滝をよじ登る盲目の魚が「海から陸へ」と適応した生物の進化の歴史を体現する
約4億年前に両生類の出現により生物は海から陸へと進出したと考えられています。最初に"上陸作戦"を決行した生物がどのようなものかについて、タイで発見された「ヒレで歩く盲目の魚」が大きなヒントになると研究者たちの注目を集めています。
Tetrapod-like pelvic girdle in a walking cavefish : Scientific Reports
http://www.nature.com/articles/srep23711
Blind fish that crawls on land holds clues to evolution - CBS News
http://www.cbsnews.com/news/blind-fish-that-crawls-on-land-holds-clues-to-evolution/
ニュージャージー工科大学の研究者らは、タイ北部のカルスト地帯にあるTham Susa洞窟で、前後左右に4つの特徴的なヒレを持つ盲目の魚「Cryptotora thamicola」が、魚から両生類へと進化して地上に進出した生物の進化途中の身体的特徴を持つことを発見し、Natureに論文を投稿しました。
ニュージャージー工科大学の研究者による「Cryptotora thamicolaの身体的特徴」発表の様子は以下のムービーで確認できます。
Cryptotora thamicola - a cavefish with evolutionary implications - YouTube
Cryptotora thamicolaが生息するのはタイ北部にある真っ暗な洞窟内。
流れのある水中で採取したCryptotora thamicolaは……
水が流れる壁面をよじ登ることができるとのこと。
真っ暗な闇の中で視力を失ったCryptotora thamicolaは、コイ目に分類される淡水魚で、体長は約3センチメートル。
激しい水流の中、目も見えずにどうやってエサを取ったりパートナーを見つけたりするのか、その生態は多くの謎を抱えています。
しかし、何にもまして研究者の知的好奇心を刺激したのが、前後に2つずつある大きなヒレ。
Cryptotora thamicolaは、ヒレを器用に使ってまるで両生類のように歩行することができます。
Cryptotora thamicolaの体を分析したところ、歩行できるだけの骨格、脊椎、筋肉を備えていることが判明。
約4億年前に海から陸上へと進出した生物と同じと見られる体の構造を持ったCryptotora thamicolaは、現代に生きる貴重な生物として、古生代の生物の進化の過程を研究するための重要なサンプルになると期待されています。
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in サイエンス, 生き物, 動画, Posted by darkhorse_log
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