ロシア語版のSiriが同性愛嫌悪の返答をしていたことが判明
Appleの音声アシスタント機能「Siri」は質問を話しかけるだけで答えを教えてくれる便利で面白い機能ですが、場所が変われば違う反応を行うことがあるようです。2015年2月から使用できるようになったロシア語版のSiriに同性愛関連の質問を投げかけると、やや偏った内容の答えを返していたことが明らかになりました。
Русскоязычную Siri обвинили в гомофобии - BBC Russian
http://www.bbc.co.uk/russian/society/2015/04/150413_tr_siri_homophobic_test
この「現象」を公開したのはロンドン在住のアレックスさん。YouTubeに実際のロシア語版Siriの応答を投稿して、その内容について問題を提起しています。
"In Soviet Russia Siri questions you" - YouTube
こちらの男性がロンドン在住のアレックスさん。ロンドン在住でゲイであることを明かしているロシア人の友人からこのことを教えられ、YouTubeに投稿することにしました。
ロシア語でSiriに話しかけるアレックスさん。「Siri、この近くにゲイクラブはある?」とゲイに関する質問を投げかけます。
すると、Siriは「顔が赤くなってしまいそうです。私には無理ですが」と、やんわりと回答を拒否。
負けじとアレックスさんは同じ質問を投げかけます。「この近くにゲイクラブは?」
すると今度は「あら、まぁ」と困ったフリをするSiri。
さらに3回目の同じ質問。「この近くにゲイクラブは?」
「顔が赤くなってしまいそう……」と答えだしたので、アレックスさんは途中で回答を打ち切りました。
そして別の質問。「イギリスで同性愛婚の登録はどのようにすればよいですか?」
するとSiriは無反応。単に聴き取れなかったためでしょうか。それとも、ダンマリを決め込むことにしたのでしょうか。
もう一度同じ質問。「イギリスで同性愛婚の登録はどのようにすればよいですか?」
今度はなんと「聞こえなかったことにしたいと思います」と、完全に回答拒否モードを見せるようになりました。
アレックスさんがさらに「Siri、ゲイ同士の結婚について教えてください」と尋ねると……
「アレックス、なんて下品なんでしょう!」と回答。これは全く中立とは言えない内容です。
負けじと「Siri、ゲイ同士の結婚について教えてください」
Siriは先ほどと同じ「顔が赤くなってしまいそうです。私には無理ですが」と回答。
核心に触れるアレックスさん。「ゲイ同士の結婚は普通のことですか?」
Siri:「あら、まぁ」
アレックスさん:「ゲイ同士の結婚は普通のことですか?」
Siriは「おそらく、私のこの感情は否定的なものでしょう」と回答を行いました。
アレックスさんは「これは、ロンドンで実際に試してみた内容です。そこで私はAppleに対し、なぜロシア語のSiriがこのように反同性愛的な対応をとるのか、質問したいと思っています」と、疑問を投げかけています。
さらにムービーの最後には別のシーン。「イギリスで同性愛婚の登録はどのようにすればよいですか?」という質問に対しSiriは……
「私にその汚い言葉を投げかけて、その汚れた手で飯を食うのですか!」と過激な回答を行う場面が収められていました。
なお、ムービー公開後にUnicorn Bootyがアレックスさんにおこなったインタビューによると、事件後にAppleは対応を行って一般的な回答を行うように変更されているとのことです。
ロシアでは、「『非伝統的な性的関係』を未成年者に知らしめる行為を禁止する」とする同性愛宣伝禁止法が成立しており、社会的にも同性愛を含むLGBTに対する風当たりが強いと言われています。アレックスさんは「Appleが各国の法律に沿う措置を取るのは理解できますが、その場合でも『知りません』や『お答えできません』などの回答を行うべきです。ムービーにあるような答えは、明らかに中立とは言えないものです」と疑問を投げかけています。
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