MicrosoftがLinux用「SQL Server」やソフトウェアスイッチ「SONiC」を開発、よりオープンな方向へ
MicrosoftがSQL ServerのLinux版プレビューをリリースしました。「クラウドファースト(クラウド優先)」を戦略に掲げるMicrosoftは、クラウドビジネスのためにオープンプラットフォーム化という柔軟な形に進化しているようです。
Announcing SQL Server on Linux - The Official Microsoft Blog
http://blogs.microsoft.com/blog/2016/03/07/announcing-sql-server-on-linux/
Microsoft has released a Debian Linux switch OS. Repeat, a Debian Linux switch operating system • The Register
http://www.theregister.co.uk/2016/03/09/microsoft_sonic_debian/
リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)の「Microsoft SQL Server」は、これまではWindows ServerなどのWindows製品でのみ使えるソフトウェアでしたが、サーバー製品に多いLinuxをサポートすることが正式に発表され、プレビュー版が公開されました。なお、Linux版SQL Serverの開発にはRed HatとCanonicalが参加しています。
2015年4月に開催されたChefConfでMicrosoftはクラウド事業Microsoft Azureサービスを使ってLinuxを動かす顧客が全体の20%いることを明らかにしていましたが、2016年2月時点ですでに25%とその割合は増加傾向にあるとのこと。このため好調なクラウドビジネスをさらに強化するためにLinux版のSQL Serverをリリースすることが事業拡大につながると判断したと考えられます。MySQLやPostgreSQLというオープンソースなRDBMSと競合していくことになりそうなSQL Serverは、2017年半ばに製品版がリリースされる予定です。
さらに、MicrosoftはAzureクラウドの端末をつなぐソフトウェアスイッチングOS「Azure Cloud Switch」と並行して、Linux版のデータセンターをつなぐスイッチングOS「SONiC」も開発していることが明らかになりました。SONiCが開発者に提供されたり顧客に販売されるかはまだ決まっていませんが、WindowsベースかLinuxベースかにとらわれないMicrosoftの開発姿勢が確認できます。
MicrosoftはすでにiOS版のOfficeスイートをリリースするなど、プラットフォームにしばられないよりオープンな方向性への転換を始めています。Windows一辺倒だった時代から、Microsoft Azureなどのクラウド事業やWindows 10 Mobileを中心としたモバイル事業など、主力のWindowsビジネス以外を強化してトータルで売上げをアップさせるためにはオープンプラットフォームを柔軟に受け入れるというようにMicrosoftは大きく変革しているようです。
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