ネットの恨みはSWAT出動で晴らす、17歳の少年が女性ゲーマーを標的にしたスワッティングの恐ろしい犯行手口とは？

By Matthias Weinberger

スワッティングとは緊急を要する事件のうその通報をして、警察やSWAT部隊を出動させるという悪質な行為で、オンラインゲーム中にSWAT部隊が自宅に突入し、その様子がインターネットで中継される事件が起こったこともあります。そのスワッティングの容疑を40件もかけられ起訴されていた17歳の少年が全容疑のうち23件を全面的に認め、恐ろしい犯行の詳細や動機が明らかになりました。

Coquitlam teen admits to swatting
http://www.tricitynews.com/news/coquitlam-teen-admits-to-swatting-1.1941402

Teen pleads guilty to 23 charges of swatting, harassing online game rivals | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2015/05/teen-pleads-guilty-to-23-charges-of-swatting-harassing-online-game-rivals/

カナダのニュースメディアTri-City Newsが報じたところによると、ブリティッシュコロンビア州コキットラムに住んでいた17歳の少年が、2015年5月15日に行われた審問で起訴されていたうち23件の容疑を全面的に認め、その犯行手口や動機などの詳細が明かされました。

少年が主に犯行のターゲットにしていたのは女性のゲームプレイヤー。オンラインゲーム「League of Legends(LoL)」で出会った女性プレイヤーに対してフレンド申請を行い、少年は申請を断ったプレイヤーのインターネット接続を遮断し、個人情報をインターネットで公開。さらに、夜中にイタズラ電話を掛けたり、うその通報で警察を被害者の家に出動させたりというもの。警察への通報は「ナパーム弾を持って家族を人質にとって立てこもっている」「殺人を犯した」という内容が多く、時には警察に身代金を要求することもありました。

By Sergey Galyonkin

少年が認めた罪の中でも特に恐ろしいのがアリゾナ大学の生徒に対する一件です。2014年9月16日、少年は警察に「両親をライフルで殺した。爆弾を持っている」と通報し、フレンド申請を断ったアリゾナ大学の女子学生の家にスワット部隊を出動させました。この事件から5日後、女子学生の家に彼女の母親が来ているときを狙って、今度は女子学生の両親の家にまでスワッティング行為を仕掛け警察とヘリコプターを出動させました。少年は事件について報道された記事をTwitterに投稿し、自ら犯した事件を自慢していたそうです。

その後も女子学生に対する少年の行動はとどまることを知らず、10月には「お前の両親のクレジットカード情報をインターネット上で公開した」というメッセージを女子学生に送信。さらに、内容こそ明かされていませんが、女子学生に218通ものSMSを送りつけていた事実が判明しています。

By Ivan David Gomez Arce

同年12月には女子学生の大学のメールアカウントとTwitterアカウントをハッキングし、女子学生の家族の社会保険番号をツイート。これ以外にもピザを配達されたり、電話回線の契約を勝手に申し込まれたり、ありとあらゆる嫌がらせを受けた女子学生は、大学を退学するところまで追い込まれてしまいました。

少年は2014年12月7日に逮捕されたのですが、逮捕の数日前にインターネットで8時間にも及ぶライブストリーミングを配信し、それまでに行ったスワッティング記録を放送。生放送中にはハッカーグループ「Lizard Squad」のメンバーを名乗っていたことも明らかになっています。

少年がスワッティングを行った生配信は以下のムービーから確認できます。

obnoxious, Lizard Squad, Swatting, DDos, FULL live stream - YouTube


少年はLoLだけではなくTwitterのユーザーに対しても同様の手口の犯行を行っていました。度重なるスワッティング行為を重ねた結果、9月と10月に起こったスワッティング事件を捜査していたカナダの地元警察が少年を容疑者として逮捕したというわけです。

少年が23の容疑に関して罪を認めた審問では、検事が「少年の行為は被害者の人生に大きな影響を与えた」と裁判官に訴え、裁判官は少年に2度目となる精神鑑定を命じました。なお、次の審問は6月29日に行われる予定です。