メモ

デザイナーが理想のメッセンジャーバッグをスケッチから製品化させるまでのプロセス


Tシャツやサイフなどデザイン・販売する「Ugmonk」のデザイナーであるジェフ・シェルドンさんは、常に「作りたい」と思ったものを製品化しています。世界にはありとあらゆるカバンが存在しますが、シェルドンさんは新たにメッセンジャーバッグを作りました。元々はスケッチ案から始まったアイデアから、理想のメッセンジャーバッグとして製品化されるまでの2年間がシェルドンさんのブログに記されています。

Ugmonk » Blog Archive » Messenger Bag Process:From Sketch to Finished Product
http://www.ugmonk.com/2014/07/06/messenger-bag-processfrom-sketch-to-finished-product/

◆コンセプトスケッチ


まずはじめに行った作業は、バッグに盛り込みたいさまざまな機能などのコンセプトをスケッチブックに書き出すこと。デザイナーは「紙と鉛筆から始めることがPCよりどれほど想像を膨らませられるか、言い表せないほどです」と語ります。さらに市販のバッグを調査して、好きなものと嫌いなものをスケッチブックに書き出して研究し、伝統的なバッグの肩ひもの取り付け方が、歩いていてもカバンを水平に保つことができる仕組みであることに気付いたとのこと。

これらのスケッチによって、最終的にアイデアは郵便局員のメッセンジャーバッグに似た形状に到達しました。

◆デジタルモックアップ


シェルドンさんには裁縫やパターンメイキング(型紙作成)の経験がないのでモックアップを作ることはできませんが、アイデアをデジタル化して正確なデジタルモックアップを制作しメーカーに送っています。デジタル化作業は、スケッチに描いたアイデアの各部分が実際にどんな大きさなのかを把握するのに役立っているとのこと。この時点で細かな修正を加えたものが試作品となります。


◆メーカー探し


全プロセスの中で最も厳しい行程が、実物を製作してくれるメーカーを探し出すこと。シェルドンさんはアメリカで高品質なバッグを製作してくれるメーカーを探していましたが、条件として、試作品用の初回生産分を低価格で引き受けてくれるところを希望していました。中国で探せば安価で引き受けるメーカーは見つかるものの、高品質なカスタムバッグを作ることはできません。

メッセンジャーバッグはこれまで生産した製品とは完全に異なる製品だったため、専門性が高く細かい注文にも対応できるメーカーが必要だったわけですが、希望に添ったメーカーはなかなか見つかりませんでした。40以上の工場と連絡をとった末に、ようやくオレゴン州ポートランドで期待通りのバッグを製作できる企業を発見したとのこと。シェルドンさんは「メーカー探しは困難を極めますが、絶望的な状況でも諦めないで下さい」とアドバイスしています。

◆材料


カバンに使う材料探しにあたって、シェルドンさんはロウを塗ったキャンバス生地に目を付けました。ロウ加工が施されたキャンバス生地は1800年代に漁師や海軍の水夫のために開発された保温・乾燥に優れた丈夫な耐水性生地。Ugmonkで革製品を販売している経験から、レザーに関する知識は持ち合わせていたため、上質なフルグレインレザーと組み合わせることで、何年でも激しく使える丈夫なカバンが出来上がるとのこと。


◆最初の試作品


「スケッチデザインがどのように最初の試作品に反映されるのかを知るのはとても難しいのです」と話すシェルドンさんは、初めて試作品が完成して実物を受け取った時にいくつかの修正点・改善点に気付きました。この段階まで修正点に気付かなかった原因は、製作の初期段階ではキャンバス生地を小さなサンプルでしか確かめられなかったため。「試作品を作る」ということが製品化前の重要なプロセスであることが分かります。最終版の試作品に向けて、シェルドンさんはバッグの前フラップの長さやレザーストリップの長さを変更しました。

◆最終版試作品


試作品の製作はそれぞれコストがかかりますが、シェルドンさんは完璧な製品を作るための投資の一部として考えています。最終的にできあがった試作品は納得のいくものでしたが、予想よりも生産費がかかる結果となりました。それでも、シェルドンさんは材料を安価なものにしたり部品を変更したりということはしませんでした、Ugmonkは卸値で製品を仕入れるのではなく、顧客へ直接製品を販売しているため、値上げをしなくても合理的なコストを維持できるためです。


そんなこんなで、できあがった最終版の試作品は以下のもの。


ブランドロゴも取り付けられています。


内部にはノートPCと本を数冊入れても大丈夫。サイドのレザーストリップでカバンを締めたり緩めたりでき、iPad miniサイズのタブレット用ポケットやペンホルダー、レザー製のキークリップなどがついて機能性に富んだメッセンジャーバッグができあがった、というわけです。


出来上がった「理想のメッセンジャーバッグ」の写真は以下のページから見ることができます。バッグは219ドル(約2万2000円)で販売中で、日本への発送には別途35ドル~50ドル(約3500円~5000円)が必要となっています。

WAXED CANVAS MESSENGER BAG (CHARCOAL) | Ugmonk
http://shop.ugmonk.com/products/waxed-canvas-messenger-bag-charcoal?collection=lifestyle-all

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in メモ,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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