取材

スマホでテスラ「モデルS」をリモート駐車できる新機能「サモン」が登場、実際に動く様子を見てきました


テスラモーターズは2016年5月18日、販売中のEV(電気自動車)「モデルS」をスマートフォンを使って自動で駐車できる新機能「サモン」を日本でリリースしました。今回は東京都内で新機能の発表会とデモが実施されるとのことだったので、どんな風に動くようになっているのか、見に行ってくることにしました。

Model S | テスラモーターズジャパン
https://www.teslamotors.com/jp/models

会場には、マイナーチェンジでデザインに手直しが行われたモデルSが登場。前デザインに比べてフロント部分の黒いパネルが小さくなっており、グッと精悍な印象に。


写真によっては「のっぺりしたなぁ」という声が内外から上がっていた面構えの新デザインでしたが、実物を目にしてみるとまったく違和感を感じなかったというのが正直な感想。同時に、サイドとリヤのデザインにも手が入っているほか、ヘッドライトがLEDタイプに変更されています。


ということで、実際にスマートフォンアプリを使ってリモート駐車機能「サモン」を使っている様子は以下のムービーから。スマ-トフォンをリモコンのように使ってモデルSの車庫入れと車庫出しを行っている様子がわかります。途中でハンドルが操作されて向きが修正されていますが、これもモデルSのコンピューターが自動で判断して操縦しています。

テスラのリモート駐車機能「サモン」でモデルSが実際に動いている様子 - YouTube


発表会が行われた当日、都内某所の発表会場に到着。当日はまるで、テスラの生まれ故郷であるアメリカ西海岸を思わせるほど真っ青に晴れ渡った日になりました。


入り口には、イベントを知らせるプレート。今回は新機能「サモン」のお披露目と同時に、デザインがマイナーチェンジされて新しくなったモデルSをお披露目する機会ともなっています。


会場はまるで海外のパーティー会場に訪れたような雰囲気。モデルSのミニチュアが置かれたテーブルの向こうではウェルカムドリンクが用意され……


まるでスタジオのような会場で発表会が行われました。


説明を行ったのは、テスラモーターズジャパン代表取締役社長のニコラ・ヴィレジェ氏。まずはモデルSをはじめとするテスラの自動車の説明が行われ、その後に新機能「サモン」の説明とデモが実施されます。


2009年に発表、2012年6月にアメリカで納車が始まったモデルSは、2014年9月からは日本でも納車が始まりました。2015年には日本カーオブザイヤー イノベーション部門賞を受賞、2016年1月には車両のソフトウェアをアップデートして自動運転機能がついに搭載され、2016年5月にデザインのマイナーチェンジが行われ、「サモン」が日本でも配信開始というこれまでの歴史。


モデルSに続く「モデルX」は2015年9月にアメリカで納車がスタート。その後はジュネーブ、北京でも発表されており、右ハンドル環境である日本でも2016年中に正式に発表が行われる模様。


そして、EV普及に拍車をかけるべく一般消費者の普及ゾーンにターゲットを絞った「モデル3」も2016年4月1日に発表されており、2017年後半にも納車が開始される見込みとなっています。


また、テスラは「HEPAフィルター」を使った車内空気清浄システムを開発。このように、巨大なバブルで覆った空間内に「汚染レベル1000μg/m3」という、ありえないほどに危険な環境を作ってテストしたところ……


わずか2分ほどで、急激に車内のPM2.5濃度が下がって安全なレベルに落ち着いた、という検証結果も出ているとのことです。


そして本日の真打ち、リモート駐車機能「サモン」の説明。「呼び出し」を意味する英語の「summon」と名付けられたこの機能は、スマートフォンのアプリを使うことで文字どおりモデルSを「呼び出す」ことが可能な機能。アメリカでは2016年1月にリリースされていた機能で、日本では同年4月15日に国土交通省の承認が降りたそうです。


スマートフォンアプリに「サモン」の画面(右の2つ)が追加され、ボタンを押している間だけ車両が前後にゆっくり動くようになっています。なお、プレゼン画面は英語ですが、実際のアプリは日本語対応済み。


これが実際の操作画面。「前進」と「後進」と書かれた青いボタンを押すと、まるでラジコンのようにモデルSが動き出します。操作できるのは前後移動だけで、ハンドルを左右に動かすことはできません。


画面のボタンをポチッ。


すると、モデルSが文字どおり「音もなく」バックを始めました。


運転席に目をやると、誰も乗っていない無人の状態。


メーター部には、前後左右のセンサーが感知する障害物情報と速度が表示されていました。センターコンソールの巨大なディスプレイには、リヤカメラが捉えた後方の様子が映し出されています。


センターディスプレイを使って、駐車時のクリアランス(壁などからの距離)や感度などを設定することが可能。


サモンを使って駐車する場合は、まずモデルSを停めたい場所から12メートル以内に自分で停車させ、シフトが「P」に入っている状態で車外に出ます。そしてアプリを起動して「サモン」画面で「前進」または「後進」の操作を行えば、あとは車両が勝手にちょうどいいところで止まってくれるというわけです。なお、動作には「GPSを補足していること」と「携帯電話網(3G通信網)のエリア内にいること」が条件となっており、ビルの地下など一部の環境では動作が難しいケースもあるようです。また、1度に動ける距離は「12メートル以内」に制限されています。

この「サモン」機能の今後についてヴィレジェ社長は「オフィスから自宅の自動車を呼び出して迎えに来てもらう」といった使い方を語っていました。まだそのような使い方が可能になるまでには多くの時間が必要とされる段階ではありますが、これまで「未来の技術」と思われていたものは、一歩ずつ実現に近づいているようです。

サモン機能は、今後販売されるモデルSに標準で搭載されるほか、既存のモデルSオーナーも本体ソフトウェアのアップデートで機能を使えるようになるとのこと。まるでスマートフォンアプリのように自動車の機能が追加されるというところも、先進性を感じてしまいます。

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in 取材,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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