Nexus 6Pは「曲がりやすい」「いや曲がりにくい」と真っ向対立の意見が噴出

iPhone 6 Plusで発生したポケットの中で曲がってしまうと言うクレーム(いわゆる「bendgate」問題)は大いに話題を呼び、それ以降に発売される大画面搭載のスマートフォンは、もれなくユーザーによって曲げ強度を試される事態になっています。Googleのハイエンドスマートフォン「Nexus 6P」については、「強度が高く曲げにくい」という見解から、「ジョークかと思うほど曲げやすい」という真っ向対立する意見が出されており、どちらが正しいのかと議論が活発になってきています。

Google Nexus 6P bend test video | BGR
http://bgr.com/2015/10/30/google-nexus-6p-bend-test-video/

「Nexus 6Pは女の子でもへし折れるぜ」と述べて、Nexus 6Pの強度に疑問を投げかけ物議を醸しているムービーがこれです。

The Nexus 6p is a Joke! Bend Test - Scratch Test - Burn Test - YouTube

Nexus 6Pの耐久性を調べるのはJerryRigEverything.comのZacksJerryRig氏。

これまでにもiPhone 6 PlusやGalaxy S6 edgeなど主要メーカーの大画面ハイエンドスマートフォンの耐久テストを敢行してきたそうです。

まずはひっかき試験。モース硬度に従って10段階の硬さの突起物でディスプレイをひっかいて、ひっかき強度を調べます。

数字の1から順に、強度を上げていきながら、画面をカリカリ。

7番目でディスプレイに目視できるほどはっきりとしたキズがつきました。

もちろんそれ以降はすべてキズが入ります。

Nexus 6Pはゴリラガラス4を採用しており、日常生活で避けられないキズに対してある程度の耐久性があることが確かめられました。

問題は、最後の10番目「ダイヤモンド」の突起物でチェックするときに発生。ディスプレイを指で押すと、対角上に大きな亀裂が発生してしまいました。

つづいてライターの火でディスプレイをあぶる実験。

Nexus 6Pは火であぶられても動作し続けています。

あぶり終えると、火が当てられた部分が白濁しました。この白濁は画面をOFFにしても消えないとのこと。

さらにはNexus 6Pの特徴であるメタルユニボディにカッターナイフや鍵でガリガリとキズをつける実験。

金属についたひっかき傷は、小さなものであれば指でこすって消せるようです。

出っ張った特徴的なリアカメラ部分のガラスは……

カッターナイフでも傷が付かないほど強度が高い模様。

「さて、やるか」といよいよ曲げ試験の時間。

両手でNexus 6Pをつかみ、液晶ディスプレイを上にして下から親指で押し上げながら力を加えると……

いとも簡単に「への字」に。

ディスプレイはバッキバキ。

ZacksJerryRig氏は「私の妹でも簡単にへし曲げられる」「まるでジョークだ」などと、Nexus 6Pの耐久力のなさを酷評しています。

ZacksJerryRig氏によると、Nexus 6Pの曲げ試験に対する耐久性の低さは、iPhone 6 Plusを含むさまざまな大画面スマートフォンの中でも最低の部類とのこと。

しかし、このZacksJerryRig氏のレポートに対しては、Redditなどの掲示板を中心として異論が噴出しています。その多くが、「ZacksJerryRig氏のテストでは曲げ試験の前にひっかき試験が行われており、ディスプレイに対角線に亀裂が入ったディスプレイの耐久力が大きく落ちた状態で行われている」「火であぶった事もディスプレイの耐久性を低下させた疑いがある」などと、曲げ試験前に耐久性が大幅に失われた状態でテストが行われておりフェアではない、というもの。

このZacksJerryRig氏のムービーに対して真っ向から反論するように、「Nexus 6Pは曲がりにくくない」というムービーが公開されています。

にわかに浮上したNexus 6Pのbendgate騒動ですが、BGRなどのメディアに代表されるとおり「ZacksJerryRig氏の試験には問題がある」という論調が目立ちます。Nexus 6Pの曲げ強度については科学的な試験結果が出るまで明らかではありませんが、前出のムービーを見る限り、Nexus 6Pは「キズが入っていない状態では両手で強く力を加えてもそうそう曲がらないこと」に加えて「ディスプレイにキズが入っている場合には強度が大幅に落ちることがある」という事実は覚えていて損はなさそうです。