取材

30年にわたり玩具・アニメ・映画などで愛されてきたトランスフォーマーの開発者インタビュー


タカラトミーから発売されている玩具「トランスフォーマー」を基にしたSFアクション映画「トランスフォーマー/ロストエイジ」が2014年8月8日から公開となりました。そんなタイミングで、海外向け玩具・トランスフォーマーの商品開発に携わる三宅智也さんと、トランスフォーマーシリーズの前身である「ダイアクロン」の頃から玩具開発に携わっていたという大野光仁さんのお二人にインタビューを行う機会があったので、玩具開発やトランスフォーマーに関する質問をぶつけまくってきました。

トランスフォーマーオフィシャルサイト|タカラトミー
http://tf.takaratomy.co.jp/toy/

インタビューは東京都葛飾区の立石にあるタカラトミー本社で行われました。


デカデカとロゴが飾られていたりするわけではないのですが、本社一階には外からも見られる商品展示コーナーがあり、ここでロストエイジ関連商品を多数発見。


小さな子どもが興味津々にトランスフォーマーを見つめていました


そして入り口でタカラトミーのロゴを発見、さっそく侵入してみます。


インタビューはタカラトミー本社内にあるショールームで行われました。本当はもっとたくさんのトランスフォーマーが展示されているそうですが、ちょうど2014年8月9日からトランスフォーマー博が開催されるので、ほとんどの玩具が出張中でした。


今回インタビューに応じてくださった大野光仁さん(右)と三宅智也さん(左)。それぞれ自分の作ったトランスフォーマーをガチャガチャいじいじ中です。


GIGAZINE(以下、G):
大野さんは変形ロボット「ダイアクロン」のころからタカラトミーにて玩具開発に携わっていらっしゃるとのことですが、この仕事をするきっかけはどういったものだったのでしょうか?

大野光仁(以下、大):
当時のタカラは鋼鉄ジーグ変身サイボーグミクロマンなどの玩具を作っているメーカーで、ここなら何か面白いことができるなということで入りました。ここで希望通りにボーイズ玩具の部署に配属されて、ミクロマンの最後の頃やダイアクロンの立ち上がりに参加できましたね。

G:
三宅さんの方はどういった経緯で?

三宅智也(以下、三):
僕はタカラトミーの一般で入社して、一年目は修行期間みたいな感じで営業をやっていたんですけれども、本当の配属時に「こんなのあるんだけどやってみないか?」ということで今の海外向けトランスフォーマー開発部署に来ました。当時は海外向けのトランスフォーマーと国内向けのトランスフォーマーとで開発チームが分かれていて、海外向けのトランスフォーマーチームには「トランスフォーマー」という冠がなかったので、海外向け開発チームといった感じになっていました。なので僕は大野さんがチームのリーダーとは知らずに、当日部署に行って「ここでは何やってるんですか?」みたいな感じでした。人事は僕がおもちゃとかロボットとかボーイズ系のフィギュアが好きだと知っていて配属したんだと思うんですけど、そんな感じで「行ってみたらトランスフォーマーだった」という感じですね。それ以来ずっとこの部署でやってきて今年で7年目になります。

Q:
トランスフォーマーは変形してロボットになりますが、これが生まれるきっかけはどういったものだったのでしょうか?

大:
タカラはフィギュアをずっとやっていた会社なので、車をなんとかロボットにできないかというのがあったんですよね。そんな中でダイアクロンという乗り物がロボットに変形するというものが生まれて。ダイアクロンっていうのは1/60の世界観で、インチマンという3cmの小さなやつがいろんなマシーンに乗り込んで戦うというストーリーと、それに基づく玩具、といった感じですね。このシリーズのように、子どもたちにとっては「パトカーだ!」とかいった具合に実際に分かるというのが非常に大事なところで、それが変形したら面白いんじゃないかという部分からスタートしています。昔はSFチックなところから変形や合体するというものはあったんですが、マグマ大使がロケットから変身するように、子どもたちが分かるものからロボットに変身することで、「これが変身するのか」という驚きが大きな要因ですかね。

Q:
分かるものというのは、乗り物だとか?

