ソフトウェア

Windowsの電源オフ時に「コンピューターの電源を切る準備ができました」と表示される理由とは?


1995年に発売されたMicrosoftのOS「Windows 95」は、スタートメニューやタスクバー、ウィンドウの最小化や最大化など、さまざまな新機能を実装して登場し、販売数がリリースから5週間で700万本を突破したOSです。後のWindows 98やWindows XP、Windows 7、Windows 10に続くさまざまな機能がこのWindows 95で生まれたわけですが、電源を切る際に「コンピューターの電源を切る準備ができました」とメッセージを表示する機能が初めて搭載されたのも同OSでした。使用していたユーザーなら必ず覚えているであろうこのメッセージがなぜ搭載されたのか、Microsoftのソフトウェア開発者であるレイモンド・チェン氏が、その理由を語っています。

Why is there a screen that says “It is now safe to turn off your computer”? | The Old New Thing
https://blogs.msdn.microsoft.com/oldnewthing/20160419-00/?p=93315

Windows 95の電源を切るとき、スタートメニューから「Windowsの終了」をクリックし、「コンピュータの電源を切れる状態にする」を選択します。その後、「しばらくお待ちください…」というメッセージに続いて「コンピュータの電源を切る準備ができました」と表示されたら、ユーザーはPC本体の電源スイッチを手動でオフにしていたはず。


チェンさんは「コンピュータの電源を切る準備ができました」を開発した人物こそ知らないものの、実装した理由についてはWindows 95より前にリリースされたWindows NTにあるとしています。

チェンさんによると、Windows NTでは「コンピュータの電源を切れる状態にする」を選択した後に、星と月の柄と「Windows has been shut down(Windowsはシャットダウンしました)」というメッセージ、そして「Restart(再起動)」というボタンを1つのダイアログボックスで表示していたとのこと。この状態になったらPCの電源を手動でオフにしても問題ないそうです。


しかし、「星と月の柄&メッセージ」が表示されてもユーザーは次に何をすればいいかわからなかった模様で、とりあえず唯一クリック可能な「Restart(再起動)」を押してせっかく切ったPCを再び起動してしまうユーザーがいました。

チェンさんは実際に飛行機の中でWindows NTの電源を切ろうとして何度も再起動地獄に陥る人を見たそうで、その人に「星と月の柄が表示されたら、手動でノートPCの電源を切って大丈夫ですよ」と言っても、「この状態で電源を切ってはいけないと聞きました。電源をオフにするにはシャットダウンメニューを使わなければいけないと教えられたんです」となかなか理解してくれなかったとのこと。チェンさんが機内で会ったユーザーは、おそらく電源管理をサポートしているPC、つまりソフトウェア経由でシャットダウンメニュー選択後に自動で電源をオフにしてくれるPCを普段から使用していたと考えられます。

当時、ソフトウェア経由で自動で電源を切ってくれるPCは、最新のものや高価なものだけで、一般的なPCは自動電源オフをサポートしていなかったとのこと。「コンピューターの電源を切る準備ができました」というメッセージは、ソフトウェアによる電源オフをサポートしていないPCがシャットダウンを完了したときに表示され、Windows NTのシャットダウンで混乱していたユーザーを適切に電源オフに導く目的があったそうです。

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in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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