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読み終えた電子書籍を販売できる転売サイトに「閉鎖する必要なし」の判決

By mobilyazilar

オランダ出版社協会は「電子書籍転売プラットフォームのTom Kabinetが著作権を侵害しており早急に閉鎖する必要がある」として訴訟を起こしていましたが、オランダの地方裁判所は「Tom Kabinetはサイトを閉鎖する必要がない」という判決を下し、出版業界に衝撃を与えています。

Verkoop tweedehands e-boek mag - NOS Nieuws
http://nos.nl/artikel/677640-verkoop-tweedehands-eboek-mag.html

Dutch courts lets ebook reseller stay online - Computerworld New Zealand
http://www.computerworld.co.nz/article/550527/dutch_courts_lets_ebook_reseller_stay_online/

Tom Kabinetはユーザー同士が自由に読み終わった後の電子書籍を販売できるサービスです。利用するには、電子書籍の販売者が「販売する電子書籍は合法的に入手したものである」と証明し、他ユーザーから購入があった際には「自分のアカウントや端末から電子書籍を削除しなければいけない」というルールを守る必要があります。

Tom Kabinet
http://www.tomkabinet.nl/


ただし、「電子書籍が合法的に入手されたものなのか」「販売者が電子書籍をアカウントや端末から削除したのか」を確かめる方法はありません。Tom Kabinetは電子書籍が販売後に違法転売されることを防ぐため、同サイト上で購入された電子書籍には「透かし」を入れて対応していたとのこと。

Tom Kabinet陣営は、アメリカのソフトウェア企業オラクルが中古のソフトウェア使用権を購入して転売していたユーズドソフト相手に訴訟を起こした一件で、「ソフトウェア使用権の転売を認める」という判決が下されたことを引き合いに出し、電子書籍転売が違法ではないと主張。アムステルダム地方裁判所は「2012年に下されたソフトウェア使用権の転売における判決を考慮すると、Tom Kabinetが著作権を侵害しているかは不明瞭であり、サービスを今すぐ閉鎖するのは認められない。さらに、Tom Kabinetは、俗に言う『海賊版電子書籍販売サービス』とは全く違った販売方法をとっている」と述べました。

オランダ出版社協会の弁護を務めたChristiaan Alberdingk Thijmは「判決には失望しました。今回の判決による出版社の被害は甚大です」とコメントを残しました。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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