大:
子どもたちが好きなものだとか分かりやすいものから変身すると面白いな、というところですね。

ロストエイジシリーズのバトルコマンドオプティマスプライムは、三つのモードを再現可能なトランスフォーマー。


Q:
トランスフォーマーの玩具からアニメ化や映画化が次々とされていますが、日本以上に海外でヒットしたのはどういったところに魅力を感じたからだと思いますか?

大:
私はよく言ってるんですけど、二度おいしいんですよ。当時で言えば、玩具が車でも遊べるしロボットでも遊べるので二度おいしい。さらに、ロボットに変形する過程ではパズルとしても楽しめるので三度おいしいかもしれない。そういう玩具として二度三度面白いものが、映像化しても車でのカーチェイスができたり、ロボットのアクションを楽しめたりするという部分が非常に魅力的なんじゃないかなと思います。しかもみんなが分かるもの、憧れのもの(車)が憧れのもの(ロボット)に変形するといったところもグローバルでウケている理由じゃないかなと思うんですけどね。

三:
大野さんの言っていることに非常に近いと思うんですけど、やっぱり世界中のいろんな国で愛されていて、みんなに遊んでもらってアニメを見てもらっている、そういうコンテンツってあんまりないんですよ。これは、どこの国の子どもでも知っているし、好きなものがロボットになるという非常に重要な部分によると思うんです。僕らが思うかっこいいものって、アメリカの子どももかっこいいと思うかは微妙じゃないですか。アメリカですっごい流行っているのに、僕らが見たら「え~そう?」だとか、逆なパターンもよくありますよね。でも車なんて世界中の有名メーカーがいろいろ出していてみんな知ってるし、トランスフォーマーは一度動物になったんですけど、動物だって世界中のどこの動物園にも同じ動物がいるので、共通言語的に「これはみんなかっこいいと思うよね!」っていう要素をトランスフォーマーは持っているんだと思うんですよね。

ショールームには初代オプティマスプライムも展示されていました。


Q:
数多くの玩具メーカーさんが存在すると思うんですけれども、その中でなぜタカラトミーさんがトランスフォーマーを実現できたのだと思いますか?

大:
ミクロマンや変身サイボーグなどの男児玩具でオリジナルをやってきたというところが強みになったんじゃないかと思います。自分でストーリーを作り、玩具展開をやっていくという中で、これらがトランスフォーマーに生まれ変わった時に、世界中でどんどん広がっていく形になりました。最初はアニメでハズブロさんが取りあげて一緒にやっていこうというのがあったんですけれども、次にハリウッドに取りあげてもらってさらに広がって。他にもスピルバーグさんの娘さんがトランスフォーマーに興味を示したという話なんかもあって、そういう時代の流れによって二世代三世代と、そういう受け継ぎがあったんじゃないかなと思います。

三:
最初の頃は自分はいなかったんで分からないんですけれども、うちとハズブロはずっと一緒にやってきて、その中で売り方だとか、世界中の子どもたちが好きなものを作るスキルやテクニックだとかが積み重ねられていくのは間違いなくて、それは他では絶対にマネできないし、その積み重ねのおかげで毎年毎年グレードアップしたものを出せるのかな。最初は偉大だなって。

大:
蓄積は財産なのでね。古くからのメンバーもいますし、変形ものなので同じ変形のものもありますけど、なるべく違う変形にしようだとか、ただ変形するだけじゃなくて子どもがどういう風に遊んだら良いか、なども取り入れながらやっていますね。我々もギミックや機構を考えるときに、これが映像なんかでどういう風に表現されるんだろう、なんて考えながら提案することが非常にありますし、毎回商品のコンセプトはこれでまとめようというのがあるんですが、それがうまく映像に活かされたときは最大のパワーを発揮しますね。


G:
開発の際に苦労した点などはありますか?

