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ついにドローンが旅客機と衝突する事故が発生


近年急速に普及するドローンは、空港周辺で旅客機とニアミスすることが増え、バードストライクならぬドローンストライクによる事故が懸念されていました。そんな中、イギリス・ロンドンのヒースロー空港で、とうとう旅客機とドローンが衝突する事故が発生しました。

'Drone' hits British Airways plane approaching Heathrow Airport - BBC News
http://www.bbc.com/news/uk-36067591

急激に増加するドローンがいかに空の安全を脅かしつつあるのかは、以下の記事を見ればよく分かります。

鳥だけでなくドローンが離着陸時の旅客機にとって脅威になりつつある - GIGAZINE


ドローンとの事故が発生したのはヒースロー空港に向けて着陸体勢に入っていたブリティッシュ・エアウェイズのA320で、当時、132人の乗客が乗っていました。なお、ドローン衝突事故は大事には至らず乗員乗客は無事です。


着陸後、パイロットは「ドローンが機体前部に衝突した」と報告し、すぐに機体のチェックが行われて、安全性に問題がないことが確認されたとのこと。ただし、ジェットエンジンにドローンが衝突すればエンジンが破壊されたり、フロントガラスに衝突すればガラスが破損したりして、最悪の場合墜落事故につながりかねないことから、空港周辺を飛び回るドローンに対して、強い措置を求める声が上がっています。

イギリスではドローンの飛行制限として、上空400フィート(約120メートル)以上の上空や、空港近くでドローンを飛行させることは禁じられており、最大5年間の禁固刑が科されています。


イギリスではドローン購入者のためのフライトガイダンスが公開されています。

Flying drones | UK Civil Aviation Authority
https://www.caa.co.uk/Consumers/Model-aircraft-and-drones/Flying-drones/

また、簡単なルールを解説するムービーも用意されています。

Drone flying: a short guide - YouTube


しかし、今回発生した事故が示すとおり、ドローン愛好家が規則に従わないこともあり得るため、さらに実効性のある規制が必要だとの意見もあります。


アメリカではドローン所有者の登録制度が開始され、事故などで墜落したドローンの回収を義務づけるなど所有者に遡及的な責任を負わせる制度が導入されており、イギリスでも同様の制度が必要かが検討されています。さらに、プログラムによって飛行禁止区域をドローンが飛行できないようにするgeo-fencingソフトウェアの導入を求める声もあるそうです。

イギリスの空港でのドローンと航空機のニアミスを含む事故は2015年8月以降に目立ったものだけでも以下の通り。

・2015年8月27日:2800フィート上空で15メートル以内に接近。
・2015年9月13日:4000フィート上空で5メートルに接近。
・2015年9月13日:空港付近で20メートルに接近。
・2015年9月22日:2000フィート上空で25メートルに接近。
・2015年9月30日:空港付近で9メートルに接近。
・2015年11月28日:滑走路上空で30メートルに接近。
・2016年4月17日:空港付近で衝突。

イギリス航空当局は、今回のドローンと旅客機の衝突事故について詳しい状況や原因の調査を開始しています。イギリス運輸省は、ドローンに対する包括的な戦略を2016年中に策定して公開する予定とのことです。

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in ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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