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新スタジオを設立した小島秀夫氏が明かす今後の活動や独立して得たもの


2015年12月15日をもってコナミとの契約が終了し、翌日に新スタジオ「コジマプロダクション」の設立とソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)との間で契約を結んだことを発表し、ゲーム業界に大きな衝撃を与えたクリエイターの小島秀夫氏が、The New Yorkerのインタビューに応じ、今後のビジョンや独立したことによって得たものについて語っています。

Hideo Kojima’s Mission Unlocked - The New Yorker
http://www.newyorker.com/tech/elements/hideo-kojimas-mission-unlocked

ゲーム「メタルギアソリッド」シリーズのクリエイターとして知られる小島氏ですが、2015年はコナミを退社し新スタジオを設立するという激動の年になりました。The New Yorkerによると、コナミとの契約が終了したことで小島氏は発言を自由にできるようになり、それを「新しいスタート」と形容しているとのこと。ただし、コナミを退社したことについては契約により詳細を話すことができないそうです。

小島氏のスタジオは、コナミデジタルエンタテインメント小島プロダクション コンテンツ室アートディレクターだった新川洋司氏、小島プロダクション統括プロデューサーだった今泉健一郎氏を含む4人のスタッフで構成されており、まだオフィスを構えていないとのこと。新スタジオで開発されることになる次回作に関しては、PlayStationとともに進めること以外は明らかにされていません。ゲーム開発に関して小島氏は「私がゲームを作るときは、今作っているのが最後のゲームだと毎回思っています。女性が出産中に次の妊娠について考えないのと同じで、僕は開発中のゲームがリリースされるまで、次のゲームについて考えられません」と述べました。


もともとは映画作家にあこがれていた小島氏がゲーム開発に興味を抱いたのは大学在学中に任天堂のファミコンをプレイしたことがきっかけです。ファミコンのカートリッジはセーブ機能が搭載されていたため、ゲームデザイナーが長編ゲームを作りやすくなっていたとのこと。

小島氏は「もしかして映画のような体験を作りだすには、ゲームという手があるかもしれない」と考えたのですが、当時のゲームはまだまだ発展途上であり「あの時代のゲームは、映画で言うところのチャールズ・チャップリンやバスター・キートンのような単純なアクションしかなく、これだけではゲームに重要なテーマやメッセージを植え付けることが難しかった。私は自分が関わるゲームにストーリーを詰め続けていましたが、プレイヤーから説教でもしているのかと不満を言われることもありました。でも、私はゲームと人生をつなぐための方法を見つけたかったんです。ただ単に遊ぶためだけのおもちゃではなく、遊んでくれたプレイヤーの心に残り続ける作品を作るにはどうしたらいいかということです」と当時を振り返っています。

小島氏が1998年に手がけたゲーム「メタルギアソリッド」は日本だけでなく世界中で人気を得ることになり大きな成功を収めました。このメタルギアソリッドの成功から、小島氏はゲーム監督やゲームビジネスについて多くを学んだそうで、「ハイエンドゲームを作る唯一の方法は世界市場をターゲットにすること。ただし、世界市場を見据えるには、どうすれば開発がうまくいくかを察知する鋭い感覚や、リスクを犯す覚悟がプロジェクトのマネージメントに必要です。目先の利益だけに注力してしまうと、時代に取り残されてしまい、最先端に再び戻るのは不可能です」と語っています。

By Andras_01

小島氏は日本の企業で働くことついて「大きな企業、特に日本の企業で働く場合、どんな小さなことでも会社の承認が必要になってきます。あと、何をするにも書類業務が必要です。でも、今は独立したので自分がしたいことをより早く進めることができます。必要のないプレゼンテーションに時間をかける必要がないわけです」と話しました。また、コナミを離れたことで自分の意見を自由に発言できるようになったことについて「私が企業に属していたら、私の意見は企業の意見として捉えられてしまう可能性があります。だから、私は何も言うことができなかったのです」と述べました。

小島氏はコナミを去った後に1年間の休暇を考えていたそうですが、ハリウッドに住んでいるという友人に相談したところ、「あなたの才能は前に進み続けるべきという義務がある」と休暇に反対されたとのこと。「この言葉を聞いたときに、世界における私の役目はビッグタイトルのゲームをできるだけ長く作り続けることだと確信しました。これは、僕の人生に与えられたミッションですね」と小島氏は振り返り、今後もゲーム作りに携わり続けることを明かしました。

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in メモ,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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