大:
最初は車だとかジェット機だとかがロボットになる、という子どもの好きなものが好きなものに変形するというのをやっていたんですけど、作り手の方もどんどん面白くしたいというので、「三段変形したらどうか」と考えて、例えば機関車からスペースシャトルになってロボットになるというトリプルチェンジャーを開発したことがあります。さらには建設車六体を合体させちゃおうだとか、ひとつで六つの形に変形したら面白いんじゃないだとか、「次は何する?」という感じでハズブロさんと新しいコンセプトをいろいろ考えるんです。フィギュアが頭になってしまうというのもあって、ロボットの頭にガシっとフィギュアがくっつくとインジケーターが出て能力が表示されるヘッドマスターズというシリーズもあったんですけれども、これは1年間続けられるシリーズになったけど本当に苦労したかな。「常に新しいものを出す」というのは非常に大変ですね。他にも「人間がロボットのフリをしている」というコンセプトからプリテンダーというものも生まれて、これも苦労しました。今だともっと良いものができたかもしれないんですけど、当時の技術だと人間がロボットになるのを表現するにはシェル型になってしまって、人間の中にパカって開けるとロボットが入っているという形にまとめざるを得なかったんですけれども、これだと人間のサイズと中のロボットをとりだしたサイズが人間の方が大きくなってしまって、本当はロボットの方が強くなきゃいけないのに、人間の方が大きくなっちゃったみたいな。

三:
大野さんの話に合わせると、かなり出尽くした感はありますよね。これまでにちゃんと成功と失敗をしてくださってるので、過去のコンセプトとかも見ながら何がダメだったのかだとかを考えながら開発に取り組んでいます。ここ最近だと新しいアニメや映画だとか、毎年毎年違うパートナーと仕事をする機会があって、それぞれどういったお客さんに向けて作っているのかも違うんですね。今回の商品は子ども向けだとか、子どもたちにはこういう風に遊んでもらいたいだとか、そういうのは最初に決めるものですけれども、作るの自体はマラソンみたいに長くかかるので、「ゴールってどこだっけ?」となるのをみんなで支えながら進めています。日々同じわけではないですが、課題もつらさもどんどん増えていきますからね。ただし、僕らも物作りが好きで、形になったらすごいうれしいんですよね。その前の段階のところは、いろんなステップ踏みながら共闘したり戦ったりしながらで、つらいというかハードなところですね。

大:
まぁ、反面楽しんじゃうってところはありますよね。

三:
物を作るっていうのの前夜がもうすごいですね。「やっと作れる……」という時もあるので、そこまで行くのが結構つらい。

大:
コンセプトワークがね。

三:
そう、コンセプトワークがつらい。

大:
今はだいぶラインが広がったから、本当にプリスクール的なところから大人の人が楽しめるところまでいろんなラインがあって、それぞれこだわっていかなければいけないっていう。

三:
それぞれシリーズがあるし、さらにキャラクターが子ども向けだったり大人向けだったり、ターゲットが違うとか、遊び方が違うとかね。

大:
そのキャラクターを出すっていうのもすごく難しくて、さっきもかっこいいものからかっこいいものって言ったんですけど、そのかっこいいものを作るっていうのもすごくむずかしいんですよ。

三:
まぁ今はそこは楽しくやってますよ。「恐竜だ、ワー!楽しー!」みたいな(笑)

大:
ただ、両方ともかっこ良く作らなくちゃいけないからね。

三:
プレッシャーであり、楽しいところでもありますね。


Q:
映画に登場するまでのトランスフォーマーの流れみたいなものはどうなっているのでしょうか?例えば、「こういう映画を作りたいからこういうトランスフォーマーを作ってくれ」という要請があるのか、それとも映画を意識して作ったものが映画に登場したりするものなのでしょうか?プラスで、そういったキャラクターが実際に映画に登場した際の感想もお願いします。

