砂漠に建設されるテスラの世界最大バッテリー工場「ギガファクトリー」とは何なのか?
年間300日晴れているアメリカ・ネバダ州の砂漠に、電気自動車会社の「テスラモーターズ」がパナソニックと連携して、世界最大のバッテリー工場となる「ギガファクトリー」を2014年6月から建設を開始しています。
The gamble on Tesla’s gigafactory in the Nevada desert - The Washington Post」
テスラ ギガファクトリー | テスラモーターズジャパン
http://www.teslamotors.com/jp/gigafactory
ギガファクトリーの誘致はネバダ・カルフォルニア・テキサス・ニューメキシコ・アリゾナの5州で争われ、最終的にネバダ州がギガファクトリーの建設場所に決まりました。今後20年でギガファクトリーは2万の仕事を生み出し、地域に1000億ドル(約12兆円)の経済効果をもたらすと試算されています。ギガファクトリーは2020年に最大6500人を雇用し、電気自動車を50万台販売しテスラは黒字化する予定。また、2020年までにギガファクトリーは最大生産能力に達し、1年間で生産されるリチウムイオン電池数は、2013年に全世界で生産されたバッテリーの合計数を上回る見込みです。
ネバダ州はテスラに対し優遇処置として13億ドル(約1500億円)の減税など行っており、ギガファクトリーの誘致はネバダ州にとってフーバーダム以来の大プロジェクトとなるかもしれません。ただ、1つの企業への高額な予算の割り当てについては疑問視する声を上げる経済学者もいます。
テスラはギガファクトリーで必要となる人材を確保するため会社・学校・政府と協力する必要があります。ただ、テスラは多くのシリコンバレーの会社と同じように、会社の情報を公開していないため、ギガファクトリーで働くために必要な条件などを明らかにしていません。そのため職業訓練機関などはギガファクトリー向けにどう職業訓練を行っていいか分からない状態になっています。
テスラが補助金を受け取る条件は、「ギガファクトリーで雇う人の50%以上をネバダ州の住民から雇用する」必要があります。四半期ごとに、補助金の条件調査が行われており、最近のデータによるとテスラはギガファクトリーで雇う人の80%をネバダ州の住民から雇用していたそうです。なお、テスラは、大学のバッテリー研究費用100万ドル(約1億2000万円)と幼稚園から高等学校卒業までの教育費用3750万ドル(約45億円)をネバダ州に提供しています。
もしテスラの電気自動車販売が不振になった場合でも、ギガファクトリーで生産しているリチウムイオン電池を他の電気機器に利用することができます。意外なことにリチウムイオン電池は電気自動車の利用よりも、再生エネルギーでの需要があるとのこと。なお、リチウムイオン電池はすでに過剰設備になっていて、ノートパソコンとタブレットの発展により、Panasonicのバッテリー需要はなくなっていると指摘する専門家もいます。
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