動画

空気で膨らんでクニャクニャ揺れる「チューブマン」はこうやって誕生した


細長いチューブに絶妙の力で空気を吹き込んで、クニャクニャと折れたり直立したりする人形は「チューブマン」や「エアダンサー」などと呼ばれ、イベントの会場などで使われている光景を見ることがあります。いつ・誰がこのチューブマンを初めて作ったのか、そんなことをまとめたムービーが公開されています。

Tale of Tall Boy: The Origin of the Inflatable Man - YouTube


空気を受けながら、伸びたり曲がったりするチューブマン。実にシンプルな仕組みで動くこの装置ですが、その誕生は意外と思えるほど近年になってからでした。


チューブマンが初めて登場したのは、1996年に開催されたアトランタオリンピックの会場だったとのこと。開会式でのアートの1つとして登場したそうです。


この「アート」を作ったのが、カリビアン・アーティストのピーター・ミンショー氏です。


南米の国「トリニダード・トバゴ」のアーティストであるミンショー氏は、カーニバルなどで使われるダンス用の巨大人形を作る活動を行っていました。


そんなミンショー氏の作品が書籍「Caribbean Festival Arts: Each and Every Bit of Difference」に掲載されたことが、チューブマン誕生のきっかけになったといいます。


ミンショー氏の作品が載った書籍がオリンピックの演出に関する人物の手に渡ったことから、新たな展開が生まれました。


ミンショー氏は、1996年のアトランタオリンピックの開会式で後世の記憶に残る演出を行う仕事に携わることになったのです。


その演出においてミンショー氏が取り入れることにしたのが、自身のスタイルである巨大な人形を使ったアート作品でした。


しかし最初にミンショー氏が考えていたのは、空気で膨らませた風船状の人形を実際の人が操って動かすものだったとのこと。


これに新たな要素を付け加えたのが、「膨らませる」ことを専門とする技術者のドロン・ガジート氏でした。


ミンショー氏とガジート氏が力をあわせ、それまでになかった新しい作品が生まれることになり……


実現不可能と思われていた、高さ約18メートルの巨大なチューブマンが誕生することになったのです。


開会式会場に登場したチューブマンは、世界中の注目を集めて大成功を収めます。


オリンピック後にガジート氏はチューブマンの技術で特許を取得し、広告用のツールとしての活用に乗り出します。


このようにして、チューブマンは世界のあちこちで使われるようになったというわけです。


オバケっぽいものや派手なピンク色のものなどもあり、あちこちで人目をひきつける「キモかわいい」ツールとして広く使われています。


チューブマンの歴史はまだ20年足らずと、比較的新しいツールであることがわかります。しかもその背景にはカリブの芸術が存在していたという、意外な成り立ちがあったことは驚きです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
キモイ顔の貯金箱「FACE BANK」に投入された新型をレビュー - GIGAZINE

メキシコ風ゆるキャラから理解できないオブジェクトまでアートを愛するメキシコ人の才能が凄い - GIGAZINE

オリンピックが開催されることで一体どれほどのお金が動いているのか - GIGAZINE

オリンピックは都市にとって有害なので毎回同じ場所で開催すべきという主張 - GIGAZINE

ソチ五輪に向けての聖火リレー、スタート直後に消えライターで再点火 - GIGAZINE

2016年のオリンピック候補地となっている4都市の招致ロゴ - GIGAZINE

常軌を逸したキモかわいさを誇る夕張のご当地キャラ・メロン熊がプライズに登場 - GIGAZINE

濃くてリアルな人相の足指や歯ブラシをそのまま立体化した「むっちり村」関連グッズ - GIGAZINE

in ハードウェア,   動画,   デザイン, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.