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鳥だけでなくドローンが離着陸時の旅客機にとって脅威になりつつある

By arbitragery

離着陸中の旅客機に鳥が衝突する現象は「バードストライク」と呼ばれ、ジェットエンジンに吸い込まれた鳥がローターを破壊して、最悪の場合墜落事故を招きかねないことから、エンジンの開発段階で鳥がエンジンに吸い込まれるテストが行われています。しかし、近年爆発的に増加するドローンは、鳥と同じく旅客機に大きな脅威を与えていることが分かっています。

Drones Are the New Threat to Airline Safety - Bloomberg
http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-04-04/drones-are-the-new-threat-to-airline-safety

商用旅客機のジェットエンジンにとって、大雨、ひょう、雷そして鳥など自然現象や飛行物体は、事故を引き起こす可能性の高い「危険」として認定されています。たとえそのような危険が発生した場合でも事故を予防するために、死んだ鳥を実際のエンジンタービンに高速で打ち込み、エンジンの破損具合を調べる試験が行われており、旅客機はエンジン1機でも飛行できる性能が要求されています。


ドローンとの衝突によって旅客機が事故を起こす危険性が認識され始めた結果、ドローンがエンジンに衝突した場合の被害をコンピューターでシミュレーションする研究が進められています。バージニア工科大学ではボーイング777やエアバスA380などの長距離ジェット機で採用されている直径9フィート(約2.7メートル)のエンジンファンに約8ポンド(約3.6キログラム)のクアッドコプターを衝突させる実験を実行。回転するファンに衝突するドローンにはジェットエンジンのファンブレードを粉砕する危険性があることは、以下のシミュレーションムービーを見ればよく分かります。

What Happens If A Drone Gets Sucked Into A Jet Engine? Results Might Surprise You!


赤枠で囲った部分がドローン。


回転するローターに接触しました。


粉砕しながらドローンを巻き込むローター。


ドローンの残骸は、ブレードの間に挟まれて、引きずられるようにエンジン内部に広がっていきます。


エンジン周りのハウジングがゆがむほど。


ローターのブレードが粉々になり、エンジンが破壊されてしまいました。


鳥とともに新たにドローンという厄介な問題に直面している旅客機ですが、近年は空中を飛行する商用ドローンの脅威にもさらされていることが明らかになっています。パイロットや航空管制官からは、1月あたり100件以上のドローンの目撃情報が報告されているとのこと。アメリカの空の安全を担当する連邦航空局(FAA)によると、2015年のドローン目撃報告は1200件以上で、これは2014年以来急増しているそうです。

2015年8月21日から2016年1月31日までに報告されたドローンの遭遇情報は、最も多いのがニューヨークのニューアーク・リバティ国際空港、次いでロサンゼルスのロングビーチ空港と、大都市に近い空港で多数起こっていることが分かっています。


このようなドローンの脅威が急増している状況の中、FAAは商用ドローンの飛行ルールの策定を急いでおり、2015年12月からはドローンユーザーに登録義務を課す制度がスタート。記事作成時点のFAA規制では、ドローンは高さ400フィート(約120メートル)以上の飛行を禁止されるだけでなく、空港の周辺5マイル(約8キロメートル)以内の飛行も禁止されています。しかし、パイロットのドローン目撃情報の約92%が400フィート以上の空で発生しており、また約60%が空港の5マイル以内で起こっているとのことで、FAAの規則が守られていないという現実があります。

FAAがデータを解析した結果、ドローン接近事例のうち24件でドローンと航空機との距離は50フィート(約15メートル)以内だったことが判明したとのこと。模型飛行機の愛好家団体Academy of Model Aeronauticsのリッチ・ハンソン氏は、「ドローンが航空機に衝突する可能性は依然として低いことは確かですが、衝突する可能性がなかったとは言えません」と述べ、ドローンの急増によって空の安全性が急速に低下していることを憂慮しています。

By Sundy Lyn

航空機パイロットで構成されるパイロット組合は、空港周辺の安全性を保つために、商用ドローンに対してさらに厳しい対抗策をとるべきと考えています。パイロット組合が導入の必要性を検討しているシステムは、空港に接近したドローンは強制的に墜落させるソフトウェアプログラムの組み込み義務づけです。ドローン愛好家がFAAの規制に従わない以上、強制的に排除するシステムによってドローンを排除しつつ、抑止力を働かせるべき、という主張です。

2016年3月にジョージ・メイソン大学のMercatusセンターの研究者が発表した過去25年間のバードストライクを調査した研究は、無人ドローンによる配達便は、アメリカの領空内に少なからずリスクをもたらすと結論づけました。今後、さまざまな分野で活用が期待されるドローンは、空の安全を確保できるシステムと法規制が必要条件となっていきそうです。

By 準建築人手札網站 Forgemind ArchiMedia

・つづき
ついにドローンが旅客機と衝突する事故が発生 - GIGAZINE


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in ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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