三:
大野さんはリベンジまでは映画やってたんですよね。

大:
もともと映画のスタッフに入って作り込んでいるというわけではなくて、あくまで原作の玩具があって、それらを使って映画のスタッフがどういう風にやるのかといった感じです。そこにはもちろんハズブロさん経由で要望だとかは伝えていますが、実際に使われているかどうかまでは分かりませんね。一応オプティマスの最終デザインがきたりとかがあったので、立体物を作ってホントはこうなんだけど、とかはやったりしてましたね。ただし、クリエイターさんがいかに面白く作るかだとかはあるので、玩具の原作をいかに魅力的に見せるかというのはやっぱりハリウッド側に任せたいところですね。

三:
みなさんの想像と若干違うのはそこで、我々が何かを作ってそれを基に映画を作っているというか。そして、映画のスタッフが考えるところは、映画としてどうしたら面白くなるかなんです。トランスフォーマーっていうコンテンツはどうしても玩具とは切っても切れないものなので、我々としてもこんなキャラクターにしてくれたらこんな玩具にできますよ、だとかはハズブロのメンバーと一緒にスタジオで映画のスタッフに紹介したりはあります。でもそこは正直「君たちのおかげでこれとこれ作ったよ!」とは言われないんでね。ただ、影響を受けたであろう部分はいくつも出てきたりします。その後は時間的にほぼ同時に作っていく感じなので、お見せできないんですけど、ふわーっとしたオプティマスや恐竜の絵がきて「こんなんだよー」ってやり取りしたりです。ビジネスのスピード感的にもそうなってしまうんですよね。

大:
ただ、絶大な信頼関係があるのでね。

三:
時間が経つにつれて、最初は「こんなんできないよー」みたいなところもあったハズなのにそういうのもなくなっていって、向こうも「タカラトミーとハズブロだったらこれくらいサっと玩具にできるでしょ」みたいな手心なしで投げてくるんですよね。それで、「変形したらタイヤ消えちゃった!いいよいいよ、消す消す!」みたいな感じで。

大:
我々も無理な案を玩具化しちゃうからね。そしたら「ほらできるじゃない」って。

三:
そんな不思議な作り方というか、進化した関係を築いています。

大:
非常に良い関係でやってますね。あとは、映画の中に昔のキャラクターが結構出てくるので、ファンとしてもすごく楽しい所でもあるし、作ったものとしても「私の作ったアレがこんな活躍してるの?」みたいなね。ああいうデザインでこういう活躍っていうのはすごく感動するんですよ。リベンジでもデバステーターという、細かいデザインはちょっと違うんですけど建設車が合体するというコンセプトは残したまま映画に登場して、非常に巨大感のある感じに描いてもらえたのは感動しましたね。今回に関しても、グリムロックが今のデザインだったらああなるんだみたいな。オプティマスがまたがって、メインとしてダイノボットたちが出てきたのは非常に面白かったし感動しましたね。そういう作り手としての楽しみはほんとにあって、そして古くからのファンもそういう見方をしますし、そういう楽しみ方もあるのかなと思いますね。

ロストエイジの予告編でもオプティマスプライムがグリムロックに騎乗している様子は見られます。

『トランスフォーマー/ロストエイジ』予告編 - YouTube


三:
最初に映画を見たときは応援しますよね。大まかな流れは分かってますけど、どういう活躍するのかだとかは知らない部分もたくさんあるので、敵を作ったりするとドキドキしちゃう。絶対死ぬと分かってるけど「死んだー!」みたいな。

大:
ダイアクロンのときに恐竜ロボットということで五体出させてもらって、自分で企画から始めたものだったので、それがトランスフォーマーになり映画で活躍するというのは非常にうれしかったですね。感無量ですよ、オプティマスが乗ってね。

三:
一度旅だった息子が帰ってくるみたいなね。

大:
きれいになって帰ってきたみたいな。

ロストエイジで登場するグリムロックは、大野さんが企画開発したトランスフォーマーで、これが初代グリムロック。


Q:
恐竜がトランスフォームするのと車がトランスフォームするのとでは、形状が全然違うので大変な部分などもあると思うのですがどうですか?

