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自分の好きなことに仕事の時間を使える「20%ルール」をフル活用するためのちょっとしたテクニック「BASEDEF」


Googleが採用していることで知られる「20%ルール」は、仕事の時間のうち20%を自分の好きなことに自由に使えるというもので、今では多くの人におなじみのGmailやGoogleマップなどがこの「20%ルール」から誕生したことはよく知られています。社員のスキルとモチベーションの向上をもたらしたという20%ルールですが、しかしただ単に自由を与えてしまうだけでは効果的に時間を使えず、ムダに終わるどころかモチベーションを下げてしまうことにもつながりかねません。

そんな問題を効果的に解消すべく提唱されているテクニックが「BASEDEF」と呼ばれるものなのですが、この手法を取り入れるとさまざまなプロジェクトの運用が改善されるかもしれません。

Making 20% Time Work
http://begriffs.com/posts/2016-01-29-making-twenty-percent-time-work.html

20%ルールの運用の中で問題となるのが、「うまく運用するためには規律が必要になる」という点にあります。自由が与えられることで成し遂げられる素晴らしいものもあるわけですが、一方で、ただ漠然と「はい20%どうぞ」と時間を渡されてしまっても、明確な目標や指示がないと行き先を見失った状態になり、時間とお金(従業員の給料)をムダに捨ててしまうということになりかねません。


そんな問題を解消するために考案されたテクニックが「BASEDEF」というわけです。20%ルールの運用に限らず、世の中のあらゆるプロジェクトに役立てることが可能というBASEDEFは、1つのプロジェクトを成し遂げるために必要な「まとめ(仕上げ)」や「解説」「働きかけ」「メンテナンスのしやすさ」などの要素に目を向けることで、必要とされるタスクを「見える化」して他の人とも共有化し、20%ルールを有効に活用しようというものです。

◆7つの要素
プロジェクトを進めるために考慮すべき7つの要素が、以下のように挙げられています。それぞれの要素の頭文字は、そのまま「BASEDEF」を構成する文字になっています。

・「B」=Blog(ブログ)
プロジェクトに貢献するための最初の方法が「ブログに書く」というものだとのこと。他の人が主導で進めているブログに携わっていて、なんとなく行き詰まったものを感じた時は、ブログにその内容を書いて他の人の意見を聞いてみると、新しい視点からの解決策が見つかることになるかもしれません。新鮮な意見を取り入れることで、プロジェクトが前に進み出すこともあるかも。

・「A」=Apply(取り入れてみる)
次の貢献方法は、プロジェクトを実際に取り入れて使ってみること。例えば、新しく開発するツールはなにより使ってみることが最も参考になります。同僚が作ってみたツールを実際に自分の環境に取り入れて使ってみることで、思いがけない機能や、追加すべき機能が浮き彫りになることもあります。

・「S」=Suggest(提案する)
これは読んで字のごとくで、見つかった問題点などを管理者に伝えて改善を促すというもの。例えば、仕様書どおりに作業して5分間以内に目的が達成されなかった場合は、改善の対象にするという「5分間ルール」を定めておくのも良い方法の1つです。

・「E」=Extend(拡張する)
ここから先は、具体的に何かを付け加える領域に入ります。実際に思ったことを形にして、ツールやプロジェクトを拡張することで、さらに完成へと近づけます。これはもちろん全体と歩調を合わせた作業が重要になりそう。

・「D」=Document(文字にする)
今ある状況や問題などを文字にして「見える化」すること。これには、例えばエラーメッセージの改善を行ったり、チュートリアルを設計したりなどの作業を含むもので、前出の「ブログ」にも似たものですが、それよりもさらに深く、テクニカルな分野に寄った内容になります。

・「E」=Evangelize(布教する)
布教というと大げさな言い方ですが、これは同僚や友人にプロジェクトのことをメールで教えたり、紹介サイトに投稿したりといった作業を指します。もちろん、外に出す前にはプロジェクト管理者の確認が必要ですが、慎重になりすぎてお蔵入りになったまま、という状況よりも、徐々に公開して広く意見を求めたほうがより良いものができあがる可能性が広がります。

・「F」=Fix(修正する)
これも読んで字のごとくで、見つかったバグや、プロジェクト全体の課題点などを修正・反映させる仕事です。

◆7つの要素を実際にあてはめる
上記を意識して、各プロジェクトに対して7つの要素をあてはめます。例えば、進行中のプロジェクトが4つあるとして、それらに対して要素をあてはめてみたのが以下のマトリクス表。左にはプロジェクト名が縦に並び、上には7つの要素「BASEDEF」が並び、それぞれマス目が書かれています。


この表の使い方は次のようなもの。20%ルールの時間をなにに使ったらいいかわからないスタッフは、この表を見て自分ができそうなプロジェクトの要素のマスに自分の名前のイニシャルを書き入れます。この時、書き入れるマスの数は3つ程度にすること。名前が入ったマスは誰かによって担当してもらえることがわかるので、プロジェクト全体が進みやすくなるほか、20%ルールそのものの有効性をフルに行かせるようになるというわけです。

複数のスタッフがいる場合も同様にイニシャルを記入してもらいます。すると、記入する場所が偏ることもありますが、それはそのままにしておくこと。それぞれのスタッフが書き入れたのは、あくまでボランティアとして関わろうとしている意思の表れということを忘れずにおく必要があります。

この手法を取り入れることで、いわばプロジェクト内容の「見える化」と20%ルールの有効活用が可能になるというわけです。もちろん、自分のやりたい・すべき仕事が他にある場合はそちらを優先させるのが大前提ですが、他にすべきことが見つからない時には労力を無駄にしないための良い方法と言えると同時に、プロジェクトの進行を促進させることができる手法としても、日々の業務に役立てることができるかもしれません。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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