2015年07月06日 21時00分乗り物

3軸が座席をあらゆる方向に振り回して平衡感覚が消滅する新型回転系絶叫マシン「TOURBILLON」

「絶叫マシン」というと、ジェットコースターやフリーフォール、回転型のマシンなどさまざまな種類が思い浮かびますが、3つの回転軸をぐるぐると回すことで座席をありとあらゆる方向に回転させる新型絶叫マシンが「TOURBILLON(トゥールビヨン)」です。

Swiss abc rides swirling presents world novelty for France | Airtimers.com
http://airtimers.com/abc-rides-tourbillon/0031263/

TOURBILLONが実際に動いている様子は以下のムービーで見ることができます。

Airtimers.com presents: abc rides TOURBILLON testrides (june 2015) - YouTube

「tourbillon(トゥールビヨン)」とは、「渦」という意味のフランス語。今回、絶叫マシンTOURBILLONを開発したのは遊園地のフリーフォールマシンやウォータースライダーなどの遊戯機械を製作しているスイスのメーカーであるabc ridesです。

お客さんがTOURBILLONに乗り込むと、地面とほぼ水平状態だったマシンが全体的に少しずつ起き上がっていきます。お客さんは手を振ったり足をぶらぶら揺らしたりと、まだまだ余裕の様子。

マシンが斜め45度くらいまで上がったところでピンク色の座席部分が回転スタート。

ゆっくりとしたスピードで縦にぐるりと1周。

座席は背中合わせの形で配置されていて、定員は24人。

ぐるん、と2周目が終わったところで……

水色の枠が横方向に回転を始めます。

ぐるんぐるん

回転速度がだんだん速まり、お客さんの絶叫が聞こえてきそうな回転っぷり。

すると、今度は一番外側の青い枠が下向きに下がり始めました。

3つの軸がぐるんぐるんぐるん

天地逆転どころではなく、どこが天なのか判断するのも難しそう。

休む間もなく、左右にぐるんと回転。

遠くから見ている分には「3軸がきれいに回っているなあ」という感じなのですが、実際に乗っているお客さんの声にならない叫びが聞こえてくるような気がします。

別角度から見るとこんな感じ。TOURBILLONは、高さ約20m、総重量約180トンの巨大マシンで、開発には3年近くの月日と約180万ユーロ(約2億4000万円)の費用がかかったそうです。1回の運転時間は3～6分で、プログラムを変更することでさまざまな動きや回転を組み込むことが可能とのこと。

また、TOURBILLONは固定式と移動式の両方に対応しており、毎年春にパリ市内で開かれる移動式遊園地「La foire du Trône」がTOURBILLONの導入を検討しているそうです。移動の際には奥に控えている大量のトラックに部品を載せて運ぶのでしょうか……？

さらに別角度から。TOURBILLONの下にカメラを設置して、見上げるような角度で撮影しています。

枠の周囲には電飾が施されていて、夜になるとピカピカ光りそうな感じです。

こうして見てみると、何となく地球ゴマのように見えてきます。

少し離れたところからTOURBILLONを見上げてみるとこんな感じ。

青い空をバックにぐりんぐりん回りまくるTOURBILLON。

肝心の乗り心地はというと、「自分の身体が遠心分離器にかけられたようで、吐き気がしてくる」とのことで、三半規管が弱い人には拷問になり得るアトラクション。海外メディアでは「運転中に嘔吐物が飛び交う様子が目に浮かぶ」「悪夢のマシンだ」などと形容されており、3軸回転のスリルだけでなく、誰かの嘔吐物の心配という恐怖まで体験できそうです。