大:
車とかマシーン系をずっとロボットにしてきたんですけど、作り手としても次の挑戦をしたいというところがありまして。車も認知度は高いけれど生き物も世界中にいっぱいいるよね、そんな生物の中で一番人気なのは恐竜だよねというところで、恐竜をロボットにしてみたいよねと。それで五体も商品化させてもらうこととなり、これがのちのちビーストウォーズにもつながるんですけども、やっぱり「新しさ」と「いかにユーザーさんを驚かすか」というのが作り手としての思いでもありますので、「今度はこうくると思っていたらこうきたか!」とユーザーに思ってもらいたくてね。

三:
物の設計とデザインっていうところだけでいうと、車と恐竜とでは結構違うところがあります。車はこの状態でどの角度から見ても美しくて、動くときはこの状態でタイヤだけが動くんですけど、恐竜や動物は動くんですよ全身が。これが僕が思う車と恐竜の大きな違いです。トランスフォーマーには僕らが狙っている価格帯もあるので、それを超えない範囲でいかにかっこよくポージングも含めて魅力的にみえるように仕上げるか、っていう部分が最も違う部分ですね。

車はタイヤのみ動くので、どこから見ても「決まっている」と三宅さん。


あと、変な動物って作るの難しいんですよ。僕らの中でウサギはこう、カメはこう、多分ドラゴンはこう、っていうイメージがあるので、そこをうまい具合に曲げずに全然見たことがないものを作るっていうのが大変。骨格とか恐竜系のイベントとかには足を運びますし、例えばサメのトランスフォーマーを作るときには水族館に行ってサメをぼーっと見て、骨格標本をチェックしてモデルとかフィギュアも買います。車でもやっぱり同じことをするんですけど、リアルな映画とかに出てくる本当に存在する車と、アニメに登場する空想の車のおもちゃの両方を作ったりするんですけど、その場合もこんなとこから排気が出るわけがないだとか、いろいろ勉強するんですよね。結構みんな詳しいですよ、特に戦闘兵器。戦車とか飛行機とか実際にコレがイギリスのでこれはアメリカの、ってな感じで。

大:
市場がどんどんリアルになってきてるからね。

三:
やっぱり昔のものとは異なってきています。

大:
昔はここが限界だったからね。

初代グリムロック(右)とロストエイジ版のグリムロック(左)。


大:
昔はこれが恐竜だったけど、いまはこうだもんね。

三:
最近のものはトカゲ系のスピノサウルスの姿勢を意識して作っていますよね。

大:
他にも途中でボールジョイントでやるようになって、フィギュアとしてのポージング遊びみたいな部分が出てきましたよね。

三:
まぁロボットの恐竜も車もどれも手を抜かず研究してやっています。

Q:
先ほどハズブロさんと協力してとおっしゃっていたと思うんですが、実際に映像に対してはどのようなアドバイスをされるのでしょうか?

三:
例えばアニメイテッドのようなアニメーション作品とかですと、「こういう玩具で、こういうプロモーションで~」という提案もしますが、特に遊びの部分の「こんな武器を持っていて、こんな風に撃つんだ」とかそういった部分は過去からずっと提案してますね。

大:
映画の方も、最初は足を連動させるとムニュっと動いて変形できる部分だとか、ネックアライブっていう生きているかのようにがっと胸の部分が開くギミックだとか、武器が一瞬で変形するものだとか、そういったギミックをアドバイスしてます。

三:
我々の方がギミック的な部分が得意ってところはありますからね。アニメの内容にまで入っていくというときには、「こんな立体にしたら面白いよね」だとかは提案しますね。実際の内容やキャラクターの選定といったところでディスカッションすることもあるし、ハズブロとはかなり密にやっている感じですね。アニメなどの制作陣がコンセプトワークのもっと初期の段階だとかをやって、ハズブロのデザイナーはかっこいいアメリカンヒーロー的なデザインをやってたり。

