【訃報】Intelの伝説的CEO、アンドリュー・S・グローブ氏が死去
1979年にIntelの社長に就任し、1987年からは社長兼CEOに、そして1997年から2005年までは取締役会長の座にあったアンドリュー・S・グローブ氏が亡くなりました。79歳でした。グローブ氏の時代に、Intelの年間収益は19億ドル(約2000億円)から260億ドル以上(約3兆円)まで延びました。
Andrew S. Grove 1936 – 2016 | Intel Newsroom
https://newsroom.intel.com/news-releases/andrew-s-grove-1936-2016/
Legendary former Intel CEO Andy Grove is dead at 79 | The Verge
http://www.theverge.com/2016/3/21/11280004/andy-grove-intel-ceo-dies
グローブ氏はハンガリーの首都・ブダペスト生まれ。第二次世界大戦中のナチス・ドイツによる占領期を乗り切ったあと、1956年に起きたハンガリー動乱の中でオーストリア経由でアメリカへ亡命しました。
ニューヨーク市立大学シティカレッジでは化学工学を学び、1963年にカリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得。卒業後、半導体メーカーのフェアチャイルドセミコンダクターにいたゴードン・ムーア氏に雇われ、ムーア氏のもとで研究開発のチーフアシスタントになります。
しかし、ムーア氏とその盟友ロバート・ノイス氏は親会社との衝突などを起こすようになり、1968年に独立してインテルを創業。グローブ氏はその最初の従業員として採用されました。
グローブ氏はインテルがメモリチップからマイクロプロセッサへと軸足を移した決定において重要な役割を果たし、現在のようなブランドになる礎を築きました。グローブ氏主導のもと、386やPentiumといったプロセッサが生み出され、会社の収益は19億ドル(約2126億円)から260億ドル(約3兆円)以上へと増加しました。
1979年にグローブ氏が社長に就任してから、1998年にCEOを退任するまでの20年間の売上高の推移が「中小企業診断士 和田伸午のおもしろビジネス放談 - 三十歳から四十五歳を無自覚に過ごすな 〜アンディ・グローブ〜」に示されています
なお、グローブ氏は1994年に受けた健康診断で前立腺がんの疑いがあることを知り、自らフォーラムや書籍で情報を集めて、複数の治療法の成績をチェック。そして、自ら選んだ治療法を受け、職場復帰を果たしています。
検索するとはこういうことだ/インテルCEOと前立腺がんの1800日 読書猿Classic: between / beyond readers
http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-485.html
グローブ氏が2002年に著した自伝はこれです。
Amazon.co.jp : 僕の起業は亡命から始まった!―アンドリュー・グローブ半生の自伝― : アンドリュー・S・グローブ, 樫村 志保 : 本
・関連記事
Intel発表の「すぐそこにある未来」のコンピューティング技術まとめ - GIGAZINE
Intelがドローンの開発メーカーを買収、ドローンにもインテルはいってる状態を目指す - GIGAZINE
IntelがiPhone向けチップを製造か、1000人規模の人員を投入していることが判明 - GIGAZINE
「ムーアの法則」の終焉は何を意味するのか? - GIGAZINE
半導体メーカーのAMDはいかにして成り上がり没落していったのか - GIGAZINE
・関連コンテンツ