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オンラインで約4000円のプリンターを売ったら裁判で300万円以上を支払うように命じられた男性

By Tim Caynes

66歳の男性がコミュニティサイト「Craigslist(クレイグスリスト)」でプリンターを40ドル(約4300円)で売りに出しました。問題なく取引は成立したように見えたのですが、販売者の男性は「プリンターが故障していた」として購入者の男性から訴えられることになり、その後6年半以上にわたって裁判が続けられました。最終的にプリンターを販売した男性は3万ドル(約320万円)もの賠償金を請求される事態に発展しています。

Man sued for $30K over $40 printer he sold on Craigslist
http://www.usatoday.com/story/money/nation-now/2016/06/06/man-sued-30k-over-40-printer-he-sold-craigslist/85478168/

マサチューセッツ州在住で66歳のダグ・コステロ氏は、2009年に不要になったプリンターをオンラインで販売しました。


プリンターを購入したのはインディアナ州在住で54歳のゲーシュ・ザヴォドニク氏。プリンターは送料込みで75ドル(約8000円)となり、取引は問題なく成立したかに見えました。実のところザヴォドニク氏は法曹界で頻繁に訴訟を起こす人物として知られている人物で、オンライン取引などに関する100件以上の訴訟を抱えています。インディアナ最高裁判所では個人や企業を相手に天文学的な賠償金を請求する「不正な訴訟人」と言われたこともあるとのこと。写真に写るザヴォドニク氏の部屋には、大量の裁判関係の書類が山積みになっています。


そんなザヴォドニク氏は「購入したプリンターの部品が足りておらず動作しなかった」としてコステロ氏を訴えました。マリオン裁判所に提出された訴状によると、ザヴォドニク氏は「コステロ氏に対して問題を解決しようと試みたが無駄に終わり、法的措置をとるしか選択肢が残されていなかった」と主張しています。ザヴォドニク氏はマリオン裁判所の少額裁判では最高額となる6000ドル(約65万円)を要求しましたが、証拠となるプリンターを捨ててしまったとして、敗訴しています。

コステロ氏は一件落着したと考えていましたが、ザヴォドニク氏は2010年に改めて「コステロ氏は契約違反および詐欺的行為を働いたため、3万ドル(約320万円)以上の損害賠償金を支払う義務がある」という内容の訴状をコステロ氏に送付しました。しかし、裁判所はザヴォドニク氏が起こした別の26件の裁判を棄却しており、コステロ氏に対する裁判も棄却されたことが記録されています。


それから2年後の2012年にザヴォドニク氏は、裁判所をインディアナ州裁判所に変更して同じ裁判を提訴し、第一審から裁判を再開するよう求めました。合わせてザヴォドニク氏はコステロ氏に対して2通の承認を求める訴状を送ったとしており、1通は「裁判官と共謀して裁判を欺いたため、3万ドル(約320万円)同じ裁判を提訴し、以上の損害賠償金を支払う義務がある」という内容で、もう1通は「前回と今回の賠償金を合わせて6万ドル(約647万円)以上の損害賠償金を支払う義務がある」という内容に承認を求めるものだったとのこと。

コステロ氏は合計3通の通知に返信していないのですが、インディアナ州の法律によると、訴状に対応しなかったコステロ氏は損害賠償を認めたことになるとのこと。一方で、コステロ氏は2013年7月に予定されていた裁判にも出廷しておらず、「これまで一度もザヴォドニク氏の訴状を受け取ったことはない」と述べています。この時点でようやくコステロ氏は弁護士を立てるなどの対策をとりましたが、最終的に2015年に6年越しの判決が下され、コステロ氏は「契約を違反した」として、ザヴォドニク氏に3万44ドル7セント(約323万円)の損害賠償の支払いを命じられたとのこと。

By Tori Rector

弁護士からこの知らせを受けたコステロ氏は出張でカナダ・オンタリオ州にいましたが、食事をとっていたレストランでほとんど虚脱状態に陥ったとのこと。しかし、上訴裁判所はこの判決に差し戻しを行っており、最終的にコステロ氏は約1万2000ドル(約128万円)の弁護士費用を支払うだけで済むとのこと。コステロ氏は「私はこの6年半で金銭的にも精神的にも大きな重荷を背負わされることになりました」と話しています。ザヴォドニク氏がさらに上訴する可能性もありますが、コステロ氏は今後オンラインで売買をする気はなく、またザヴォドニク氏に対する法的措置も考えていないそうです。コステロ氏は「もうたくさんです。私は人生でこれ以上彼と関わりたくないのです」と話しています。

ザヴォドニク氏のやり口は法の隙間を突いたものであることは明白であり、ザヴォドニク氏に訴えられた本人訴訟グループは裁判所の腐敗を撤廃するために活動しているとのことです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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