Googleがナノ粒子でガン・心臓麻痺・脳卒中などを超早期発見するデバイスを開発中
By jfcherry
Googleは老化現象や老齢疾患に立ち向かう会社を立ち上げたり、遺伝子検査キットを販売したり、純正フィットネスアプリ「Google Fit」をリリースするなど、テクノロジー以外の分野にも力を入れています。そんなGoogleがインターネット検索だけでなく血液をナノ粒子で探索して、現代の医学では発見できないほどはるか初期段階のガン・心臓麻痺・脳卒中やその他の疾病を検知できるリストバンド型デバイスの開発に取り組んでいます。
BBC News - Google is developing cancer and heart attack detector
http://www.bbc.com/news/technology-29802581
Googleの研究機関である「Google X」は、手首に取り付けるデバイスと、ナノ粒子によって、各種疾病を早期発見する技術を研究しており、現代医学よりも優れた早期警報システムとして機能することを目指しています。現時点でも医療機関による早期検診でガンなどの病気を発見できることがありますが、Google Xのデバイスは血中を巡るナノ粒子が絶えず血液の変化をモニターするため、膵臓ガンのような発見されにくいガンまで早期発見できる、とのことです。
このプロジェクトは、安価なHIV検査薬を開発して世界に広めたことで知られるアンドリュー・コンラッド博士が主導しており、博士は「我々は医療分野の反応性・事前対策・予防方法を改善しようと試みています。ナノ粒子は分子、細胞レベルで体内を調査できるでしょう」とBBCに話しています。
Google Xでは疾病ごとの異なる条件に見合ったナノ粒子セットを開発中。ナノ粒子のカプセルを飲むことで、ガン細胞やガンDNAの破片に付着させたり、心臓発作の原因となる脂肪の塊のプラークを見つけにくい血管の裏から発見できるほか、血液中の化学物質をモニターできるナノ粒子セットなら、カリウム濃度の上昇を検知して、腎臓病を未然に防ぐといった効果が期待できます。
理論上では、ナノ粒子がガン細胞などを発見した際の移動方法の変化などから、ソフトウェアが診断を下すことが可能。血中に散らばったナノ粒子は、磁力によって手首表面の血管周辺に集結させることも可能で、ナノ粒子によって収集した情報をデバイスで確認することができるようになるとのこと。磁力によってナノ粒子を目的の場所へ誘導する研究も進められていますが、最終的にはリストバンド型デバイスが1日に一回ナノ粒子を読み込むようなシステムになる予定です。
ただし、「医療機関でも見つけられない、一見すると『健康な人』に重大な病気が見つかったと伝えるには、『非常に注意深く正確な分析』が必要」とコンラッド博士は考えており、博士の研究チームは血液中のガン細胞やガンDNAを調査しています。また、「我々は単なる技術の開発者であり、商業化や収益化は考えていません。これは消費者デバイスではなく、完成すれば医療の最前線で医療関係者たちに使用が許可されるでしょう」と話しています。
・関連記事
「遅い夕食」の習慣が健康を害する危険とは? - GIGAZINE
Googleが支援する遺伝子検査キット「23andMe」に出荷停止命令が下る - GIGAZINE
Googleが老化現象や老齢疾患に立ち向かう新会社「Calico」設立を発表 - GIGAZINE
Googleの謎の秘密研究機関「Google X」の真実、その裏側に迫る - GIGAZINE
秘密研究施設Google Xと政府機関がバイオセンサー関連で極秘会合を実施か - GIGAZINE
秘密研究施設「Google X Lab」がゼロから人間の幼児レベルまでニューラルネットワークを発達させる技術を開発、画像検索の精度が格段に向上へ - GIGAZINE
・関連コンテンツ