大:
彼らはそこにこだわりますね、スーパーマンの国ですから。結構昔からプロポーションにはこだわってて、割と胸を張って頭をすこし傾けるようなプロポーションが多くて、日本のヒーロー像とは全く違うとは良く言われますけど、彼らのこだわりと自分たちのこだわりを融合させる感じですね。トランスフォーマーはフィギュアチックなものだと思うんですけど、これは日本のガンダムなどとはちょっと違う感じなんでね。

三:
今回の映画の恐竜たちはロボット時に騎士みたいなイメージなんですね。もともと騎士イメージのデザインがスタジオ側からあがってきていたので、騎士っぽくということでハズブロの玩具デザイナーと我々とで、「騎士ならこんな武器持ってるよね」だとかは、実際の映像には出てこなくても考えたりしていますね。

G:
これまで作成してきたおもちゃの中で思っていた以上にうまくできたものや、思い出に残っているものはありますか?

大:
一杯あり過ぎちゃってアレなんですけれども、古いやつでいくとプロールっていうパトカーがロボットになるものですね。あれはミニカーとしても非常に良くできていますし、ロボットになってからも好きなんですよね。当時はスタジオぬえさんなんかにデザインをやってもらいながら作ったので、全体のまとまり具合が好きなんです。特に顔がトランスフォーマーのオートボットマークになっている点なんかも好きなポイントですね。他にも先ほど言ったトリプルチェンジャーのブリッツウィングアストロトレインは良くできたなと思ってますね。あともう一個挙げるとするなら、巨大ロボットのフォートレス・マキシマス。ヘッドマスターの時に出たものなんですけど、巨大感と基地になるというコンセプトが気に入ってますね。それぞれ大変だったというところもありますが。

三:
今現在トランスフォーマーを作っている僕からすると、毎回集大成のような感じで作っているんですけど、映画のロストエイジシリーズはデザイン的にかなり良いものができていますね。恐竜に関しても今までダイノボットっていう大野さん達が作ったものを、今の我々が思う恐竜のテイストとミックスさせてどれも良いものができたと思います。

ロストエイジシリーズのグリムロック


あと、これまでのトランスフォーマーの歴史に一個積み重ねられたかなというのは、初めてトランスフォーマーで遊ぶ人たちに向けた一瞬で変形できるシリーズ。これをもうひとつ柱として作れたというのは、かなり心に残ってますね。

大:
だんだん難しくなっていっちゃうとね、好きな人も離れてしまうと困るので、難しいものと簡単なもので良い意味で棲み分けができているとトランスフォーマーで楽しんでもらえるユーザーが増えるんじゃないかと。

三:
そろそろいけるな、というところで複雑な方にシフトしていくって感じでね。同じキャラクターでワンタッチ変形のものと複雑なのがあるので、お父さんと子どもで買って遊んでもらってね。お父さんの方がワンタッチの方を良いなということがあると思うんですけどね。

ワンタッチで変形できるトランスフォーマーシリーズの「ドリフト」。


車体後方を持ってパカリ。


するとワンタッチで変形できます。


実際にムービーで見てみるとこんな感じ。

ドリフト変形動画 - YouTube


大:
そうだよね、そういう意味でも今回のロストエイジシリーズは良かったよね。

なお、今晩の金曜ロードショーでは映画トランスフォーマーが放送されます。

『トランスフォーマー/ロストエイジ』
8月8日(金)より、夏休み3D/2D IMAX3D全国ロードショー!
オフィシャルサイト:http://www.tf-movie.jp/
facebook:https://www.facebook.com/tfmovie.jp
twitter:https://twitter.com/tf_autobot
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
(C) 2014 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS,
and all related characters are trademarks of Hasbro.

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in 取材,   映画,   アニメ, Posted by logu_ii

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