メモ

電子書籍を独力で出版して1年で100万円以上を売り上げた著者が語るコツ7つ

By Colton Witt

自費出版というと手弁当で儲からないというイメージを持っている人も多いと思いますが、電子書籍はほとんどコストを掛けずに出版できるため、中には趣味で本を出版し大きな利益をあげている著者も多くいます。そんな電子書籍を本業の合間に出版して、1年に1万ドル(約105万円)以上の売り上げを達成した「電子書籍作家」が、電子書籍で利益をあげるのに大切な7つのコツを公開しています。

The Leanpub Blog | Guest Post by Josh Earl: $16,920.12 earned, 1054 copies sold: Lessons learned from a year as a self-published author
http://blog.leanpub.com/2014/01/leanpub-ebook-sales-guest-post.html

2012年、アメリカ・ペンシルバニアに住むジョシュ・アールさんは電子書籍を出版することで大きな収入を得ている人がいることを知り、自分にもできるのではないかと考え、一念発起して独力での電子書籍販売を決意しました。大きな収入を得ている著者の多くが、自分の得意分野に関する本を出版していたことから、ソフトウェア開発者であるアールさんも、自分のプログラミングに関する知識を活かして電子書籍「Sublime Productivity」(以下、SP)を出版することにしました。

アールさんが電子書籍を販売するのに利用したのは「leanpub」というネットサービスです。leanpubは、電子書籍を販売するのに、最低価格と希望価格を設定することができる電子書籍販売サイトです。読者は、最低価格を支払えば電子書籍をゲットでき、価値を高く評価した場合には最低価格以上の対価を支払うことができる仕組みが採られています。また、leanpubでは、どんな本を売るのかは著者の自由であり、電子書籍を手軽に販売できるネットサービスと言えます。

2012年9月にアールさんはleanpubで電子書籍SPの販売を開始。その後16ヶ月で1万6920ドル(約178万円)の売り上げを記録しました。


アールさんが自身の成功を分析して見つけた、電子書籍を出版する人に役立つ大切な7つのコツは以下のもの。

1:とりあえず走り出す

By Thomas Hawk

アールさんは、SPを出版するとき、最後まで完成させることなくベータ版の状態で出版しました。発売した時点でのSPは、誤字もあれば内容も未完成な状態。とりあえず電子書籍として発売に踏み切ったアールさんは、そのときは不安よりも本を出版した喜びの方が勝っていたそうです。

アールさんによると、未完成な状態の本を買ってくれた読者からのフィードバックは非常に貴重で、それを最大限に活かして本の内容を追加・改良していくことでSPを完成形に持っていくことができたとのこと。未完成の状態で出版したことで、かえって電子書籍というプロジェクトを継続するモチベーションを維持することができたと話します。

2:本の価格は内容で決める

By Sepehr Ehsani

「安い方が本は売れる」と誰もが考えるところですが、アールさんは、売りやすくする目的だけで本を安売りするべきではないと話します。アールさんが出版したSPは、ソフトウェア設計のノウハウ本であり、ターゲット読者はソフトウェア開発者でした。アールさんは、ソフトウェア開発者は日々のタスク時間を短縮できるノウハウであればお金を惜しまないはずだと考えて、最低価格を19.99ドル(約2100円)に設定しました。これは、leanpubで販売されている電子書籍の中では比較的高い値付けであったため、発売当初はユーザーから批判的な意見が多く寄せられたそうですが、アールさんは決して安売りしなかったそうです。

結果として、読者の38%がSPの対価として最低価格以上を支払ってくれたそうで、50ドル(約5200円)を支払った人もいたことはアールさんにとって衝撃的だったとのこと。本の価格は、販売競争力を持たせるために安く設定するべきではなく、その本の価値に見合ったものにするべきだとアールさんは話します。また、高い値付けは、期限付きの値下げキャンペーンをする余地を残しておけるという利点もあるそうです。

3:販促ツールはメールが王道

By anonymonk

アールさんは、本を売るためのプロモーションツールとして最も有効なのはメールであると断言しています。実際、アールさんがSPを発売する際に読者にアピールできる場は、あまりファンのいない自身のブログを除けば、メール以外になかったとのこと。しかし、メーリングリスト登録者157人のうち5人に1人がSPを購入してくれたおかげで、発売したその月に大きな利益をあげることができたとしています。

メールが有効なのとは対照的に、Twitterではそれほど本は売れないとアールさんは話しています。サイバーマンデーにメーリングリストのメンバーとTwitterのフォロワーの両方に割引コードを送って反応を調べたところ、本を購入してくれた人の割合はメーリングリストメンバーがTwitterフォロワーの11倍だったとのことです。

4:入り口を広げる
Twitterでは電子書籍は売れないというアールさんですが、より本を売るためにはTwitterは非常に重要なツールであると話します。アールさんは、Twitterのフォロワーに直接、本を買ってもらうことは難しいものの、フォロワーにメーリングリストへ参加してもらうことは比較的易しいと言います。メーリングリストに参加してもらい、メールを定期的に読んでもらえれば本を購入してもらえる確率が高まるのは前述の通り。Twitterは読者を呼び込む「入り口」として非常に有効であるとアールさんは考えています。

アールさんは熱心にフォロワー数を増やしています。


5:セット販売は有効

By Pascal

関連した書籍をセットにして割引価格で販売することは売り上げアップに非常に有効です。アールさんは、セット販売ができるように、SPに関連した新しい本の出版を計画中とのことです。

6:売り続けると良いことが起こる
電子書籍は発売直後だけ売れ、その後はまったく売れない状態が続くことがほとんどであると言われます。アールさんのSPも、時間が経つにつれて次第に売れ行きが悪くなり、落胆したそうです。しかし、本がもっと売れるようにといろいろなことを試し続けたところ、想像していないチャンスが舞い込むようになったと話します。

アールさんはその職業柄、プログラミングの解説書などを手がけているジェシー・リバティ氏のブログをよく読んでいました。アールさんは、そのリバティ氏のブログでSPを称賛してもらう機会に恵まれました。また、セット販売のために本を書こうと思っていたアールさんに、他の電子書籍作家から、お互いの本をセット販売しないかという提案を持ちかけられ、売り上げをアップさせることもできました。根気よく本を売り続けていれば、思わぬチャンスがあるはずだとアールさんは語っています。

売り上げは、突然アップすることがあります。


7:小さくスタートする

By Tambako The Jaguar

電子書籍の出版を始めるときには気持ちが高ぶり、壮大な作品を売り出そうと意気込むことも多いものですが、大作であればあるほど発売にこぎ着けるのが難しくなります。ベータ版で見切り発車したアールさんでさえ、自身の経験を振り返ると、やり過ぎたと感じているとのこと。小さくスタートして、徐々に大きくすることが成功する秘訣だそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
電子書籍は本嫌いの子どもの読書を促進する可能性を秘めている - GIGAZINE

日本の電子書籍の来るべき未来、AmazonのKindle戦略を徹底解説 - GIGAZINE

電子書籍の脅威から本屋を救うための10のアイディア - GIGAZINE

無料電子書籍作成アプリ「iBooks Author」で何ができるかまとめムービー - GIGAZINE

軽くて充電無しで8週間使用可能な「Kindle Paperwhite」2013年モデルのムービー&フォトレビュー - GIGAZINE

アマゾンジャパンが電子書籍サービスKindleの新サービス「Kindle 連載」を本日10月25日からスタート - GIGAZINE

Amazonや楽天のリアル書籍と電子書籍との差額をすぐに確認できる「電子書籍サーチ」 - GIGAZINE

in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article Seven tips the authors who sold over 1 m….