「子ども用外骨格装置」で難病の子どもが生まれて初めて歩くことに成功
難病指定されている脊髄性筋萎縮症などの子どもの歩行を補助する外骨格装置を世界で初めてスペイン国立研究評議会(CSIC)が発表しました。歩くことができなかった少年が実際に外骨格を装着して歩行を成功させるムービーが公開されています。
CSIC introduces the world’s first child-exoskeleton for spinal muscular atrophy - csic.es
CSIC introduces the world’s first child-exoskeleton for spinal muscular atrophy - YouTube
CSICの開発した幼児用外骨格はこんな感じ。スペインで10万人に1人が発症している脊髄性筋萎縮症の子どもたちを援助するために作られたもので、装着することで自律的な歩行を補助することができます。材質にはアルミとチタンが使われており、重量は約12kgとのこと。
子どもの胴体や足の長さによって調整可能な支持棒が足の外側に支柱として伸びており、各脚の関節部には人間の筋肉の動きを模倣するモーター類が5つずつ取り付けられています。センサーが微妙な足の動きを捉え、自動的に直立や歩行に必要な強度が維持されるよう設計されています。
腰の部分のオンボードコンピューターが全体のセンサーや動きを調整しており、内蔵バッテリーで5時間駆動可能です。
前からと横からを同時に見るとこう。
子どもに外骨格が取り付けられていきます。
大人に囲まれて不安そうな表情の少年。
足を前に出すと外骨格の指示を受けて進むことができています。初めは不安そうな表情でしたが……
生まれて初めての歩行に成功し、少年の顔には思わず笑みがこぼれていました。
脊髄性筋萎縮症は有効な治療法が確立されておらず、症状の1つとして進行性の筋力低下を引き起こします。筋力の低下から肺機能障害に発展することもあるのですが、この外骨格を使うことで座りっぱなしを避けて筋力低下を防ぐことができるとのこと。外骨格は3歳~14歳までを対象にしており、成長に合わせてサイズを変更しながら使用可能です。
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