Appleの「iOS 9」はこれまでよりも少しだけリッチなアップデートになる見込み、WWDCで明かされなかった新機能はこんな感じ

2015年秋の登場が予告された「iOS 9」では、Apple公式のニュースアプリ「News」の登場や、公式のマップアプリでの乗換案内機能のサポート、iPadでの画面分割マルチタスキングなど、さまざまな新機能が追加されます。ついにその全貌が明らかになったiOS 9ですが、海外ニュースメディアのThe Vergeは「これまでよりも少しだけリッチなアップデートになる」としており、WWDC 2015ではあまり詳しく語られなかった新機能を取りあげています。

Apple – iOS 9
http://www.apple.com/ios/ios9-preview/

The coolest new iOS 9 features that Apple didn't announce | The Verge
http://www.theverge.com/2015/6/8/8746795/apple-wwdc-2015-ios-9-new-features

◆フライオーバーとウォークスルー
Appleは新しいマップアプリで公共交通機関の乗換案内をサポートします。しかし可能性として、さらに優れたサービスをユーザーに提供してくれるかもしれません。

いくつかの都市では既に「フライオーバー」ビューと呼ばれる、都市の地図を鳥瞰図のように見る機能が使用できます。これは、ただ視点を変えるだけのものではなく、マップアプリにおける重要な役割を担うこととなるかもしれません。鳥瞰図のように地図を見られるようになれば、建物の中の構造まで見られるようになり、建物内の案内すらマップアプリで行えるようになる可能性があります。

なお、WWDCで発表されたマップアプリの新機能では「地下鉄や駅の入口までナビ」してもらうことも可能になります。

◆検索の拡張性
WWDCの基調講演中、ソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長であるクレイグ・フェデリギ氏は、Google Nowに対抗する新機能「Proactive Assistant」を発表しました。これについてフェデリギ氏は簡潔に「検索の柔軟性により、iOS端末からアプリ内の情報まで検索可能」や「検索結果と同時にアプリが動作するようなことも可能になる」と述べており、さまざまなサービスを展開するAppleにとって、非常にポテンシャルの高い機能になるかもしれないとThe Verge。

◆サードパーティー通知と通知アクション
iOSではサードパーティー製のアプリによる通知がこれまでにも存在しました。しかし、Android端末の通知センターほどの豊富な特徴は兼ね備えていませんでした。しかし、Appleは通知周りで多くの追加機能を発表するだろう、とThe Verge。通知周りが改善されることで、Apple Watchがより使いやすくなるはずだと期待をのぞかせました。

◆オブジェクト指向の連絡先
iOS 9では電話がかかってきた際に、OSがたくさんのソースからデータを相互参照します。これにより、電話帳に登録していない番号からかかってきた電話でも、誰からの電話なのかを推測して画面上に相手の名前表示することが可能になります。オブジェクト指向の連絡先アプリは、iOSとサードパーティー製のアプリやサーバーとの間に大きな相互運用性をもたらしてくれることになる、とのこと。

◆アプリの細分化
AppleはiOS 9が採用した新しいアーキテクチャにより、アップデートをインストールする際に必要な容量が4.6GBから1.8GBに減少したことをアピールしました。OSだけでなく、アプリ自体もコンパクトなサイズになる見込みで、これは本体容量が限られており、SDカードスロットなどがついていないiOS端末にとっては非常にありがたい改善になります。

恐らく、デベロッパー側は自身のアプリパッケージを「本質的なコード」と「機能を保証するためのライブラリ」として構築可能となり、アプリ構築に不要な無駄なコードを省くことで可能になるとのことです。

◆その他
その他、WWDCの基調講演のスライド中に出てきたiOS 9に関する新機能や特徴は以下の通り。

・OCRアクセサリーに関する仕組み
・オーディオユニット拡張
・VPNプラグイン拡張
・Swift 2
・マップカスタマイズ
・ダイレクトドキュメント
・XcodeでのUIテスト
・センサープロフィール
・自動化されたWindowsプロフィール
・新しい健康データタイプ
・コード填補
・ゲーミングAPI
・Automated shades profile
・レイアウトガイド
・ショートカットバー
・新しいマルチタスキングAPI
・新しいHomeKitプロフィール
・iCloud open in place
・ホームセキュリティ
・ストーリーボードの引用
・アプリ転送セキュリティAPI
・Stack view
・ワイヤレスCarPlay
・HomeKitにiCloudからリモートアクセス