自動で対象物を捉えて追尾撮影も可能にする空撮ドローンアプリ「Follow Me Bebop」レビュー
最大で25分のフライト&一人称視点のフライトが可能なParrotのドローン「Bebop 2」は、自分で設定したルートをオートフライトして空撮も可能という高い空撮性能を備えています。しかしさらに、サードパーティ製アプリ「Follow Me Bebop」を使うと目標物を映像の中心に自動で捉え続けるという自動追尾機能が実現するということを耳にしたので、いったいどれほどの性能が実現されているのかを確かめるべく空撮に出かけてきました。
Follow Me Bebop on the App Store
https://itunes.apple.com/us/app/id1087497558
Parrot Bebop 2. 超軽量・コンパクトかつ耐久性を重視したデザインの「空飛ぶオトモ」。
http://www.parrot.com/jp/products/bebop2/
「Follow Me Bebop」はiOS向けにリリースされているアプリで、Parrotが提供しているSDK(ソフトウェア開発キット)を使ってアプリデベロッパのMichele Vagnettiさんが開発したもの。Parrotの純正アプリ「Free Flight」の代わりに使うことで、Bebop 2と前モデルのBebop Droneが対象物を自動追尾する空撮ロボットになるというアプリです。記事作成時点だとApp Storeで960円で提供されている有償アプリですが、以下のムービーを見て「おおっ」と思った人は導入を検討する価値は十分にあるはず。
Michele Vagnetti BEBOP Apps
http://michelevagnetti.altervista.org/bebop/Home.html
ということで、何はともあれ実際に撮影してみた空撮映像がコレ。再生時には、全画面表示がオススメです。コントロール用のスマートフォンを持っている人物をGPSで捕捉してカメラの中に捉え続け、歩こうが走ろうが、さらに斜面を駆け上がったりしてもガッチリと対象物を捉え続ける追従性はまさに異次元を感じさせるものでした。特に後半の「Follow Me」モードと「Track Me」モードの動きは完全自動で一切操作していません。
「Parrot Bebop 2」を自動追尾可能な空撮ドローンに変えるアプリ「Follow Me Bebop」で異次元の自動空撮を体験してみた
◆アプリのインストール
アプリ「Follow Me Bebop」はiOS向けに提供されているので、App Storeを開いてインストールを行います。記事作成時点では960円の有償アプリなので、「¥960」をタップ。
「購入」をタップ
アカウントのパスワードを入力して「OK」をタップ
購入とインストールが完了したら「開く」をタップ。アプリが起動します。
このアプリは端末のGPS機能を使用するので、承認画面で「許可」をタップ。
写真フォルダへのアクセスを求めてくるので「OK」をタップ。撮影した画像や映像は端末に保存することもできるので、いつでも簡単に見て楽しむことができます。
アプリ起動時にWi-FiでBebop 2との接続を求めてくるので、端末のWi-Fi設定から「Bebop2-(数字)」を選択します。この時、Parrotの別体コントローラー「SkyController」があっても接続しないこと。SkyControllerは対応外です。
Wi-Fi接続が完了してから、アプリの画面で「Bebop2-(数字)」を選んでタップすれば、フライト準備は完了です。
◆アプリの画面と操作方法
アプリの基本画面と操作方法はParrotの純正アプリ「Free Flight」とほぼ同じで、左手の親指でBebop 2の高度と回転を操作し、右手の親指で前進・後退と左右への移動を操作します。なお、機体が離陸すると画面左上には「Return Home」ボタンと「Watch Meモード」と「Follow Meモード」をオンにするためのアイコンが追加表示されます。
スマートフォンを持っている人に常にカメラを合わせ続ける「Watch Me」モードの画面はこんな感じ。画面全体にカメラで捉えた画像が表示されるので、実際の画面を見ながら操作用のコントローラーで操縦することができます。
そして、スマートフォンを持っている人を追いかけ続ける「Follow Me」モードの画面がコレ。画面のスライダーでBebop 2と自分との距離と高さを設定しておくことで、常に一定の距離を保ちながら追尾して撮影が可能というわけです。画面では、「追尾高度(Following Altitude)」が5.7メートル、「追尾距離(Following Distance)」が10.1メートルとなっています。
と、こんな感じで「操作方法」は以上。というのも、ひとたびFollow Meモードなどをオンにすると、あとはほとんど何もせずともBebop 2とFollow Me Bebopアプリが操縦を行ってくれるため。操作する人間がすることといえば、木立などの障害物に機体が接触してしまわないか、よく注意することぐらいでした。
実際にこのアプリを使ってみると、とにかく口をついて出てくる言葉が「すげぇ……」ばかりという圧巻さでした。ドローンの操縦はある程度慣れるまでが難しいため、なかなか思い通りに飛ばすのが難しいこともありますが、このアプリがあれば人間以上の正確さで対象物を追い続けることがいとも簡単にできてしまいました。アプリと連携したドローンの制御技術を思いっきり享受できるアプリなので、特に空撮をよく行う人であれば、960円の価値は十分に感じることができるはず。
あえて要注意点を挙げるとすれば、やはりマニュアル操縦ではないことによる衝突の危険性ということになりそう。このアプリは、スマートフォン保持者のGPS信号をもとに非常に正確な追尾を行うため、機体の周囲の状況はまったく考慮せずに飛ぶようになっています。そのため、進行方向に障害物などがあったとしても、まさに「何のためらいもなく」激突してしまいます。これを避けるためには、自動追尾を行う際に事前に綿密なリハーサルが絶対に必要といえます。綿密な準備を行い、可能な限り迷惑や被害をおこさないことを念頭に活用すれば、これほど楽しくて素晴らしい道具はない、と熱く語ってしまいそうになるほど衝撃的で心躍るアプリとドローンとなっていたのでした。
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