飛行機型ドローン「Parrot DISCO」が2016年に登場予定、試作機が公開される
スマートフォンやタブレットで操縦できるクアッドコプターのドローン「Bebop Drone」や、水空両用のミニドローン「Hydrofoil」などを販売するParrotは、同社では初となる固定翼型のドローン「Parrot DISCO」を2016年中にも発売する模様です。ブーメランのような形状を持つ全翼機型のドローンは試作機の開発が進められているようで、アメリカ・ラスベガスで開催されるCES 2016の会場でその試作機が展示されるようです。
Parrot DISCO - Drone Prototype flights - CES 2016 - YouTube
風洞施設で行われる開発の様子。一般的に「ドローン」と呼ばれる機体では珍しい、飛行機のような固定翼を持つ機体となっています。
Bebop Droneと同じように機首にはカメラを搭載し、撮影や映像を見ながらのフライトが可能。
DISCOの開発にあたり、自動操縦ソフトウェアを新しく開発。
自動離陸機能を搭載している模様。この機体は第1世代の試作機のようです。
カメラの映像は3軸制御で安定しており、ブレがほとんど発生していません。なお、すでに販売されているBebop Droneでは、ジンバル機構などのハードではなく、映像をソフトウェアで安定化処理する仕組みが取り入れられています。
2014年には最初の試作機がテスト飛行を実施。
草むらに「がしゃん」と突っ込むシーンも。
2015年には第2世代の試作機も開発されていた模様。
そして6か月後、最終プロトタイプが完成。
見事に空を飛んでいます。
「軽量型の固定翼ドローン」
1回の充電による飛行時間は45分間
機体には、機体の速度を測定するピトー管を搭載。クアッドコプター型のドローンにはまず見られないもので、実際の旅客機や戦闘機などが搭載する装置です。
もちろん自動離陸にも対応。
推力を生むのは、機体後部に備えられた1基のモーターと直径8インチ(約20cm)のプロペラ。
飛んでいったDISCOは、操作端末の「Return to Home」ボタンを押すことで元の位置へ自動で帰還。
本体内蔵のセンサーで、自動で着陸する機能も備わっているようです。
翼はこのように取りはずしが可能。素材は発泡スチロールのようなものでできています。
すでに発売されている「スカイコントローラー」を使った操縦が可能。
また、映像を転送してゴーグル型のディスプレイで見ながら操縦するFPVフライトにも対応。(ただし日本では法規制あり)
機体速度や高度などのフライトデータを記録して送信するテレメトリーシステムを搭載。
市販のラジコン用プロポでの操縦も可能となっているようです。
機首には14メガピクセルのカメラを搭載。
このような美しい風景を撮影可能となっています。
スマートフォン/タブレット用アプリでは、事前に設定したポイントに沿って飛ぶフライトプランの作成が可能。
自動で空を飛ぶ様子は、まさに「ドローン」そのものとなっています。
2016年1月6日から開催されるCES 2016の会場では、実際の試作機が展示されているようです。
Parrot’s new Disco drone ditches quadcopter design — CES 2016 - YouTube
台の上に置かれたDISCO。
翼に発泡スチロール素材が使用されていることがよくわかるショットも。細かな傷が開発の様子を物語るようです。
機体後部のプロペラ。着陸時や格納時は、このように機体にピッタリと収まる角度になるように作られているのかも。
人が手に持つとこのぐらいの大きさ。機体重量はおよそ700グラムとのこと。
バッテリーのように見える黒いボックスですが、本体に書かれている「White Box」という名称からすると、これは飛行制御システムを収めたボックスなのかも。1度の充電で45分間のフライトが可能となっており、一般的なドローンよりも長く飛び続けることが可能。これは固定翼機ならではのメリットといえそう。
翼端には、最新の旅客機にも見られるウィングレットを装備。いかにも最新型をイメージさせるデザインとなっており、実際の効果のほどが気になるところです。
CES 2016での展示をレポートしたThe Vergeによると、Parrotは2016年内のデビューを計画しているそうですが、価格など詳細はまだ未発表とのこと。日本への導入も含め、いつ頃手に入るようになるのか気になるところです。
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