取材

50年の歴史がある銭湯をリノベーションした「Cafe茨木湯」に行ってきました


既存の建物をいかしたまま改装して再利用するリノベーションと呼ばれる手法を使うと、古い建物が再び新しい形でよみがえることがあります。「Cafe茨木湯」は50年の歴史を持つ銭湯をリノベーションしたカフェだということだったので、どんな雰囲気が味わえるのか、お店を訪れてみることにしました。

saho | cafe茨木湯 | cafe&LIVE&イベント
http://www.saho.cz/ibayu.html

「Cafe茨木湯」の住所は大阪府茨木市宮元町4-1。阪急電鉄京都本線の「茨木市駅」から歩ける距離に位置しています。


住宅街を抜けて歩いていると、「サウナ茨木湯」と書かれた煙突を発見。


路地の角を曲がると……


古めかしい門構えに「茨木湯」と書かれた建物が建っていました。


入り口横には店の名前である「茨木湯」


ここが古い銭湯をリノベーションして作られた「Cafe茨木湯」。過去50年にわたって地元の憩いの場だった銭湯をリノベーションし、2010年に生まれかわってオープンしたカフェです。


お店は月曜日が定休日で、午前11時から17時までの営業。11時30分から14時までの間はランチタイムとなっていました。


レトロな玄関


懐かしい雰囲気の壁一面に据え付けられたゲタ箱


カエルの親子がお出迎え


銭湯にはマッサージ機がつきものでした


在りし日は、20円でお客さんの体を癒やしていたようです。


ゲタ箱は木の鍵を抜き差しして使うタイプ


床に敷き詰められた細かなタイル


玄関でスリッパに履き替え……


「ガラガラ」と引き戸をひいてお店に入ります。


店内はこんな感じ。天井からは柔らかな電球の光が降ってきます。


さまざまなデザインのテーブルとソファが置かれていました。


「男湯」と書かれたのれんをくぐってみると……


かつては湯船だったスペースも、カフェのスペースとして使われていました。


高さのある円い天井をいかしたスペース


ランプの光も心地よく


テーブルの下には……


冷水と温水が別になっていた、昔ながらの蛇口


湯船の周りもテーブルとしてリノベーション


湯船の中はボックス席となっていました。


あえて残された洗い場


昔ながらの洗いイス。石けんで転んで泣いた記憶がよみがえってきます。


湯船のスペースには木造りのステージが備えられ、ライブイベントなどにも使われているそうです。


壁に掛けられた「のれん」。かつては入り口でお客さんを迎えていたのでしょう。


再びカフェスペースへ。脱衣場のロッカーも再利用。


トイレはガラス戸を開けた内庭の中にあります。戸の上には古き善き時代の扇風機。


昭和を代表する電気製品のひとつ


振り子時計もちゃんと動いていました。


「オーディオ」よりも「ステレオ」と呼んだ方がよさそうなセットからは、落ち着いたジャズ系の音楽が流れていました。


せっかくなので、お昼のランチ定食を食べてみることに。注文した「Cセット」は国産牛使用ハヤシライス。サラダ・ドリンクがついて1100円のメニューでした。


ビーフとケチャップの風味がよくきいた濃厚なハヤシソースで、なかなかボリューム満点なセットになっていました。


ケーキセットや単品ドリンクメニューも用意されているので、ちょっと一息入れるために利用するのもOK。


すこし遅めの時間に訪れてみると、雰囲気が楽しめるかも。


「ステレオ」も抜群の存在感


まるで時が止まったかのよう


よく見ると、床には籐(とう)を束ねてつくられた「籐むしろ」が敷かれていました。これも銭湯ならではの流儀。


カウンター席の前は、模様が描かれた目地タイルが残されていました。


子どものころお世話になったイスとの再会


まるで時が止まったような空気も感じさせてくれる「カフェ 茨木湯」でした。


雰囲気をおなかいっぱい味わったわけですが、お店の人に話を聞いていると驚きの事実が判明。古き善き銭湯をリノベーションしたカフェ茨木湯は、2014年いっぱいをもって閉店が決定したとのこと。


懐かしい雰囲気でくつろげる空間を味わえるのもあと少しとなったので、気になっている人は早めに訪れておいたほうがよさそうです。


お店は阪急京都線「茨木市駅」から徒歩およそ7分となっていました。

(PDFファイル)map_ibayu_trace.pdf

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in 取材,   デザイン,   アート, Posted by darkhorse_log

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