自己修復可能なロボットを可能にするレゴっぽいが生き物のように膨らんでウニウニ動く「Click-e-Bricks」
ロボットというと鋼鉄製でガシャガシャ動く固いイメージがありますが、現在ハーバード大学のGeorge Whitesides氏率いる研究チームが取り組んでいるのが柔らかいロボットを開発する研究。既に柔らかいロボットハンドや危険な地域で人命救助するためのロボットなど、さまざまなものが生み出されていますが、今回Whitesides氏らの研究チームが開発したのはレゴのように組み立て可能なのに膨らんだりしぼんだりする柔軟なブロックです。
Squidgy 'click-e-bricks' will let robots fix themselves - tech - 07 August 2014 - New Scientist
http://www.newscientist.com/article/dn26015#.U-gtvfmSxAr
Using “Click-e-Bricks” to Make 3D Elastomeric Structures - Morin - 2014 - Advanced Materials - Wiley Online Library
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201401642/abstract
実際にブロックが柔軟に動く様子は以下のムービーから確認できます。
Lego-like bricks could build bendy robots - YouTube
青く発光するブロックは、一見よくあるタイプのオモチャに見えますが……
むくっと膨れあがりました。
このブロックも……
球体に近づきます。
しかし、風船のようにあっという間にシュンとしぼみました。
少し長めに積み上げられたブロック。
生き物のように右に曲がりだします。
今度は左に。まるでダンスをしているかのようです。
ブロックは柔らかいプラスチック素材を使って3Dプリンターで出力されたもの。「Click-e-Bricks」と呼ばれるこのブロックは表面にレゴブロックと同じような凹凸があり、大きいサイズのブロックを出力してからカミソリで適当な大きさにカットしたそうです。柔軟性が非常に高いので、通常のブロックでは作成が不可能な滑らかなアーチやメビウスの帯なども作成可能で、今後、ロボット開発においてこれまでは困難だった「曲げる」ということを実現したり、丸型に変形させて床を転がすこともできるようになるとのこと。
実験ではブロックの中に液体を通すという試みも行われました。複数のブロックをつなげて……
ピンク色の液体を通します。
いったん分解。
ブロックの表裏を反対にして、今度は青い液体を流します。
さらにつなぎ直し。
どの方向からでもちゃんと液体が流れるというわけです。
また液体や気体だけではなく、中に再構成可能なLED回路を内蔵させることも可能でした。
なお、研究チームは最終的に、ロボットがブロックを交換して自己修復を行えるようにすることを目標としています。
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