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競合サービスのユーザー登録者数を合法的にスパイする方法

By Alan Levine

何らかのサービスを運営している人にとって、競合サービスのユーザー登録者数は気になる数字のひとつです。そんな中、競合サイトのユーザー登録者数を「合法的にスパイする方法」を、ZoomShiftベン・バートリングさんがまとめています。

How-To Spy on Competitor Signups — The Flux — Medium
https://medium.com/the-flux/bb60dd92e41e


バートリングさんは毎日自身の運営しているサービスの登録者数がどれくらいなのかをチェックしていて、これはわずか数分で済む簡単な作業でありながら、収入を増加させるために欠かせない行為だそうです。バートリングさんは何人の新規ユーザーが会員登録し、アクティブユーザーはどれくらい存在するのかといった情報に注意しており、これらは「ユーザーを有料サービスを使用してくれるユーザーに変換するため」などの指標になるそうです。

それと同時にバートリングさんがずっと気になっていたのが「競合サービスはどれくらいの登録者数を獲得しているのか」という点。登録者数がわかれば、ライバル企業の収入成長率やマーケティング面での努力が実っているかどうかなども理解できるので、とても気になっていたそうです。しかし、常識的に考えれば競合サービスの解析ツールをハッキングする以外に、登録者数を知る方法はありません。そんな時、バートリングさんは違法行為などなしでSaaSの登録者数を知る方法をふいに思いついたそうです。

バートリングさんは、思いついた方法で実際に登録者数を推定できるのかどうか確かめるために、「Zendesk」「Desk」「Groove」といったサービスの登録者数を実際に計測。

◆競合サイトのユーザー登録者数を合法的にスパイする方法
ほとんどのSaaSアプリは関係データベース上に構築されていると言って差し支えありません。そして、その関係データベースは、アカウントの登録者を示すための計算表を持っています。また、この計算表は各列ごとにユニークIDを持っており、常に自動でインクリメントするので、新規会員登録したユーザーが「#450」というユニークIDならば、次の会員は「#451」になるそうです。つまり、アカウントを2つ作れば、その間の期間に新規登録したユーザーの数がわかる、というのがバートリングさんが思いついた競合サイトのユーザー登録者数を合法的にスパイする方法。

ユーザーアカウントのユニークIDを知るための方法は多数ありますが、バートリングさんは多くのSaaSアプリでうまくIDを抽出できる2つの方法を紹介しています。ひとつは「ブラウザのインスペクタを使ってHTTPリクエスト調べる方法」です。例えばGrooveの場合、企業プロフィールをアップデートするとIDがペイロードに返されます。なので、インスペクタを使用してペイロードデータをチェックすれば簡単にIDのチェックが可能となります。

画像をクリックするとGIFアニメが再生され、ブラウザのインスペクタを使ってアカウントIDをチェックする様子が見られます。


もうひとつの方法はリクエストペイロードからアカウントIDを見ることができない場合に使用できるもので、「サードパーティーリクエストをチェックする」というもの。これは、「すべてのSaaSアプリは少なくともいくつかの解析ツールを運用している」という点から導き出された手法だそうで、それらの解析サービスに送信しているアカウントIDをチェックすることでIDを知る、という方法です。例えばZenDeskでユーザーが何かを行うと、ID情報がHeapという解析ツールに送信されます。ユーザーはこのID情報を以下の画像(クリックで再生)のような方法で簡単にチェックできるそうです。


そして、しばらく期間を空けてから新しいアカウントを作成し、IDをチェックすればその期間中に新しくサービスに登録したユーザーの数がわかるというわけです。なお、バートリングさんは「データの正確性を上げるために少なくとも1週間は期間を空けること」とコメントしています。

◆結果
バートリングさんが8.625日の期間を空けて上記の方法でユーザー登録数を計測した結果が以下の図に記載された数値。「Signup 2」から「Signup 1」の数値を引いた数が計測期間中に新しく登録されたアカウントの数で、これを計測日数で割れば1日当たりどれくらいのユーザー登録があるのかを推定できます。


バートリングさんはユーザー登録者数はSaaSの販売実績やマーケティングにおけるKPIであるとしつつも、これはあくまで収入を推測する基準となるものであって、これがすべてではないともしています。しかし、ユーザー登録者数がマーケティング面や収入面の洞察力を養うための指標になることは明らかで、うまくデータを分析すればより多くの情報を得られるのも明白です。また、少なくとも「どの競合サービスのマーケティング戦略を模倣すべきか」を判断する指標にはなる、とバートリングさんは語っています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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