ニュートンがもしFacebookをやっていたら？歴史上の人物たちのつながりを可視化した「Six Degrees of Francis Bacon」

「俳優のケビン・ベーコンと共演したことがある人を『ケビン・ベーコン数1』、ケビン・ベーコン数1の人と共演したことがある人を『ケビン・ベーコン数2』としていくとハリウッド俳優のほとんどがケビン・ベーコン数3～4に収まる」と言われていますが、この「六次の隔たり」という仮説をコンセプトに、1500年から1700年までに活躍した歴史上の人物の関係を可視化したのが「Six Degrees of Francis Bacon」です。まるで中世版Facebookのような感じで、「ニュートンとシェイクスピアにつながりはあったのか？」というようなことを簡単に調べられるようになっています。

Six Degrees of Francis Bacon
http://www.sixdegreesoffrancisbacon.com/

これがウェブサイト。最初は哲学者のフランシス・ベーコンに焦点が当てられており、画面左端にフランシス・ベーコンの情報、真ん中にフランシス・ベーコンと人々とのつながりが表示されています。

フランシス・ベーコンと書かれている水色のアイコンをクリックすると、周囲にあふれていた灰色のドットが消えました。

画面右側の水滴アイコンをクリックすると、ドットの種類についての詳細が表示されます。色の付いたドットは一次のつながり、つまり「直接の友だち」という意味で、灰色のドットは二次のつながり、つまり「友だちの友だち」ということを示します。また色の付いたドットは寒色になるほど中心人物とのつながりが強いことを示すとのこと。

例えば、フランシス・ベーコンと直接繋がりのある人物としてエリザベス1世がいます。

エリザベス1世の青いドットをクリックすると、エリザベス1世を仲介したフランシス・ベーコンにとっての「友だちの友だち」が表示されます。

このうち、ジョン・ハワードという人をダブルクリックしてみると……

今度はジョン・ハワードを中心とした一次のつながりと二次のつながりが表示されます。こんな感じで、人から人へ、どんどんつながりの存在を確認していけるわけです。

Six Degrees of Francis Baconでは歴史上の2人の人物の関係をチェック可能。画面左端の部分で「Network」を選び、「William Shakespeare(ウィリアム・シェイクスピア)」と入力すると、候補が表示されるのでクリック。

「Find」を押すと……

ウィリアム・シェイクスピアの交友関係が表示されました。Six Degrees of Francis Baconはまだベータ版で情報量が十分でないためか、シェイクスピアの場合は一次のつながりのみ表示されました。

さらに「アイザック・ニュートンとシェイクスピアにつながりはあるのか？」ということで、チェックしてみます。

残念ながらつながりは発見できず。シェイクスピアに比べると、ニュートンのつながってなさが目立ちます。

「そういえば映画の中でシェイクスピアがエリザベス1世に会うシーンがあったけれど、フィクションなのかな？」と思い、2人の関係を調べてみました。「Find」を押すと……

「ノードが100個以上あって表示できないのでオプションを選んでください」という表示が出現。「Refine Search」をクリックします。

「RELATIONSHIP CONFIDENCE LEVEL」という部分でつながりの可能性の高さを調整できるので、デフォルトの60％から80％に変更します。なお、60％は「つながりを確信できそう」という程度だそうです。

すると、画面左下にエリザベス1世、右上にシェイクスピアの名前があり、強いつながりが確認できました。

真ん中にいたのはジェームズ1世。エリザベス女王とシェイクスピアはジェームズ1世を介してつながっていたようです。

Six Degrees of Francis Baconはカーネギーメロン大学とジョージタウン大学が協力して作成したもの。Oxford Dictionary of National Biography(オックスフォード英国人名事典)に載っている6200万ものワードをもとに1500年から1700年の人物のうち「誰が誰を知っているのか」ということをマッピングしており、現時点で1万3000人もの歴史上の人物のデータと約20万もの関係を表示できるようになっています。