスクな怪物。

建物は爆破されます。

ミス・ペレグリンは……

手足が変化し……

文字通りハヤブサに。

海中に沈む巨大な船。

ジェイコブや施設の子どもたちが力を合わせ……

海面に船を浮かび上がらせました。一体この船にどのような秘密が隠されているのでしょうか……?

なお、映画の原作となったのはアメリカでベストセラーとなった小説「ハヤブサが守る家」。著者が集めた本物の写真を挿絵代わりに使い物語を展開させるというユニークな手法で書かれており、Amazonレビューでは「サスペンスホラーもの」と評されている物語が、ティム・バートン監督の手でどのように映像化されるのかが、気になるところ。アメリカでの映画公開は2016年秋頃が予定されており、日本での公開については未定です。
ハヤブサが守る家 (海外文学セレクション) | ランサム・リグズ, 山田 順子 | 本 | Amazon.co.jp

YA小説に属すると言ってよいかもしれない、サスペンスホラーものです。
少年ジェイコブの祖父はポーランド系ユダヤ人で、戦時中、ナチスの迫害を逃れてウェールズの島の、児童保護施設で過ごしたと言い、仲間の子どもたちを撮った奇妙な写真をたくさん持っていました。
心霊写真のような、ホラー写真のような、あるいはサーカスの扮装をした、さまざまな子どもたちの異様な写真ですが、これらはすべて歴史上の写真だそうです(カメラが普及しはじめたころの、ひとびとの写真への関心のありようをうかがわせます)。
主人公の少年は、祖父の事故死を目撃、そのさい口から触手を生やした怪物を見て、悪夢に悩まされるようになり、精神科医にかかっています。けれども祖父の遺した言葉に基づいて、そのウェールズの島へ行ってみることにし、そこで出会ったのは・・
題名のとおり「ハヤブサ」(ペレグリン)に変身できる女性と、時を越えてループの中を生き続ける子どもたち。
しかし当然ながらそこは祖父の言っていたような楽園ではなく、そのサークルから出て永遠に生き続けようとして怪物になってしまったものたちもあり、その野望と暗躍がじわじわと主人公にせまってきます。
そのあたりまでが前半。後半は主人公と祖父をめぐるさまざまな謎が解け、世界規模の陰謀も明らかになってゆきます。暗鬱な閉ざされた世界観、グロテスクな死体や家畜の惨殺の描写、子どもたちの作り出すホムンクルスなど、悪夢的なイメージが展開されますが、「ハヤブサ」と鳥のイメージがラストへ向かって希望を広げてゆきます。
全編にわたって挿入された古い奇怪な写真を新たな物語として再構成した力わざには驚きます。
著者はもともと映像作家で、小説は初めてだそうですが、写真に造詣が深く、今回もこの古い白黒写真のかずかずからこの物語をたちあげたようです。
少年の成長、ミステリの謎解き、ナチスのホロコースト、世界史の暗部へのびてゆく物語のラスト(怪物の大量出現あたりからやはりアメリカらしいホラーという気もします)。後半一気に読ませます。
しかし何よりも、挿入された二十枚以上の現実の写真がかもしだすインパクトには立ちすくみます。
写真の背後にある当時のひとびとの魂が、この物語の強靱な(そして不可思議な)背骨となっている点が特色かと思います。
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