Windows XPを使い続けるためのサポート価格が2倍に値上げされる予定

by Kevin Lim

2014年4月にサポートが切れたWindows XPですが、中国政府は「Windows 8は高すぎる」としてパッチを利用することでWindows XPを使い続けており、オランダやイギリスは延長サポート契約をMicrosoftと締結するなど、いまだ政府や企業にユーザーが多くいます。しかし、Microsoftは2015年の4月を境に、組織向けのWindows XPサポート料を大幅に値上げする予定であることが分かりました。

Microsoft to double price of XP's post-retirement support | Computerworld
http://www.computerworld.com/article/2885759/microsoft-to-double-price-of-xps-post-retirement-support.html

かつてMicrosoftではサポートを新しい製品のみに限り、古い製品はライフサイクルが切れたらサポートを終えていました。しかし、Windows 98やWindows NT 4.0を長く使い続けるユーザーがいてサポートを求められる機会が増えたため、ポリシーを変更しました。そのときに設定されたのが「カスタムサポート契約(CSA)」で、この契約を結ぶことにより、特定の製品についてのサポートを受け続けることができるようになりました。

Windows XPの場合、初年度のCSAは20万ドル(現在のレートで約2370万円)に設定されました。その後、2006年に台数に基づいて最低20万ドル、最高50万ドル(約5930万円)という幅のある設定に改められ、2010年に「契約を結んでいる会社が新しいバージョンのOSに乗り換える」という契約で、再び年額20万ドルに変更しました。

しかし、Microsoftはすぐに再び台数ベースの価格に変更。その幅は最低60万ドル(約7120万円)から500万ドル(約5億9300万円)というもの。実際、5000台のXP搭載PCを運用していた会社では、CSA初年度に100万ドル、2年目に200万ドル、3年目に500万ドルを提示されたとのこと。他の会社でも、1台あたり200ドル(約2万4000円)を課されたそうです。

Microsoftからしてみれば新しいOSに移行して欲しいため、古いOSのサポート価格を上げてきたわけですが、それでもなおXPを使う人が残っていることから、2015年4月から1台あたり400ドル(約4万7000円)への値上げを実施するとのこと。

ある調査では2015年1月の段階でWindows XPユーザーはWindowsユーザー全体のうち20.7％を占めており、Windows XPを搭載したPCの数は3億台を超えるという結果が出ています。

by Jessie Jacobson

またマーケティングの調査を行うDimensional Researchによると、ウェブやモバイルアプリの開発に携わる500人のプロフェッショナルのうち、Windows XPを使わないようにしていたりWindows XPユーザー向けのサポートを中止しているのは半数以下である45％とのこと。そして19％、つまり5人に1人はWindows XP向けソフトウェアなどの新しい機能などをリリースしており、31％はWindows XP向けの既存製品・機能のバグを修正し続けていることが分かっています。

Windows XPユーザーはまだまだ多いものの、企業が昨年と同じコストでサポートを受け続けようとすると、PCの数を半分に減らさなければならないことになり、これはかなり難しい話。永遠にWindows XPを使い続けることが無理だと分かった今、乗り変えが迫られることとなっています。

なお、Windows 7のユーザーはWindowsユーザー全体の61.1％を占めていますが、2020年の1月にはサポートが切れる予定。2015年1月に発表されたWindows 10はリリースから1年の間なら無料でWindows 7からアップグレード可能なので、これも早いうちにサポート切れに備える必要がありそうです。